10 逆臣成敗! 阻止せよ!国家転覆計画!(後編)
◆◆◆
シン・江東区ツリーバ公園を夕日とパトライトが照らす。
魔女っ娘王国の警察機関、魔法治安警察が現場に到着。
ジャララ・ジャラーラはマジカル手錠をかけられ、魔法パトカーに押し込められる!
犯行に使用された魔法ドル硬貨は魔法大蔵省職員がその場で計測。
魔女っ娘王国の魔法大蔵省大金庫へと転送していく。
「ありがとうございました、神風さん!」
治癒魔法により回復したプルプルが感謝のお辞儀行為!
重力の影響を受けたオッパイがエッチな形をとる!
その風流なお辞儀オッパイにワビサビを感じる神風トオル!
「貴様! どこを見ている!」
「ワビとサビだ」
「姫様! 早くお直りなされ!」
護衛隊長、風海光太郎の厳しいチェック!
お辞儀から直ったプルプルに言葉を返すトオル!
「礼などいらぬ。奴らの暗殺対象には……俺も含まれていた!」
「でもどうして、ジャララ・ジャラーラが神風さんを……!?」
「その理由はおそらく……いや、確実に!」
トオルがフトコロから出したのは――破壊したアンチ魔法・ロケットランチャーの破片!
そこに記されし製造責任者名!
――『ヒューマン・デストロイ社』『メイド・イン・USA』!
ヒューマン・デストロイ社!
アメリカの巨大重火器メーカーである!
アメリカ大統領とのつながりも深い、恐るべき殺人奨励企業だ!
「魔女っ娘王国転覆計画にはアメリカ大統領が絡んでいた!
プレジデント・ピザフライ……一体何を企んでいる!?」
ロケットランチャーの破片を握りつぶす神風トオル!
「ピザフライが善意で兵器を提供するはずがない。何か見返りがあるはず!」
「それでは……マジカル強制取り調べを急がせましょう。
何か情報が入ればすぐにお知らせいたします」
魔法パトカーを見送る神風トオル。
連行されるジャララ・ジャラーラに――アメリカ大統領の影を感じながら!
◆
――ツリーバ公園内、戦闘による破壊を免れた木の上。
同じく魔法パトカーを見送るのは――粛清天使それん!
それんは第一級の犯罪者であり賞金首!
魔法治安警察が来れば当然逮捕!
打ち首獄門! 火あぶり! 市中引き回し! その他諸々の刑は確定である!
そうなる前にと、プルプルによって逃がされたのだ!
「あいつ……アタイに情けをかけやがって!」
それんとの戦いに勝利し、その命を見逃したプルプル。
さらにはその身を挺してそれんを守り、逃亡の援助。
大きすぎる借りであった。
「この借り……必ず返すぞ!」
ハートのハルバードを担ぎながら――それんは夕闇の中へと消えていった。
◆◆◆
魔法パトカー車内。
後部座席に座るジャララ・ジャラーラを屈強な魔法警官が挟み込む。
「定置転移ゲートまであと15分程です」
ドライバーが告げた先は――助手席に座るベテラン魔法刑事。
レニー・ガッタ一等魔法警部である。
拘束魔法に長けており、一流のヘビー魔法スモーカーだ。
「現役大臣の打ち首獄門……これは大事ですなあ」
合法タバコを加え、火をつける。
もちろんマッチやライターではなく火炎魔法を使用だ!
「まもなく日本ともお別れ。今のうちによく景色を見ておいた方がいいですぜ」
「ふっふっふ……!」
ボコボコに腫れあがった顔で不敵に笑うジャララ・ジャラーラ。
その様子をレニーがバックミラー越しに見る。
「生意気な下郎めが……貴様こそ周りをよく見るんだな!」
「? 何を言って――」
――直後、車内に響く発砲音!
運転手とその後ろに座っていた魔法警官が頭を撃ち抜かれ即死!
「ッ!?」
「動くな。銃を握れば殺す。魔力を感知しても殺す」
助手席後部に座っていた魔法警官がシート越しに銃を向ける。
車両はドライバー死亡により自動運転に切り替わっている。
一瞬にして車内が殺人鬼の支配下となった。
(大臣の手下……? 反体制テロリストが紛れ込んでいた?
だが――我らの思想調査は定期的に行われているはず。
ならば変装……あるいは魔法による人心操作か!)
