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転生魔術師は異世界を存分に満喫する〜何故か神々に気に入られ、チートになった件〜  作者: リューク
第2章 幼年期 王都立メルゲン学院編
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一騎討ち VS王女様!?





「......勝負、ですか?」




「......はい」




言い直した俺に再び肯定の意を示してきた王女様。勝負って何するんだ......?




「すみませんが、わたくしについて来てください」




「は、はい......」




俺の意思は関係ないといった感じでついてこいと言ってくる王女様に何と言うか凄い圧を感じていた。これは逆らえないと思い、大人しくついて行った。他のクラスメイトも気になったようで俺と王女様の後ろをコソコソついて来ていた。ルナもついて来ていたが、今回は高みの見物といった感じでこちらを眺めていた。正直、助けて欲しいんだが......。







連れてこられたのは校舎と寮の中間地点にあるこの学院の中庭だった。敷地が広いだけに中庭もなかなか広い。ここで昼寝するってのも悪くないな......。そんなことを思っていると、前の王女様が足を止めた。ここでやる気か?




「ここで大丈夫です。では......早速始めましょう。ナラ、あれを」



「はい。ミリア様」



王女様がそう言うと、後ろの生徒達をかき分けてナラと呼ばれた王女様の従者に見える人がこちらに近寄って来た。手には剣が2本、木刀ではない。だがよく見るとその2本の剣のは潰していて、殺傷力はなさそうだった。その剣を俺と王女様に渡した。となれば勝負の方法は大体理解できた。




「一騎討ち......ですか?」




「はい、その通りです。降参するか相手を戦闘不能にした方が勝者となります」




なるほどな......。ルールは理解したがその前に聞きたいことがあるな。



「その前に一ついいですか?」




「何でしょうか?」




「何故俺と勝負を?」




「......」




何故か少し口を濁した王女様だったが答えはすぐに返って来た。




「わたくしは今、ある方を探しているんです。正確には”ある方々”ですが。その方達は魔物に襲われていたわたくし達を助けてくださいました。そのお礼をまだしてないと思いまして、今探しているのです。その方達はわたくしと同じくらいの歳で冒険者、そしてその方達は銀色の髪をした男の方と赤い髪をした女の方だったそうです。わたくしはこれまでそれの該当する方を何人か目にして来ましたがどの方もあの方々とは似て非なる方達ばかりでした。ですが、貴方は少しこれまで会った方々とは違うようです。そう感じました。ですから先ほどあのような質問をさせていただきました」



「あぁ......そう言うことですか」



どうやらこの王女様はお礼が言いたくてその銀色の髪の男と赤色の髪の女を......ってかそれって完全に俺とルナのことじゃん!!ってことは俺らが助けたあの馬車の中に王女様がいたってことか!......面倒なことになった。



「その質問に貴方は正確に答えてくださいました。本来ならそれを信じても良いのですが、わたくしとしても王女としての立場があります。簡単に人を信じるわけにはいかないのです。それでこのような形にさせてもらいました。貴方の実力が本物ならばこの一騎討ち、相当壮絶なものとなるでしょう。そうならなければ貴方は偽物。そう言うこととなります。これならばはっきりするはずです。なので......構えてください!」



「え!?えぇ〜〜!!?」



いや、さっきの質問で納得して欲しかったんだが、王女様となんて勝負したくないんだが......。



「女だからといって油断していると足元を救われますよ!私はこう見えて剣術には磨きをかけております。騎士団長に鍛えられましたから。今となってはB級程度の魔物ならば楽に倒せるほどです!」



うん、B級なら1年前でも余裕で倒せるな......。ってか騎士団長か......。相当な剣の達人なんだろうな......まぁでも【剣神】のエリさんには負けるだろうな......。とりあえず、勝つのはまずそうだから軽く手を......。



「先に言っておきますが、手など抜かないでくださいね。全力で来てください!」



「......はぁ〜〜」



......まぁ、うまくやろう。そう心に決め、王女様と一騎討ちに臨んだ。













「参ります!」



王女様は剣を中断で構え、そのまま俺に向かって来た。一見隙だらけに見えるがその構えに隙は全くなく下手に斬りかかると簡単にカウンターを貰い、戦闘不能になるな。なかなか強い!それが俺の感想だった。冒険者だったらCランクの人ともいい勝負できるかもしれない。そういえば考えてみたら王女様はこの学年の首席だ。このくらいの実力ぐらいあっても当然か。



