Sクラスは貴族だらけ?
「さすがセレンね!あの王女様を簡単にいなしちゃうなんて!」
勝負がついたのを見計らったようにして、ルナが人をかき分けて出て来た。
「お前な......見てたんなら助けろよ。こっちは大変だったんだぞ......」
「だって〜、なんか面白そうだったし、セレンが王女様相手にどう戦うのか見て見たくなったんだもん!」
「だからってだな......」
こいつ......ドSだな。俺がやられてるのを見て面白がってやがる......。
「貴方は......あの赤い髪の......」
どうやらルナのことも王女様はあの時助けられた2人組と認識したようだった。ルナの時は偉く早く納得するんだな......。
「そ!初めまして、王女様!さっき自己紹介したけど、私ルナ・ハルバン。あの時は挨拶もしないで行っちゃってごめんね。改めてよろしくね!」
「はい!あの時は本当にありがとうございました。改めまして、バララニア王国第3王女、ミリア・ルーナ・ワーデンローズです。これからは同じ学院の同僚として、お友達としてどうかよろしくお願いします!」
こうして、入学初日の壮絶な学院デビューの日はようやく終わった。王女様と友達になるという事態が起きたがな......。
ようやく寮に帰ることができた俺は、ルナと別れた後、俺の部屋に向かっていた。部屋の前に着くと中から話し声が聞こえた。既に同部屋の生徒が来ているんだなと思い、一度ノックしてから中に入った。
「失礼しま......す?」
「あれ?セレンじゃないか。君もこの部屋だったんだね」
「え!?トラン!?」
中にいたのは2人の男子生徒だった。そのうち一人はさっき隣の席で話したトランだった。もう一人は確か同じSクラスにいた......誰だっけ?
「あぁ、俺はローレン・フォン・ゼルジエバ。ゼルジエバ公爵の次男さ。トランと俺は古くからの付き合いでずっと仲良くしてもらってるんだ。よろしくな!セレン君」
「セレンでいいよ。俺も名前で呼ぶから。よろしく、ローレン!」
一通り挨拶をし、まずは親睦を深めようと、部屋にあった自分の椅子に座り、仲良く会話しようと言うことになった。
「......にしても、周りは貴族ばかりだな。Sクラスで平民なのって俺とかルナくらいじゃないか?」
「そうだね。今年のSクラスはほとんどが貴族。と言っても毎年そうらしいよ。なんて言ったって貴族は王族の次に偉いような身分だからね。当然、躾も厳しいし、習い事も多い。そんなきつい教育を受けて来たんだ。......無論僕たちもね。そうなのだからSクラスを貴族が独占するのは至極当たり前なんだ」
「そんな中に俺たちがいていいのかな......?」
「いいに決まってるだろ!身分はどうであれ、このSクラスはそれ相応の実力がなければ入れないんだ。お前は実力が認められたからSクラスに入れたんだ。何も気にすることはねーよ」
「ローレンの言う通りさ。セレンもルナさんも名高る貴族たちよりも良い結果を出したからこそSクラスに入ったんだ。平民だからとか気にしないでいいよ。同じクラスな以上、もう僕たちは対等な立場だよ。だから、今後も普通に僕たちに接してくれると嬉しいな」
二人の言葉に内心すごくほっとした。もしかすると、平民だからと言って蔑まれたり差別されたりするんじゃないかとか思っていたんだが、どうやら心配はなさそうだ。”この2人”はだが......。この2人はいい奴だったが、他の貴族はわからない。平民をよしとして見てないかもしれないな......。まぁ、その時はその時で考えよう。
「ああ!もちろんだ!今後ともよろしくな!2人共!」
見事に打ち解けられた俺たちはその後も仲良く雑談した。平民の生活、ルナとの関係、趣味などいろんなことを話した。やっぱり、こうやって男だけで話すって言うのもなかなかいいもんだな!
入学して初日、俺に2度目の人生で初めての男友達ができた瞬間だった。
「(ルナはどうだろうな......ってあいつなら心配は要らなそうだな......」
Sクラスはほとんど貴族という事実に困惑するセレン。
次回はルナsideを見てみます!




