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初クエストへ




「よし!本当ならこのまま帰るところだが、せっかくきたんだ、ひとつ依頼を受けてみるか?」



「「うん!!」」



当然とばかりに頷いた。せっかくここまできたんだ、何か依頼を受けてみたい。そんな衝動に駆られていた。それはどうやらルナも同じようである。



「それなら軽い魔物退治などはいかがでしょうか?ゼルバさんが一緒ですので初陣にはぴったりだと思いますよ」



そういうとお姉さんは、依頼の書類をカウンターの前に広げた。俺たちにふさわしい依頼を探しているのだろう。



「セレン?魔物ってここにくる前に会った奴らのこと?」



「まあそうだが、あの魔物以外にもいろんな種類の魔物がいるんだ。冒険者として依頼をこなしていけば新しい魔物にも出会えるかもしれないな」



「えへへ!楽しみだね!」



「ああ!!」



俺たちはこれからの冒険者としての活動について熱く語った。本当に楽しみだ!





「ではこちらでどうでしょう?【悪戯ゴブリン襲来】ランクFの冒険者でも十分に達成可能なクエストです」



渡されたクエスト用紙を見ると、近くの森に行商人を襲うゴブリンがいるとのことだ。そのゴブリンを退治してほしいというのが今回の依頼だ。



「クエスト達成には討伐の証明としてゴブリンの耳をこちらにお持ちいただく必要がございます。今回は5体の討伐ですので耳を5個納品していただければクエスト達成となります。他に何かございますか?」



「いや大丈夫だ。何かあったら俺が対応する。説明は以上で大丈夫か?」



「はい大丈夫です!では頑張ってきてください!」



冒険者ギルドを後にしクエストの受注も終えた俺たちはゴブリンが住まう森へと向かった。いよいよ始まるな。






「こっちの森も私たちが居たとこの森と変わらないね〜」



「まあ所詮森だからな。少し離れても大して変わらないだろ」



「お前たちはどこでもいつもの調子なんだなー」




雑談をしながら俺たちはゴブリンがよく現れると言われているポイントに向かっている。ルナも父さんもこんな調子だがルナには【気配探知】のスキルがあり、父さんには歴戦の冒険者が持つ勘があり、いつ敵が来ても対処できる状態になっている(ルナの【気配探知】は以前俺がルナに必要なスキルだと言って覚えさせた)。

俺もスキル【広範囲探知(ワイドサーチ)】を使っている。範囲に入ったらすぐに対応できるため多少は緩めることもできる。



「お前たち、魔法はどれだけ使えるんだ?できればゴブリン相手に使ってもらいたいんだが?」



道中父さんが俺とルナに魔法について聞いてきた。



「ん〜?中級魔法くらいならできるよ?」



「俺もそんなところかな?」



「......お前たち、一体どんな修行したんだ?」



聞いた途端、父さんの顔が驚きの表情に変わった。



「普通Fランクの冒険者は初級魔法しか使えない。いや、中には使えない者もいる。中級魔法はDランクやCランクが使うような魔法だぞ?なんでお前たちが?」



「なんでって言われてもね......?」



「言われた通りに鍛錬を続けて魔法を撃ち続けてたらこうなったかな?」



嘘は言ってない。いつも俺は森で上級魔法を撃ち続けている。さすがに上級魔法を使えるとまではさすがに言えない。だからあえてルナと同じ中級魔法まで使えるということにしておいたのだ。



「お前たちはどこまで......」



頭を抱えて黙ってしまった父さん。しばらくそっとしておこう。



「セレンって上級魔法も使えるでしょ?なんで言わないの?」



そっとルナが近づいてきて耳打ちをしてきた。



「さすがに言うのはまずいだろ?中級でさえあの反応なんだから......」



「ふ〜ん?」



納得したのかゆっくりと戻っていくルナ。お前も少しは自重しろよ?





「二人とも!この先にいる!」



数分後、俺の範囲にゴブリンが侵入してきた。ずいぶんと早い速度で俺たちに近づいてくる。妙だな......。



「お前の探知には感服させられるな。まだ何も見えないんだが?」



「私も探知できた。ちょうど5体こっちに来てるね」



「......」



何も言えなくなった父さん。いちいち突っ込むのも疲れたのだろう。ただそれよりも......。




「やっぱり変だ......」



こっちに向かってすごいスピードで向かってくるゴブリン。それが変なのだ。普段ゴブリンはそこまで積極的に動くような魔物ではなく近くに獲物でも居ない限りあまり動かないのだ。



「そこから俺たちのことに気づいたわけでも無いだろうし......」



では一体なんだ?こんなに早くゴブリンが動く理由は?



「ん?」



俺の探知にまた一つ反応があった。反応を見ると、前のゴブリンたちを追いかけているように見える。



「なるほど、こいつから逃げてたのか」



これで納得がいった。異常なゴブリン達の移動速度、その理由はこいつだった。



「父さん、ルナ、ゴブリンの他にも魔物がいる。多分ゴブリンじゃ無い。ゴブリンがその魔物から逃げてるんだ。少なくともその魔物、ゴブリンより強いかも」



「そうか......もしかするとゴブリンナイトかもしれない。それなりの準備はしておけ!」



「はーい。あ、でもゴブリンはどうする?もう見えてきたけど?」



「ゴブリンは俺が魔法で倒すから2人は備えてていいよ」



そう言って俺は右手を突き出し詠唱を唱えた。



氷河原(ヒュラスト)!」



俺の掌から冷気を纏った零氷が現れた。そしてそれがゴブリン達に向かって一直線に放たれた。そしてゴブリン達にあたるのと同時に氷がゴブリン達を包み込みあっという間に凍らせた。こうすることでゴブリンの体に傷をつけることなく耳を回収できる。



「ひゅ〜、さすがセレン!」



「これはすごいな!」



無事にゴブリンを討伐できたが今回はこれだけで終わらない。この状況をもたらした元凶と戦わなくてはいけないのだから。



「来るぞ!」



父さんの掛け声と共に俺たちも気を引き締める。やがてそいつはゆっくりと俺たちの前に姿を表した。



「こ、こいつは!?」



「父さん!こいつって?」



戸惑った父さんに俺は尋ねた。



「ゴブリンナイトなんかじゃない!こいつは......ゴブリンキングだ!!」







ゴブリンキングとの対決!

お楽しみに!

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