「たあ!」




王女様は2回ほどフェイントを入れながら俺の斜め右から斬りかかって来た。普通の人なら反応できないほどのスピードでだ。だが......。



「(遅いな......)」



......簡単に俺は躱した。ちなみに言っておくが強化魔法は使ってない。何度も魔物と戦ってたせいか動体視力も向上してたみたいだな。



「なっ!?」



王女様は躱されることが予想外だったのか驚いていた。それは周りのクラスメイトも同じだった。......ルナを除いてだが。むしろあいつニヤついてるんだが......。



「あの王女様の剣を躱した!?」「俺には剣すら見えなかったぞ!?」「あいつは一体......?」



口々に何か言っていたがもはやどうでもいいや......。それよりも......。



「こないのですか。俺の実力を見極めるんでしょう?」



「くっ......そうですね。見極めなければなりませんね!!」




再び俺に向かって来た王女様。それを軽くいなす俺。その後はそれを何度も繰り返した。この一騎討ち、俺は王女様に剣を振る気はない。目の前にいるのは一国の象徴である王女様。万一にも怪我をさせたら大変なことになる。それを危惧しての配慮だ。剣術としては凄いものを持っているが正直まだまだだ。今後もっと鍛錬を積めばいずれ凄い剣士になるな。俺はそう思う。











あれから、どれだけ時間が経ったんだ?多分これで12度目の激突だが、やはり結果は変わらなかった。俺は王女様が振り下ろした剣を軽く受け止めて怪我をさせないようにそっと剣を受け流した。王女様はバランスを崩したが倒れることなく再び剣を構えた。見ると、王女様はすでに息を切らしていた。そろそろ限界だな......。



「王女様......これで最後にしましょう。これ以上やっても意味なんかありませんよ」



「そうですね......では、これで最後にしましょう。最後はわたくしの全身全霊を込めて参ります!」



王女様はそう言うと、居合の構えをとった。すると何やら王女様の周りにピリピリとした【闘気(オーラ)】が漂い始めた。



「(あれ?この構えって......)」



俺はこの構えと【闘気(オーラ)】にすごく見覚えがある、と言うか間違いなくあの技でしょ!?まいったな、この技を使える人って俺の他にもいたんだ......。ますますこの王女様に興味が出たな。とりあえずどうするか、さっきみたいに躱すことも出来るがせっかく全力で使って来てくれるんだ。俺もそれに応えないとな......。

そう決めると俺も()()の構えをとった。



「いきます!!」



「はい!」



俺と王女様は同時に地を蹴った!そして全く同じ動きで俺と王女様は技を繰り出した!




「「雷の技!一の斬!【迅雷斬り】!!」」



互いに繰り出した技が衝突した。もちろん加減はした。しないと剣ごと王女様を斬ってしまう可能性があったからだ。結果として勝ったのは......俺だった。王女様の剣を真っ二つに斬って戦闘不能にしたからだ。俺は王女様の剣のみを狙ってさっきの技を出した。剣を失えば戦闘不能になる。そう判断して出した最善の判断だった......と思う。




「ふう......わたくしの完敗ですね......参りました」




「いえ......王女様も凄い剣をお持ちですよ。いずれは凄い剣士になれますよ」





「ありがとうございます。負けたのはすごく悔しいですが、ようやく......ようやく確証が取れました!」




「!!??」



折れた剣をナラさんに渡したと思ったら今度は王女様が俺の手を両の手で優しく掴んできた。何を!?と王女様の顔を見ると、さっきまでの疑うような目や顔は消え去り、代わりに安堵のような表情を見せながら顔を少し赤くしていた。それは周りのクラスメイトも同じで信じられないといった顔をしていた。




「やっと......やっとお会いすることが出来ました!セレン様、あの時は助けていただき、本当にありがとうございました!」




俺の手を取りながら王女様はお礼を言ってきた。どうやら疑念は晴れたようだな。だが、この後どうするか......。













いつもより長めに書きました。

これから話がどんどん進んでいきます。

お楽しみに!

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