セレン、ルナ無双開始!
翌日、俺たちは新たに手に入れた武器やスキルの確認のため、討伐クエストを受けようと思い冒険者ギルドを訪れた。
「いらっしゃい2人とも。あれ、ルナさんのその杖......?」
ルナが持っている杖のことが気になったのかサリーさんがこの杖に釘付けになってる。なんで持ってるの?そう顔に書いてあった。
「昨日武器屋で買ったんだ〜!どう、サリーさん?私魔法使いに見えるかな?」
「そうだったんですね、はい!立派な魔法使いに見えますよ!」
そう言われて嬉しかったのか、「セレン聞いた聞いた〜?私魔法使いだって〜」などと俺に詰め寄ってくるルナ。
......と言うか魔法使いじゃなかったら今までなんだと思ってたんだ?
「と言うわけで今回はこの杖を試してみたいってことで討伐クエストをお願いしてもいいですか?」
「はい、討伐クエストですね。少々お待ちください......」
数分後、何枚かの候補の討伐クエストを掲示してくれた。
「現在はこれだけ討伐クエストがありますね。全部Dランクの魔物ですので2人でしたら問題ないと思いますよ」
掲示されたのは全部で5枚、それぞれDと言うランクが書いてあった。まあ、試すにはちょうどいい相手だろう。
「じゃあこれ全部受けます。それでいいか?」
「うんいいよー!」
クエストの受注を終えた俺たちは早速クエストの場所に向かった。
「いたよー!」
森に入ってすぐ、ルナの【気配探知】に魔物がひっかかったらしい。最近は探知できる範囲が広がったようで、2km先まで探知できるようになったらしい。
「よし!さあ......始めるか!」
クエスト内容はクランウルフ2体の討伐だ。この魔物はスピードが他の魔物に比べて桁違いに速く、並の冒険者なら一瞬で餌食となってしまう。その代わり動きは単調だ。動きが読めれば大した敵ではない。ちなみに俺たちは村の近くの森で何度も戦っている。
「じゃあ早速いくね〜!【風牙流】!」
杖から放たれたルナの魔法【風牙流】は、今までの倍近い大きさの衝撃波と斬撃を飛ばし、クランウルフを一瞬で真っ二つにした。杖一つあるだけでこうも違うのか......。正直言って驚いた......。
「すごーい!すごいすごいすごいー!!見たセレン?私の魔法すごかったよね?」
「ああ、俺もびっくりしたよ。まさかここまでとはな......」
さて、驚いている間にもう一匹が俺に向かってきたようだ。
「じゃあ俺もこの剣と技を試すとするか!」
俺は【斬滅剣】を抜き、こちらに向かってくるクランウルフを待ち構えた。そして精神を集中させる。集中させながら剣に”火”を纏わせるよう頭にイメージした。
「いくぞ!火の技・一の斬【火炎斬り】!!」
炎を纏った【斬滅剣】がクランウルフをこれまた真っ二つに分断した。切り口から炎が燃え広がり、やがてクランウルフは丸こげとなったまま絶命した。
「ふぅ〜、感触は確かめられたな......」
「すごいねセレン!その剣もすごいけどさっきの剣から火が出るやつ、あれすごかったね〜!」
「俺もそう思うな。正直しびれた......」
神界でやったことは無駄ではなかったらしい。これがあれば多少の相手なら難なく倒せるだろう。
「じゃあ、残りのクエストも頑張ろー!」
ルナの気合いをいれる一言を聞き、気を引き締めた俺、残りのクエストも無事達成するために油断せずに頑張っていこう。
すべてのクエストを終えてアルメナに戻ってきた時にはもう日が傾きかかっていた。
「楽しかったねー!杖を使うの楽しくて時間なんか忘れちゃってた」
「何やってんだ......と言いたいとこだが、俺も人のこと言えないな......」
気づいた時にはすでに日が傾いていた。まさかあそこまで熱中するとは思わなかったんだ。覚えた技を出すのが楽しくてついついやり過ぎてしまったんだ。まるで子供だな......子供だが......。
「とりあえず、報告しにいこう。終わったらすぐに帰るからな」
「はーい!」
そのまま俺たちは冒険者ギルドに報告をし、報酬の金貨50枚を受け取りそのままギルドを後にした。
【空間移動】で村に戻ってきた俺たちはそのまま家に帰ろうとしたのだが入り口である人を見つけた。
「あれ?父さん?」
「ん?おお!セレン、ルナちゃん!久しぶりだな!」
居たのは俺の父ゼルバだった。最近忙しかったせいか冒険者の仕事をしてる時も会えていなかった。久しぶりに会えたせいか父さんは心底嬉しそうだった。
「お前達、今帰ったところか?道中はそれらしい姿は見えなかったんだが?」
「ああ......それは......」
「セレンの魔法でピューンって飛んできたんだよ!」
俺が言おうか迷ってたことをこいつはさらっと言ってくれた。説明するのは俺なんだぞ......。話をややこしくしないでくれ......。
その後、父さんに【空間移動】について軽く説明し、納得してもらった。父さんも転移魔法が【失われた魔法】だと言うことは知っていたが、そうかと納得してくれた。いつか話せたらいいな......。そうして俺たちは家に帰り食事をとって眠りについた。
こうしていつもの日常に戻る。冒険者稼業をこなしながら自分を高めてく、それが今の日常だ。だが、それは1年後大きく変わることとなる。
俺としては変わって欲しくないなー......。
第1章はこれにて終了です。
ここまでお付き合いいただいた方ありがとうございます。
次回をお楽しみに!




