1 神々の集結! 降臨!ギリシア十二ゴッド神!(前編)
シン・巣鴨コロシアム内某所。
薄暗い部屋の中に頭からシルクハット的に煙突を生やした奇妙なタキシード紳士の姿。
CIA四天王の一人、地下鉄のトーマスである!
目の前にはポコポコとバブル音を鳴らす円柱状の大型水槽!
その中で薬液に浸されているのは――同じくCIA四天王の一人、深海のマコ!
装甲くノ一・ヤエベニとの戦闘で負った傷を治療中なのだ!
その隣では天空のケーンも薬液ポコポコ中である!
「装甲くノ一……我らをここまで手こずらせるとは……!」
CIA四天王、草原のクサッパは戦死!
今現在、四天王で万全なのは地下鉄のトーマスただ一人!
「トーマス様!」
自動ドアが開き、暗い室内に明かりが差す。
同時に聞こえる――警戒サイレン音!
「侵入者です! VIP区画に向かっております!」
「数は!?」
「確認できているのは一人! 現在調査中です!」
CIAエージェントの報告に眉をひそめるトーマス。
複数の可能性もあるということか。
(狙いはプレジデントか――それとも各国の理事か)
ズブズブズブ!!!
地下鉄のトーマスが能力発動!
硬いはずの床が水面のごとく波打ち、身体が沈んでいく!
「A級エージェントで足止めをしておけ! すぐに行く!」
「了解!」
◆
トーマスとCIAエージェントが去り、静けさが戻る室内。
ポコポコと泡を発生させる治療カプセルが怪しい蛍光色を放つ。
おお、見よ!
治療カプセルはCIA四天王の分だけではない!
数十にも及ぶカプセルが標本室のごとくズラリと並ぶ!
プシュウウウウウウウウウウ!!!
治療カプセルの一つが蒸気を噴出!
中の薬液がゴボゴボと音をたてながら排出されていく!
ビタン!
カプセルから這い出る物体!
薬液に濡れたその身体は小さく、モゾモゾと怪しくうごめく!
一見すると人間の幼児!
だが――身体に比して頭部が異常に大きい!
つり上がった巨大な目は全面真っ黒!
おお、この不気味な生物は!?
このどこからどう見てもグレイタイプ宇宙人のような生物は!?
一体この部屋で何が行われているというのであろうか!?
◆
「我が名はギリシア十二ゴッド神の一人、アッポロポロン!」
地下鉄のトーマスと対峙するは赤いマントを羽織った半裸の美男子!
鳥の巣的なモジャモジャヘアーがいかにもなギリシア的ワビサビである!
「貴様らに殺されたキングゼウスゴッドカイザーに代わり、ピザフライの命頂戴する!」
――ギリシア十二ゴッド神!
それぞれに神の名が与えられた――ギリシアが誇る最強の十二戦士である!
処刑人ハリー・ガンウッドに敗れたキングゼウスゴッドカイザーもその内の一人であった!
「地球を支配するにふさわしいのは――我が国よ!」
アッポロポロンの手に光の粒子が集まり、弓と矢を形成!
地下鉄のトーマス目がけ矢が放たれる!
「ムウ!?」
地下鉄のトーマスは身を捻り間一髪回避!
発射されたレーザービームのごとき矢は後ろにいたCIAエージェントに命中!
「アーウチ!?」
パアアアアアアアアアアアアアアアンンンンン!!!
矢を受けたCIAエージェントは爆散! 光の粒子と化し消滅!
「なるほど……一撃必殺、恐ろしい矢だ」
「くくく! 確かにキングゼウスゴッドカイザーは最強であった!
だが! 我が力とて極端に劣るわけではない!」
アッポロポロンが次の矢を形成する!
「奴はその強さゆえ慎重さに欠けていた! だがこの俺は決して油断などせぬ!」
次の矢が発射されんとした――その時!
地下鉄のトーマスが床に両手をつく!
(命乞いか! 愚かな!)
アッポロポロンが侮蔑的な目を向けた直後!
トーマスが手をついた床が水面のごとく波打ち始める!
「発動――地下鉄男!!!」
◆◆◆
シン・巣鴨区黒義園。
ワビ&サビがただよう広大な伝統的日本庭園である。
その中央、静かな池に囲まれた中の島で向かい合う人影が二つ。
一方は地球真拳師範代、神宮司ゴウショウ。
もう一方は――処刑人、ハリー・ガンウッド!
「こんなところに呼び出して――俺とやろうってのかい」
「やはり……貴様、地球真拳の使い手か!」
ハリーを呼び出すためにゴウショウが使用したのは――地球真拳・地球サイン!
オーラ状の地球パワー粒子で大気中に巨大文字を書く技である!
地球真拳を会得した者にしか読むことができない不思議文字なのだ!
「地球真拳を使える者は限られる! 俺とトオルを除けば――」
「……そう、察しの通りだぜ」
西部劇ガンマン的身なりのハリー。
ガンマンスカーフをはぎ取り隠していた顔をさらす!
「生きていたのか……神風アキラ!」
「久しいな、ゴウショウ」
おお、処刑人ハリー・ガンウッドの正体は神風アキラ!
ゴウショウの弟弟子であり――神風トオルの父である!
精悍な顔つきはそのままに、パズルピースのごとき縫い跡が痛々しく残る!
謎のメガネ女子高生、ウメコから聞かされていたとは言え、驚きを隠せぬゴウショウ!
「だがなぜだ!? なぜピザフライの元にいる!?」
「なぜ、か。実のところは俺もよくわかっちゃいないが――」
16年前、妻のサクラを人質にとられたアキラはピザフライに敗北。
血と肉片をばら撒きながら海へと消えた。
ピザフライへの復讐を叫びながら!
「その後――どうやら俺は奴らに回収され、蘇生したらしい」
「それで恩義を感じているというのか! あれほど復讐を誓いながら!」
「恩義……違うな。少々いじられたらしくてな……頭の中を」
「!?」
脳改造!
個人の人格を変えてしまう世にも恐ろしい悪魔的所業である!
神風アキラはただ蘇生したのではなかった!
プレジデント・ピザフライに仕える戦士として作り変えられてしまったのだ!
妻と己の命を無慈悲に踏みにじった――復讐すべき男の下僕に!
「お前たちのことも覚えちゃいるが――正直記憶は曖昧だな。
この身体もハリーというガンマンとツギハギらしい。
性格と口調はだいぶそっち寄りに仕上がったようだ」
「なんということだ……! だが、記憶が少しでも残っているのなら!」
「先に言っておくが……今の俺は洗脳とか思想教育ってレベルじゃねえ。
ピザフライのために生きる処刑人だ。変な期待はするな。
もう俺たちは――お互い殺すか殺されるかの関係だ……!」
悪魔的な視線のレイザービーム!
ゴウショウは目を閉じ、目の前の男が――もはや以前のアキラではないことを悟る!
刀傷で閉じられた左目から血涙!
「無念だ……無念だアキラ!」
「そいつは残念だな」
スカーフを顔にまき直し、神風アキラが処刑人ハリーの姿へと戻る。
「……お前は知っているのか……お前の命を狙う、あのくノ一のことを!」
「ああ、知っているとも……あいつも生きていてよかったじゃねえか」
コートの下からリボルバー拳銃を取り出し、構えるハリー!
「あいつは神風サクラ。俺の妻だ」
おつかれさまです(^-^)お風呂で寝ると大変です(^-^)
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