肩慣らしにAランクの魔物を狩る!?
魔物がいると思われる場所に急いだ俺たち。少し行くと、何やら一つの馬車の前で4人の騎士と思われる人たちと大きな魔物が戦っていた。
「あれって......ブルードラゴン?」
よく見ると騎士達が戦っているのはAランク級の魔物、ブルードラゴンだった。体の表面が青色の鱗で覆われており見た目はとても美しいドラゴンだ。だが、見た目とは裏腹に気性がものすごく荒い。目に入った動物は無差別で攻撃してくるというたちの悪い魔物だ。この魔物は本来この地域にはいない。なぜこの地方にいるのかはわからないが、基本的にはもっと東、俺たちの故郷がある地方によく現れる。そのため、何回かこのブルードラゴンのクエストも受けたこともある。ブルードラゴンはAランク級の魔物の中でも弱い部類に入るため、サリーさんもレイさんも受注することを許可してくれたんだ。そして何を隠そう、このクエストを達成したことで俺たちはBランクに昇格したんだ。この魔物はある意味で因縁深い魔物だ。
「なんか久しぶりに会ったって感じだよねブルードラゴン!最近勉強ばかりだったから早く魔法打ちたーい!」
ルナは早く魔法が打ちたくてうずいてるようだった。俺も似たようなものだが......まぁ、とりあえず問題ないだろう。
見るとどうやら騎士達はあの馬車を守ってるようだ。なら、馬車に攻撃が当たらないよう注意しないとな。
......さあ、始めるか!
「いくぞ!ルナ!!」
「うん!!」
合図と同時に俺とルナはその場に躍り出た。そのままブルードラゴンに向かって突っ込む!
「なんだ君たちは!?ここは子供のいる場では無い!すぐに離れろ!!」
俺たちに気づいた一人の騎士さんがブルードラゴンとつば競り合いをしながらも俺たちのことを遠ざけようとした。まあ普通そういう反応だよね......。
「だいじょーぶ!私たちあんなの何回も倒してるから!」
「あ、あんなのって相手はブルードラゴンだぞ!子供が勝てる相手じゃ無い!逃げるんだ!!!」
......これは何を言っても信じてもらえないようなため問答無用で片付けさせてもらう!
「ルナー、先やっていいぞ。でも少しは残せよー!」
「残んなかったらごめんねー!」
前は俺が先にやったからな、今日はルナの日だ。俺たちは二人で討伐クエストを受ける時はいつもどちらが先に魔物と戦うのを決めている。なんでかというと、いつもほとんどの魔物をすぐに倒してしまうからだ。交代する間がないほどに。だからこの決まりを作った。不平等なのはごめんだからな。
「【暴風】!」
ルナはこの前覚えた風の上級魔法、【暴風】を使った。【風牙流】の倍以上の猛烈な強風と鎌風、そして衝撃波がブルードラゴンを襲った。ルナはこれまで詠唱のスピードや魔法の威力を高めることを重点的にやってきた。その甲斐あって、無詠唱はまだ出来ないが、高速詠唱で魔法を唱える事が出来るようになった。だからこそ、ブルードラゴンが構える前にすぐに魔法が打てたんだ。ほんとに成長したな......。ブルードラゴンはその魔法の速さに反応することもできず思いっきり、魔法の餌食となった。
「こりゃ、もう終わったな......」
ルナの魔法をまともに受けたブルードラゴンは魔法の効果が収まると同時にこちらに倒れてきた。ブルードラゴンの平均体長は10m、このブルードラゴンは見る限り、12mと言ったところだろう。そんな巨体がこちらに倒れてきたらここにいる全員、もちろん馬車も含めてペシャンコだ。そう思った俺は【斬滅剣】を抜いて構えた。そして技を繰り出した!
「風の技・一の斬【疾風斬り】!!」
目にも止まらぬ速さで跳躍した俺は、風のオーラを纏った【斬滅剣】でブルードラゴンの巨体を真っ二つに切り裂いた。巨体は二手に分かれ俺たちのいる両サイドに崩れた。怪我人は......よし!いないな。
「や〜ごめんごめん。もっと遠くに吹き飛ばしとけば良かったね!」
「......お前、残すってこと忘れてたろ......?」
ルナに文句言ってやろう、そう思っていたが後ろから声をかけられたためそれは叶わなかった。
「す、すまない......取り込み中のとこすまないが、き、君たちは一体......?」
さっき助けた騎士さんだった。どうやら今見た光景に理解が追いついてないようだった。
「あ〜すいません。急に飛び出したりして......。俺たち一応冒険者なんですよ」
「そう!Bランクのね!」
そう言ってギルドカードと、首飾りを騎士さんに見せるルナ。あまり見せびらかさないでほしいんだが......。
「すごいな......こんな子供が......」
「さっきの実力なら納得だな......」
他の騎士さん達も同様の反応を見せた。まぁ、普通、こんな子供が冒険者だなんて思わないよね......。
あんまり長居するのもなんだし......。
「それじゃ、俺たちそろそろ行くんで!ルナ行くぞ」
「え?いいの?このまま行っちゃっても?」
「(大丈夫。あの馬車にはこっそり障壁魔法をかけておいた。並大抵の攻撃ならびくともしないさ......ゴニョゴニョ)」
小声でルナに告げた。俺が使ったのは障壁魔法の上級魔法だ。Aランク級の魔物が来てもびくともしない魔法だ。これなら問題なく進めるだろう。これでここを離れられる口実を作れた。これでやっと王都に向かえる。あまり関わると変に詮索されそうでまずい。ここはすぐに立ち去った方が良さそうだ。
「そっか!それならいいか!それに私たちもやる事あるしね!というわけで騎士さん達、道中気をつけてね!私たちもう行くから!じゃあね!」
「えっ!?あ、いや!ちょっと君たち!?」
呼び止められたが気にせず俺たちはその場を離れた。そしてそのまま王都に向かう事にした。
王都はもう目前だ......。
次回はいよいよ王都に入ります。
お楽しみに!




