魔法習得のためなら呼び方も変える?
ハーネさんに魔法を教えてもらうことになった俺はハーネさんと共に修行ができる場所に移動していた。
「う〜ん♡やっぱりセレンちゃんは可愛いね〜。私のことはお姉ちゃんだと思って慕ってくれていいのよ〜?」
「いや、あなたは神様なんですから少しは自覚してくださいよ......」
「そんなの関係ないわ!私はあなたのこと、本当の弟だと思ってこれからも付き合っていくんだから!」
「んな無茶苦茶な......」
道中、何度も何度もアピールしてくるハーネさんを押しとどめながら、俺は思った。
「(この人でほんとに大丈夫なのか......?)」と。
しばらく歩くと不意にハーネさんが足を止めた。
「さあ!ここでやろっか!」
ここはどこに行っても一面真っ白な風景が広がってるだけなので移動していたのかいまいちわからないが、どうやら着いたらしい。
「では、よろしくお願いします!」
俺は改めてハーネさんに頭を下げた。
「うん、教えるのはいいんだけど今からあたしが言う3つの条件を守って欲しいの。それさえ守ってくれるって言うなら、教えてあげるわ」
「その条件を教えてくれますか?」
頭を上げ、その条件を聞くためにハーネさんの顔を見た。
「まず1つ、むやみやたらにこの魔法が使えることを言い触らさないこと。言っていいのは信頼できる人にだけ。2つ目、この魔法を悪いことに使わないこと。まあ、セレンちゃんなら心配ないと思うけど一応ね。そして3つ目、3つ目はね......」
......何故か3つ目の条件を溜めるハーネさん。見ると、ハーネさんは俺を見て少しニヤついている。......なんだろう、すごく嫌な予感がするんだが......。
「私のこと......ハー姉って呼んで!この3つの条件が守れるなら教えてあげるわ!」
......今なんと言った?ハー姉?俺が?何で?意味わからん。
「あの......最初の2つはいいですけど最後のはちょっと......別に魔法関係ないような......」
「なに言ってんの?これから私たちは師弟関係になるのよ!でも私は師匠って柄じゃないし、先生じゃなくて他にいい肩書きがあればって思った時に思いついたのよ!”お姉ちゃん”これでいこうってね!それを捻って”ハー姉”いいニュアンスでしょ!だからつまり、師匠=ハー姉だと思って呼んでくれればいいのよ!ね!関係大有りでしょ!」
ハーネさんの何とも無茶苦茶な理屈を最後まで聞いた俺は頭が痛くなりつつ思った。こんな人とこれから一緒に修行していくのか......と。
結局あの後、俺は渋々、ハーネさ......ハー姉の出した条件を飲むことになり、魔法を教えてもらえるようになった。神様をハー姉呼びって慣れないな......。
今俺は、教えてもらう魔法の説明を受けている。
「【空間移動】、君にはこれを教えるね」
魔法名を言った後、続けて説明してくれた。
「この魔法はある場所とある場所をくっつけて一瞬で移動することを可能とする、転移魔法ね。一度行ったことがある場所ならどこでも繋げられるから移動にはこの魔法が便利だわ」
「なるほど......」
「本来、この魔法を発動するのにすごい魔力を使うんだけど、セレンちゃんの魔力は減ることがないから、何発でも使えるわ」
淡々と魔法について説明してくれるハー姉。さすが魔法の神と言うべきか、魔導書なしで淡々と魔法について語る姿はまさに神そのもので、魔法をすべて知り尽くしていると言った感じが滲み出ていた。これであんな性格でなかったならもっとよかったんだが......。
「これで、説明は終わりだけど、何か質問ある?」
「えっと......この魔法を習得するのにどのくらい時間がかかりますか?」
「そうね......個人差があるけど、普通なら2〜3年はかかるけど、セレンちゃんなら1年ぐらいで習得できると思うわ!」
「1年か......」
1年でも良い方ならこの魔法は相当習得が難しいのだろう。甘い覚悟でいったら習得なんてできそうにない。でもこの魔法を習得できたら俺はまた成長できる。その姿を見てみたい。そう思った。
「ハー姉!俺、習得できるよう頑張るので、お手柔らかによろしくお願いします!」
「うんうん!いい”ハー姉”頂きました!私の面目にかけて絶対に習得させてあげるから安心してね!セ・レ・ン・ちゃ・ん♡」
......ぞわわっ!!そんな妙な寒気を覚えながらも俺は【空間移動】習得のために修行に励んだ。
何とも少し色こい話となりましたが次は
どうなりますかね?




