本当にFランク冒険者!?
「な、な......なんですか!?これーーーーー!!!???」
無事初クエストを終え冒険者ギルドに戻った俺たちのまず待ち受けていたのはサリーさん(俺たちのクエストの受注をしてくれ、冒険者の手続きをしてくれたあの”お姉さん”の名前だ。先ほど教えてもらった)の叫び声だった。
「ゴブリンキングの耳一つにゴブリンの耳50個!?何がどうしたらこんな的外れな成果になるんですか!?ゴブリンの耳は5個で良かったんですよ!?その10倍って一体何があったんですか!?」
終始驚きを隠せてないサリーさんだったが無理もないだろう。確かにこれはさすがにやりすぎたと思う。ゴブリンキングを倒した後俺たちはまっすぐ街に戻っていたのだがその道中、ゴブリンの群れと出会してしまったのだ。数は40〜50はいたかもしれない。素通りできそうになかったので【凍える風】で一掃した結果、この成果になった。だが.......すまない。あの時はすごく気持ちよかった。
「あんな量、俺もとったことねーよ......」
「恐らく【疾速のゼルバ】がやったんだろうな......。あの人の実力なら納得だろ......」
周りの人たちもこの成果に驚いている。変に目立ちたくは無いんだが......(ちなみに【疾速のゼルバ】というのは父さんが冒険者間で呼ばれている2つ名のことらしい。俺にも2つ名を持つ日が来るのだろうか)。
「全部この2人がやったことさ。2人の合体魔法でゴブリンもゴブリンキングもイチコロだったな。見ていてもはや壮快に思えてきたな!ハッハッハ!」
その言葉に周りの冒険者は一瞬ぎょっとしたがすぐに納得した顔をした。
「なるほどな、自分でやったんだがあえて息子の手柄にすることで印象をよくしようとしてるんだな。さすがゼルバさんだぜ!」
......違う意味での納得だが。
「いや、笑い事ではないですよ!正直この成果はCランク相当の成果とも言えます。これほどの成果を上げる方がFランクなど前代未聞ですよ!?少々お待ちを!このことをギルドマスターに報告してきますので!」
そう言ってサリーさんはギルドマスターという人に報告するため裏に戻っていった。
それから数分後、
「お待たせしました。ただいま報告してきましたところギルドマスターがあなた方に会いたいとおっしゃられたのですが、できれば会っていただけないでしょうか?」
「ギルドマスターって誰?」
「この冒険者ギルドの中で一番偉い人のことさ。あの人は滅多に人に会いたいなんていう人じゃ無いんだがな。それだけお前たちに興味があるってことか」
一番偉いギルドマスターに会える機会なんてそうそう無い。ここはお言葉に甘えて......。
「わかりました。俺もルナもここでお世話になるんですし、一度挨拶もしようと思っていました」
「そうですか!ではこちらにどうぞ」
俺たちはサリーさんの案内で裏に通された。裏の一つの部屋に案内された俺たちは座って待つように言われたためそこでしばらく待つことにした。
数分後、
「待たせてしまって申し訳ない。君たちがセレン君とルナさんかな?」
部屋に入ってきたのは若い男の人だった年齢は20代前半で全体的にすらっとした体型が魅力的でそれを際立たせているのが彼の金色の髪だ。それは見るもの全てを魅了してしまうかのような雰囲気を醸し出していた。女性ならば卒倒してしまうのでは無いだろうか。いや、今はそれよりも、
「はい。俺がセレンです」
「ルナです!よろしくお願いしまーす!」
軽く挨拶をしておいた。今後この人にも世話になるだろうからな。第一印象は大事だ。
「そうか......君たちが......ははっ、ゼルバさんもとんでもない息子さんを持ったものだ」
「そうですよ。これじゃあ俺の立つ瀬が無いなーーハッハッハッハ!!」
......そこは笑っていいんだろうか?
「申し遅れました。僕はレイ・スレッド。このギルドのマスターをしています。気軽にレイって呼んでもらえると嬉しいな」
レイというその人は微笑みながら自己紹介をした。
「さて......今回君たちを読んだのは顔を見るためでもあったんだがもう一つあるんだ」
「「もう一つ?」」
なんだろうと思って改めて聞いてみるとレイさんから予想外のことを告げられた。
「君たちは今をもってFランクからDランクへ格上げとする!これを言うためだったんだ」
「「「へ!?」」」
何故か俺たちは冒険者初日でDランクになってしまった。ここからややこしくなりそうだ......。
初日でいきなりのDランク昇格!?
規格外な2人に待つこととは?




