王都に向けて出発!
それから3ヶ月後、とうとう俺たちはメルゲン学院の試験に向かうことになった。
「じゃあセレン、ルナちゃん、気を付けてね。王都への行き方はこの地図に書いてあるから」
そう言いながら地図を渡してくる母さん。今、俺たちの見送りに来てるのは、母さん、ルージュ、村長さんの3人だ。父さんは冒険者の仕事があったため来れないらしい。まぁ......後で会いに行けばいいだろう。
「兄さん、ルナさん、頑張ってくださいね!わたしはまだ学院に通うことはできませんので一緒に行けませんが、2人の試験が良い結果になることを祈っていますからね!」
「ああ!ありがとな!」
少し寂しそうだが、俺たちのことを応援してくれたルージュ。妹にここまで言わせたんだったら下手な点は取れないな......。
「セレン君、ルナのことしっかり見ていてくれよ。この娘はちょっと目を離すとすぐにどっか行ってしまうからな。ハッハッハ!」
「も〜パパったらそんなことないでしょ〜!」
「お前......昨日だって俺と勉強してる時に俺がちょっとトイレに行ってる間に居なくなってたじゃないか......」
「だってやること終わってたし〜」
「そういう問題じゃなくてだな......」
......こういうのはなんだが、ルナって見かけによらず頭が良かった。俺が苦戦した国の歴史も俺よりも遥かに早く理解してた。だからやること終わったというのは満更嘘ではなかった。......その頭をもう少し違うことに使って欲しいんだが......。
「はいはい、あんまり話してると日が暮れちゃうからそろそろ行きなさい。......ほんとに馬車は使わなくていいのね?」
「うん。馬車に乗るよりも俺たちは自分の足で行く方が楽しいんだ。自分のペースで行けるしね!」
「そうそう!私ってあんまり馬車って好きじゃないんだよね〜!」
自分の足で行く方が楽しい。それもあるが言ってしまえば、自分たちで行った方が早く着くんだ。俺たちは移動する時はのんびりしたい時を除いて、【身体強化】を使って移動している。【身体強化】を使う事によって常人の倍以上のスピードで移動することが出来る。その速度は馬車よりも速い。馬車で王都まで約1週間で着くと言っていたが俺たちなら3日で着くだろう。
「そっか、そういう事ならもう何も言わないわ。後は試験のことを祈るだけ、頑張ってね!」
「頑張ってください!」
「いい報告期待してるぞ!」
3人からの後押しを受けながら俺とルナは王都バララニアに向かって旅立った。
ーーとある森の中ーー
「くそ!!なんでこんなところにこんな魔物が!!?」
鬱蒼とした森の中、男の声がこだました。
「知らん!今はとにかくこいつを馬車には絶対近づけさせないことを考えろ!!」
「俺たちは護衛だ。王女様を守るためにいるのだ。中の王女様には絶対に近づかせんぞ!!」
馬車の中にいる人物の護衛と思わられる騎士達がある魔物と対峙していた。騎士達は魔物を威圧するように声を大きくあげ剣を構えていた。だがそんなことは意に介してもいないのか、魔物は距離を詰めてきた。
「くっ......行くぞ!!王女様を守れーー!!!」
隊長らしき男が号令をかけるとともに大勢の騎士達が魔物に向かって襲い掛かった......。
時は少し戻り、俺とルナは【身体強化】を使いながら、王都に向かって移動していた。
「セレンー、後どのくらーい?」
「後、30kmくらいだから2時間くらいだな」
村を出発してからはや2日、予想よりも早く、王都に着く事が出来そうだ。これも成長した証だろうか?ルナに至っても【身体強化】を教えて半年が経ったが、もう完璧に使いこなせている。こいつの成長も早いな......。
「そういえばセレン、ちゃんと歴史覚えたの?」
「完璧には覚えられなかったな......。出来ないとこは魔法の問題と実技でカバーする予定だな」
「あんなのちょっと見ればできる気がするんだけどな〜?」
「嫌味か!!?」
このように俺たちは【身体強化】中に走りながらも会話する事ができる。普通ならそんな余裕は無いらしいのだが、俺もルナも結構な量の魔力を持っているため、問題なかった。
俺たちは雑談したまま真っ直ぐに王都に向かった。もうじき着くという高揚感もあってか、スピードが上がった気がする。
それから1時間後、ようやく王都が見えてきて俺もルナもウキウキが止まらなくなっていたのだが突如としてそれは消え失せた。
「......ん?」
俺の【広範囲探知】に何か引っ掛かった。確認してみると、何やら大型の魔物が何かに向かって襲い掛かってるようだった。これは......人か!!?
「セレン......」
ルナも【気配探知】で感じ取ったらしく、どうする?と言った目で俺を見つめてきた。さすがに見て見ぬ振りは出来ない。そう思った俺は目だけで、助けようとルナに訴えた。
「そうこなくっちゃ!よーし!助けに行きますか!」
「人が大変な目にあってるっていうのによくテンション上がるな......」
そういうわけで、俺たちは寄り道がてら救助に向かう事にした。......ちょうど剣振りたいと思ってたからちょうどいいな!
王都に行く前に軽く肩慣らし?
馬車に乗る王女とは一体?




