初日で昇格!?
「Dランクーーーー!!??」
父さんが今まで聞いたことのないような声を出しながらレイさんに詰め寄っていた。珍しいな......。
「まだ冒険者になって初日ですよ!?いくらなんでも早すぎるのでは!?」
「そんなことはありません。あの成果を出せるこの子たちなら本来ならもっと上のランクにいてもおかしくないほどです。ですがさすがにこれ以上上げるのは他の冒険者に申し訳が立たないこともありますのでDランクで妥協させてもらいました。これでも妥協しているんですからね?」
「それはそうですが......」
Dランクでも妥協してるんだ......。なら俺たち、妥協無しなら一体何ランクになってたんだ?
「そもそも、マスターはこの子たちが成果を出したことを信じているのですか?普通なら『こんな子供にできっこない』そう思っても不思議ではないんですが?」
父さんがレイさんの真意を確かめるかのように尋ねた。そりゃそうだ。こんな2人の子供がゴブリンキングや50体のゴブリンを倒したと訴えたとしても信じてくれるのは100人中1人いるかいないかだろう。それでもレイさんは認めてくれてる。何故だろう?
「ははっ!そんなの決まってるじゃないですか。ゼルバさんの息子さんだからですよ!」
「「はい!?」」
俺と父さんの声がシンクロした。思ったよりもすごく簡単な理由に少し拍子抜けしてしまったからだろう。ルナはと言うと話が長いせいか飽き始めていた。部屋のあちこちを見渡し、何か興味が出そうなものを探している状態だ。
......変なもの見つけたりするなよ......?。
「ゼルバさんは何事にも真摯に向き合う人、それは何度も見てきているのでよくわかります。卑怯なことをせず正々堂々と敵を迎え撃つ姿勢は僕も素晴らしいと思っていました。そんな人が嘘をつくとは思えませんし、その息子さんとそのお友達なら信用に足る人材だと僕は判断しました!」
そう言う理由だったか。父さんの経歴を見て信用に足る人物と判断した、そう言ったレイさんは当たり前と言う顔をしていた。こればかりは父さんに感謝しないとな......。父さんが冒険者として偉大だったからこそ俺たちの信用も得られたんだ。そのうち、俺やルナ個人で信用を掴み取って見せよう!
「そんなふうに言ってもらえて嬉しい限りです。そこまで言われてはもう何も言えませんな。わかりました。この子たちをDランクにしてください」
「はい。ではこちらをお受け取りください」
そう言ってサリーさんにあるものを持って来させたレイさん。その手には2つの”黄色”の首飾りとギルドカードが乗っかっていた。
「こちらがDランクのギルドカードと首飾りになります」
そう言ってサリーさんが俺たちにカードと首飾りを渡してきた。黄色に輝く冒険者カードを見て改めて自分が成長したのだと言うのを実感できる(まだ初日だけど)。ルナに至っては、
「すご〜い!!綺麗な色ね!!セレン!早速つけてみよう?」
......こんな調子でめちゃくちゃ興奮している。こうなったときのルナはもうどうしようもない。まあ無理もないか、村にいた頃はこんな首飾りやカードなど無かったのだから。ルナにとってはこの街にあるもの全てが新鮮に感じるのだろう。無論俺もだが......。
「わかったわかったから少し落ち着けって......」
「うんうん!気に入ってもらえてよかったよ。これで晴れて君たちもDランクに昇格だ。おめでとう!」
言いながら俺たちの頭を撫でてくるレイさん。頭を撫でられるのなんて久しぶりだなぁ。
「ありがとうございまーす♡」
ルナは心底ご機嫌だった。
「帰りはお気をつけてー!」
Dランク昇格の手続きを終えた俺たちは一度村に帰るため街を出ることにした。あまり遅くなってはみんな心配するからな。なるべく早く帰るのに越したことはない。町を出る際、レイさんに見送りに来てもらっていた。サリーさんは受付の仕事で来れないらしいがそれでも嬉しかった。こんな駆け出しの俺たちにここまでしてくれたことが。
「レイさーん!またねー!」
「また来ますんでその時はよろしくお願いしまーす!」
レイさんに挨拶した俺たちは町を出た。さて、母さんやルージュになんて言おうかなぁ。いきなりDランクになったって言ったらなんて言うだろう?まあなんにせよ早く帰りたい!
そう思いながら俺たちはゆっくりと帰路についた。




