神聖水
「説明しておくとね、僕らはこの世界と異世界を統べる神なんだ」
「へ〜神ね〜神・・・・・・神!!?」
今目の前にいるのは神。あの神だ。普通なら納得できないだろう。だがここが死後の世界で自分が死人であるならある程度納得できる。すでに自分が死んでいるという信じがたいことを先に聞いてしまったこともあり、もはや神如きでは驚かなくなっていた。
「神様って本当にいるんだな・・・・・・うん?僕ら?」
「そう!僕ら!」
再び明るく答えたニック。それってもしかして・・・・・・
「ニックって神様?」
「ああ、そういえば言ってなかったね。僕は風の神をしてるんだ。いわゆる風神だね」
「そうなのか・・・・・・」
なんとも反応に困ることを言われた。今まで俺はニックのことをただの案内人と思って振る舞っていた。それがいきなり自分は神だなどといえばそうなるだろう。今まで生きてた中で一番驚いたかもしれない。いや、今は死んでるから生きてるうちとは言えないのか?
「じゃあみんな自己紹介しようよ」
そんなことを思ってるうちに神々の自己紹介が始まった。
ーーー10分後
簡単に名前と役職だけ紹介しておく・・・・・・決して自己紹介が長すぎていちいち説明するのがめんどくさい、ということはないからな。名前は長いから訳す。
武の神 テッド
剣の神 エリ
風の神 ニック
魔法神 ハーネ
七福神 メデル
守護神 ライト
女神 アラネル
自己紹介が終わった後俺は椅子に座るよう言われ椅子に座った。するとどこからともなく水の入ったコップが飛んできた。中には8分目ほどの水が入っていた。そこは特段不思議ではないのだが、この水がどうにも妙だ。水面が妙に光って見えるし、何か言葉で表せられないような何かが込められている。そんな感じがした。
「あの〜この水って?」
「ああ、それについては儂が説明しよう。」
そう言って話し始めたのは七福神のメデルだ。どうやらこのメデルが神々の支柱となってるらしい。
「その水は神聖水と呼ばれていてな、それを飲むと人の心が刺激され、その心が過激な反応を見せるんじゃ。
儂らはその心の反応を見て其奴が善良か悪かを見極めてるんじゃ。」
どうやらこの神聖水という水は人の内面を見るためのものらしい。人間というのは表面は善人で裏面は悪人という者もいればその逆もいる。表はわかっていても裏はわからない。それが大半を占めている。だがこの神聖水はその理論を看破する。どんな嘘も見極める、現代で言う嘘発見器のようなものだ。
「過激な反応ってどういう感じですか?」
「心配せんでいい。ただ体が光るだけじゃ。その光った色で判断するんじゃ」
その後光る色についての説明を受けた。色については次の通りだ。
善良者 白
悪者 黒
いたってシンプルだ。善人なら白、悪人なら黒、それだけのことだ。
「早速やってもらいたいことじゃがその前に一ついいかね?」
「はい?なんでしょう?」
「君はすでに死んでいるということは認識しているかね?」
「はい、不本意ですが」
「儂らは君たちのように良い行いをして命を落とした者、所謂善人を異世界に転生させることを仕事ともしている。
残念じゃが元の世界に戻すことはできぬが異世界ではそれなりのいい生活を約束するんじゃ。それを踏まえて問おう。お主は異世界に転生する気はあるかね?無理に転生する必要はないんじゃよ。もう十分に生きたのならばそのまま安らかに眠ってもよし、まだ生き続けたいのならば転生する。これから神聖水を飲んでもらうが君ならば間違いなく白じゃろ。転生するんじゃったらいい環境を保証するぞい」
メデルの言ってることはよくわかる。転生できるというのは驚いたがしなくてもいいと言う。もう十分であればそれでよし、まだまだ生きたいのであればそれでよし。どちらでも正解だ。だから俺は、
「俺は転生を希望します!まだまだやりたいことがあるので」
強く決意した。転生できるならば今までできなかったことをやるんだという。
「そっか!やっぱりそうだよね!君ならそういうと思ってたよ!」
「あたしも、あなたの転生後の姿見てみたいもの」
今まで黙ってたニックとハーネが一斉に声をあげた。
「二人ともうるさいですわよ!」
「ガハハハ、まあいいじゃねえか。我も嬉しいしのー!」
その2人を咎めるアラネルとそれを抑えるテッド。
「もぉぉーー煩くて寝れないじゃーん」
「お前さっきまで寝てただろうが・・・・・・」
マイペースなエリとそれに呆れてるライト。
なんともまあ自由奔放な神様たちだ。
「さて、在原 誠よ。お主には今から神聖水を飲んでもらう」
「はい!」
次でこの章のラストとなります。果たして誠は無事に転生できるのだろうか?