レニーが思考を巡らす。
完全に意表を突かれた。
何者かが――ジャララ・ジャラーラを逃がすつもりだ。
「マジカル手錠のロックを解除しろ。それ以外の魔法は使うな」
「……」
「外せば命はとらん」
マジカル手錠はかけた者にしか解除できない。
レニーは小さく深呼吸する。
ガチャリ!
ジャララ・ジャラーラのマジカル手錠が外れ、落下。
――と同時に、謎の殺人鬼は躊躇なく引き金を引く!
BANG! BANG! BANG! BANG! BANG!
発砲! 連続五発!
殺人鬼はレニーを生かしておくつもりはなかった!
弾丸がシートを貫き、破壊されたフロントガラスやダッシュボードの破片が舞う!
――が、しかし!
「……消えた!?」
目の前にいたはずのレニーがいない!
直後、魔法パトカーのタイヤが破裂!
コントロールを失った車体が電柱に激突、動きを止める!
煙を吐く魔法パトカーにゆっくりと近づくのは――銃を構えたレニー一等魔法警部!
(いつの間にか後続車両がいない……!? これもこいつの仕業か!?)
周囲を確認するレニー。
殺人警官が車から降りる。
レニーは銃を向け威嚇!
「やるな警部……! 時を止めたか!」
「……どうだかね」
レニーが使用したのは時間停止魔法!
限られた者にしか習得できない超高等魔法だ!
レニーは最大で約三秒間、周囲の時を止め、自身は自由に行動することが可能!
強力な効果を発揮する代償として術者には甚大な負担がかかる禁忌の魔法である!
「俺から逃げられると思うなよ……!」
荒い呼吸を隠すレニー。
停止した三秒の間で車両から脱出、そのタイヤを破裂させ足止めはできた。
だが――未だ後手に回っている状態!
一人でこの状況を切り抜けられるか!?
――そう思考した直後!
BANG!!!
殺人警官は自らのコメカミに銃を当て発砲!
自決!
「――ッ!?」
即座に車内を確認するレニー!
だがすでにジャララ・ジャラーラは額に穴をあけられ死亡!
(奪取に手間取ると判断し始末したか!?
クソッ! 一体何者の仕業だ……!)
◆
――とある薄暗い畳の間。
四方をロウソクで囲み、座禅を組む忍者が――否、ニンジャが一人。
対象の人格を乗っ取り操作するニンジャ・マジック『心転身・ニンポー』の使い手である!
「残念でゴザルが……奪取はなりませんでゴザった!」
『オウ、イエス! あの豚はまだ利用できるかと思ったが……無理する必要はアリマセン!
サツガイでオッケーベリーマッチ! 死人に口ナッシング!』
謎のニンジャの話す先は――電子水晶玉に映るアメリカ人。
そう! アメリカ大統領ミスター・ピザフライである!
『褒美にハンバーグ・スシを用意してオキマス!
戻ったら食べるがいい!』
「サンキューにゴザルまする!」
魔法警官を操っていたのはただの忍者ではない。
米国が誇るアメリカ・ニンジャ!
その名もキャプテン・ポンニチ!
アメリカ国旗、星条旗を加工したニンジャスーツを着用!
頭部は金髪チョンマゲ!
マスクは旭日旗デザインという奥ゆかしき姿だ!
アメリカ最強のニンジャ・マスターである!
おお、見よ!
すでに畳の上にキャプテン・ポンニチの影はない!
目にも留まらぬ早業で闇から闇へと消えていったのだ!
果たして――アメリカ大統領は魔法大蔵大臣から何を得たのであろうか!?
恐るべき計画は着実に進行中である!
おお、神風トオルよ!
プレジデント・ピザフライの魔の手はすぐそこまで迫っている!
◆◆◆
次回予告
準決勝へと勝ち進んだ神風トオル!
ですが、その試合には恐るべき罠が仕掛けられていたのです!
トオルの前に現れた対戦相手は――なんと中国とおそロシアの極悪ならず者連合軍!
アメリカ大統領の暗躍により二対一の戦いを強いられてしまうではありませんか!
さらに特別リングには数々の殺人トラップがしかけられ、トオルの命を削ります!
窮地に陥った兄を救うため、コロシアム地下に潜入する神風ルリ!
しかしそこにCIA四天王、地下鉄のトーマスが立ちふさがるのです!
次回、地球真拳カミカゼ第六話!
『卑劣な罠! 毒ガス電流地雷原重力デスマッチ!』にレディー・ゴー!!
このお話もいよいよ後半戦!期待は裏切りません!
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