6 門番は殺人紳士! 激突!地下鉄のトーマス!(後編)
スタァーン! スタァーン! スタァーン!
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ!!!
フロア中のフスマが勢いよく開かれ、帯刀したCIAエージェントが集結する!
「こ奴は出前人を装った狼藉者! 生かして返すな!!」
シャキン! シャキシャキシャキン!!
CIAエージェントが一斉に抜刀!
総勢40人でルリを囲む!
「…………」
「「…………」」
無言で睨み合う両者。
コロコロコロ……!
空調の風に吹かれ球状の枯れ草が転がる。
――と、次の瞬間!
「キエエエエエエエエエエイイイイイイイイ!!!」
CIAエージェントの一人が雄叫びとともに斬りかかる!
戦闘開始である!
「――ッ!!!」
ギイイイインンン!!!
神風ルリは太刀筋を読み、クナイで敵の刃を受ける!
ギリギリと重い金属音を鳴らしつばぜり合い!
――しかし!
「キャー!?」
哀れ! ルリは弾き飛ばされ壁に激突!
それもそのはず、CIAエージェントの平均身長は2メートルを優に超える!
常識で考えれば一般的なジャパニーズ女子高生で敵う相手ではない!
「な、なんの……!」
健気にもクナイを構え直し立ち向かうルリ!
だが、多勢に無勢!
いくら兄を思う気持ちが強くとも、結果はルッキングファイア的に明らか!
「くっくっく! その程度の腕で乗り込むとは何と愚かな!
者ども、一思いに楽にしてやれい!!」
「「ガッテンショウチ!!」」
地下鉄のトーマスによる無慈悲な号令!
クナイで刃を受けられぬよう、突きの体勢でCIAエージェントが一斉に襲い来る!
「先にあの世へ行って兄を待つがよいわ! フハハハハハ!!」
絶体絶命の神風ルリ。
数秒後に訪れる死を悟り、目に涙がにじむ。
突き出した手の先、震えるクナイを見る。
そのクナイは――母の形見。
ルリが物心ついて間もなく、屋敷で偶然見つけたものである。
なぜ母がクナイを持っていたのか、長年よくわからないでいた。
(……母上!)
だが――この地球ファイト決勝大会で知った母の死、その真実。
母はくノ一で――父を守るために戦い、そして散っていったのだった。
(イクサとは……かように恐ろしいものだったのですね)
これまでは見ているだけだった命のやり取り。
いざ当事者となってはじめてわかる死の恐怖。
兄や師は……父や母は、常にこの恐怖と戦っていたのだ!
(怖い! 逃げ出したい!
なれど……私も神風家の生まれ!
ここで臆しては父上や母上に……兄上に顔向けできぬ!)
クナイの震えが止まる。
誰かに守られるばかりの自分ではいられない。
今度は自分が……兄を守るために命を懸けるのだ!
(母上……私に勇気を!!)
神風ルリの目に火がともる!
しかし――すでに直前まで迫る無数の刃!
回避不可能!
タルに詰められた海賊のごとく、無残な最期を迎えるは必定!
そう誰もが思った――次の瞬間!
グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサ!!!
「「ぎゃあああああああああああああああああ!!??」」
CIAエージェントの額に撃ち込まれる手裏剣!
ルリへ突撃を敢行した十数名が一度に絶命、そして爆発!
チュドオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!
チュドオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!
チュドオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!
「なにい!?」
不意の出来事に驚くトーマス!
おお、一体何が起きたのか!?
その答えが――ルリとCIA軍団の間に割って入る!
「がんばったわね、ルリ!」
天井から舞い降り、片膝立ちで着地したその人物とは!?
ポニーテールでJKセーラー服でメガネでクールな謎めいた美少女の名は!?
「ウメコおねえさま!?」
「ここから先は……私に任せなさい」
そう! 現れたのは月宮殿ウメコ!
クイっとメガネを直し、ウメコもまた右手にクナイを握る!
そのクナイは……おお、ルリの握るものとよく似ているではないか!
「フン、コシャクな真似を!
少しはできるようだが……たかが小娘一人増えたところで!」
「あら、随分舐められたものね」
ルリをチラリと見やるウメコ。
「よく見ておきなさい、ルリ。くノ一の戦い方……教えてあげるわ!」
腰を捻りながら右手を大きく斜め下に振り、その後クナイを天高く突き上げる!
「忍・着ッッッ!!!」
ウメコが忍着を発した直後、その身体が強力に発光!
光の粒子はウメコの身体を覆い、瞬時に物質化!
「……ッ!?」
何かに気づく地下鉄のトーマス!
光の粒子が弾ける!
ウメコを覆うのは――流線型のパールピンク装甲!
「その姿……!? まさか……まさか、貴様が!?」
「そう、そのまさかよ……!」
蒸気を発する装甲!
各所に入ったスリットが発光する!
「我が名は装甲くノ一・ヤエベニ!
地下鉄のトーマス……ここが貴様の死に場所だ」
ピクルスを漬けるときにごま油を入れると香ばしくておいしいですよ(^-^)
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