対決!セレン対Sクラス
「はぁぁ〜〜〜......なんでこんなことになるんだ......」
放課後、俺は半ばカーズに引きずられながら学院の訓練場にまで来ていた。無論他のSクラスのみんなもだ。この訓練場は実技専門の訓練場であり、頑丈な構造でできていてなおかつ壁や床には魔法の威力を吸収する素材を導入しているらしい。これならば多少激しくやっても壊れることはないらしい。そんなとこよくカーズは知ってたな......。
エノルド学園のみんなは、闘志と敵意を俺に向けながら訓練場の中でウォーミングアップをしていた。そりゃあれだけ盛大に挑発されたらこうなるよな......。それに対してメルゲン学園のクラスメイト達は半ば呆れた様子でエノルド学園側を見ていて、やる気など微塵もなさそうだった。
「あいつら終わったな...」「死んだな......」「どんな目にあっても知らねーぞ......」「セレン君、手加減してくれるといいんだけど......」
こんな調子でエノルド学園の方を擁護するような発言も出てきてるぐらいだ。ほんとにどうしよう......この展開。
「さて、じゃあルールを説明するぞー!形式はこの”セレンVS俺たちSクラス全員”だ。勝敗条件はセレンは俺たち全員を戦闘不能にしたら勝ち。俺たちはセレンに傷一つでもつけたら勝ちだ。攻撃方法は問わない。武術でも魔法でもなんでも良い。とにかくセレンに攻撃を当てれば勝ちだ。それで良いなお前ら!」
「「「「おうっ!!!!」」」」「「「「......」」」」
それぞれ対照的な返事?を見せた両学園Sクラスのみんな。実はこれ、1年前くらいにメルゲン学園のみんなとだけでやったことがあるんだ。なんか誰かが俺の実力が知りたいだとか言ってやったのがきっかけだったかな?結局今回と全く同じ形で試合を行い、俺が勝ったんだがまた同じことをやるとは思ってもいなかったんだろう。俺もみんなもやる気モードに入れない。......2人を除いてだが。
「よーーっし!!今日こそセレンに勝つよみんな!!」
「わたくし達も成長しているというところをセレン様に見せつけましょう!」
「「「「おおうっ!!!!」」」」
その2人の鼓舞によりさらに気合が入った様子のエノルド学園Sクラスは、早く始めようぜと言わんばかりに臨戦態勢に入った。一方メルゲン学園Sクラスは、やれやれといった調子で臨戦態勢に入った。
こうなった以上やるしかないと腹を括った俺は、静かに臨戦態勢に入った。今回は丸腰なため魔法で戦うことになるが、問題はないだろう。
「じゃあ!スタートだ!!」
カーズの合図とともに試合が始まった。すると早速俺に向かって大量の魔法が飛んできた。【炎】【氷】【風牙】......様々な初級魔法が俺に向けて放たれてきたが、速度はそこまで速く無かったため、躱すのは容易だった。正直、くらったとしてもダメージもほとんどないだろう。
「く、くそ!これだけ放ってるのに!」
「なんで当たらないのよ!」
エノルド学園側からそんな声が聞こえてきた。確かに10歳でこれだけの魔法を簡単にかわしていると言うのはおかしな話なんだろう。俺の場合は冒険者稼業で鍛えあげられた経験と戦闘感が功を奏し、こうして躱していられるんだろう。
「(そろそろ、攻撃してみるかな......)【炎】!」
俺が牽制程度に放った【炎】は、みんなのもとに一直線に伸びていった。もちろん牽制なため、威力もスピードも緩めだ。そんなスローな【炎】はみんなの足元に直撃した。
「はん!そんな攻撃が俺らに通用すると思ってんのか!」「全然大したことねーじゃねーか!ははは!」「これなら楽勝楽勝!!」
それを見た途端にエノルド学園側は嘲笑をし始めた。牽制程度でそこまで言わなくてもな......。
「これは不味くない......?」
「ああ......やばい」
「備えとこうぜ......」
トランやナルメア達と言うか、メルゲン学園側のみんなは俺への悪口を聞いた途端、一歩後ろに下がったのがわかった。大方俺が次に何するのかを察したからだろう。さて......じゃあ!
「受け身とれよ〜?【炎】!!」
さっきよりも少し魔力を込めた俺の【炎】がエノルド学園のみんなの足元に向かって放たれた。
「なっ!?でか...ぎゃぁぁぁーーー!!!」
「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!!」
スピードも威力もさっきとは段違いな【炎】を喰らったエノルド学園のみんなはその衝撃波に吹き飛ばされてしまった。それによってほとんどの奴は立ち上がることができなくなってしまってい、その中にはモロズリ君の姿もあった。かろうじて立っていたのは首席のセラさんのみだった。おそらく攻撃を受ける際に後ろにステップすることで、衝撃を和らげたんだろう。
「くっ......なんて力......これほどとは......」
とはいえ、もはや立っているのもやっとなセラさんをそのままにしておくわけにもいかなかった為、俺はセラさんに聞いてみることにした。
「セラさんどうする?その状態でやる?」
「冗談を......こんな状態で貴方に勝つことなど皆無なことはわかってます。私はここでーーー」
セラさんが何か言う前に俺はセラさんに魔法をかけた。
「そっか。【中回復】」
「え!?身体が......元に?怪我も治ってる!?貴方まさか......回復魔法を!?」
「ああ、かけたよ。それならまともに戦えるでしょ?」
「しかもあの光は中級魔法の【中回復】。【回復魔法】は回復術師や聖女、賢者クラスの方達でしか使うことができないと言われてるのに......。貴方は一体......」
いきなり使われた回復魔法に驚きを隠せない様子のセラさん。確かに回復魔法を使える人となるとそう多くはない。国にも数人いるかいないかのとても稀有な存在ならしい。それを俺みたいな子供が使ったんだから驚きもするだろうな......。
「まぁ細かいことは気にしないで。とりあえず回復したんだから、続き始めようよ。次は、みんなの番だけど?どうする?」
俺はセラさんから後ろのみんなに視線を移した。
「セレン?いつまでも俺たちのことを甘く見てんなよ?確かに1年前は負けた。だが、今回は違うぜ?俺たちだってあの頃と比べてはるかにレベルアップしてるんだ!この前みたいに行くと思うなよ!」
「お前やルナには及ばないかもしれないが、俺たち全員が力を合わせれば絶対勝てる!しかもこっちにはルナもミリアもいるんだ!はっきり言って有利なのはこっちだぜ!」
カーズとローレンが揃って宣戦布告してきた。どうやらやる気みたいだな。どうやらそれは他のみんなも同じ気持ちみたいだ。
「そうだな。なら、早く始めよう!」
「行くぞー!!!」
「「「「「おおお!!!!!」」」」」
こうして俺VSクラスのみんなとの第2ラウンドが始まった。......てか、もうエノルド学園のみんなはほとんど戦闘不能になってるんだから、この勝負はもう終わりでいいんじゃないかな......。俺の力を知ってもらうだけの話だったんだし......。
そんなことを考えてる間にみんなが突撃してきた。とりあえず......やりますか!
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