8 王女の力! 覚醒!プルプル・プルリン!(前編)
負傷により一度は撤退した粛清天使それん!
宣言通り――魔女っ娘王国王女プルプル・プルリンを殺害するために帰ってきた!
(いかん、想定よりかなり早い!)
神風トオルは先の戦いによる傷がまだ癒えていない!
加えてプルプルにボコボコにされたため、ダメージの蓄積は甚大!
(先ほどの魔法攻撃……耐えられるか!?)
「安心してください、神風さん!」
トオルが戦い方を探るなか、プルプルが一歩前に出る。
「彼女の狙いは私! 今度は後れをとりません!」
「これはこれは! 気でも狂ったか貧弱プリンセス!
アタイに手も足も出ず、地面を舐めていたザコ中のザコめが!!」
「だまりなさい!!!」
「ッッッ!?」
それんが気圧される。
ツリーバ公園内の木々がざわめき、空気が張りつめる。
「未熟だった私は死に……今生まれ変わった!!
もう迷わない! 私の拳は止めない! 止まらない!!
覚悟するのはあなたよ!!!」
プルプル・プルリンが己の魔法パワーを全力解放!
放射状に削られる大地!
その悪魔的なエネルギー量に言葉を失う粛清天使!
冷汗が滝のごとく流れる!
(バカな……なんという魔力量! 一瞬でも気を抜けば死!
これが……王女の格だというのか!?)
『ゲヒヒヒヒ! それん、こりゃヤバいなあああああああ!!』
魔法パワー粒子ぶつかり、ハルバードがチリチリと鳴る!
「だが――しかあああああああああし!!」
それんも魔法パワーを解放!
足場にしていた滑り台が一瞬でプレスされる!
(――後手は不利!)
それんは宙に浮いたまま魔法光弾を連続発射!
プルプルは飛行魔法を発動し上空へ回避!
チュドドン! チュドドン! チュドドンドン!!!
チュドオオオオオオオオオオンンンン!!!
「ぐああああああああああああああああ!!!」
逃げ遅れた神風トオルは黒焦げとなり大地に伏す!
倒れたトオルには目もくれず、それんは上空のプルプルを追う!
「死ねえええええええええええい!!」
それんがハルバードを水平に振るう!
斧部分がプルプルの胴体に迫る!
プルプルは即座に防御魔法陣を展開、斧は虚しく弾かれる!
(――硬い!)
多少の魔法シールドであれば容易に両断するハルバードだが、全く歯が立たない!
「ええい、ならば!」
プルプルが展開している魔法陣は直系一メートル程度の円形!
その防御範囲の外を狙い、攻撃角度を変えながらそれんがハルバードを振るう!
しかし、全ての攻撃に対し正確かつピンポイントに魔法陣が展開!
ハルバードの連続斬撃が無慈悲に弾かれていく!
マジカルなシールドを突破することは不可能か!?
(――と、思うだろうが……!)
パリイイイイイイイイインンンンンン!!!
堅牢を誇るプルプルの防御魔法陣が砕かれる!
一見無駄に見えた攻撃の数々!
これは魔法陣で防げる程度の威力と思わせるための布石!
それんは己の魔法パワーをハルバードに付与!
斬撃能力を瞬間的に強化したのだ!
「――ッ!?」
ズバアアアアアアアアアアアアアアア!!!
魔法シールドを突破したハルバードはそのままプルプルの胴を真一文字に通過!
勝負あったか!?
――答えは否!
(手応えが……ない!?)
おお、見よ!
プルプルの肉体はゲル状に変化している!
上下に切断された胴は即座に接着し、完全修復!
プルプルはそれんの斬撃強化を予測!
防御魔法陣を張りつつ、同時にゲル化魔法を発動!
己の肉体を水まんじゅうのごとく性質変化させていたのだ!
「この瞬間――私も待っていたわ」
「くう――ッ!?」
予想外の手応えにより、それんに一瞬の隙が生じる!
それを逃すプルプルではない!
ゲル化魔法を解除!
右拳に魔法パワーを集中し、それんの顔面目がけ――!
「魔法パンチ!!!」
グシャアアアアアアアアアアア!!!
殺人的なパンチを受けそれんが吹き飛ぶ!
地面へと叩き付けられ大地にクレーターを穿つ!
そして――魔法パンチを受けたということは――爆殺ボンバー拳が発動するということ!
ボムウウウウウウウウウウウウンンンンン!!!
それんの顔面が爆発!
おお、その頭部は砕け散り、死亡確定であろうか!?
――答えは否!
それんは顔面に魔法パワーを集中、肉体の強度を上げ爆死を回避!
「クソったれえええええええええええ!!
アタイを殺す気かああああああああああああ!!」
爆死を免れたとはいえ、甚大なダメージ!
それんは己の顔面を片手で覆い、魔法による治癒を開始!
もう片方の手で地面に魔法陣を展開!
魔界に生息する殺人イナゴの群れを召喚する!
ブブブウウウウウウウウウウウウウウウンンンンン!!!
一メートル級の巨大イナゴ、その数300匹!
一般庶民であれば5秒で白骨死体と化す狂暴な魔界昆虫!
不快な羽音をたてながらプルプルの元へ一直線に向かう!
「羽虫の分際で……王女の私に歯向かうか!」
迫りくる魔界イナゴに無慈悲な魔法パンチ!
秒間十発の超高速ラッシュだ!
パギャン! パギャン! パギャン! パギャン!
パギャン! パギャン! パギャン! パギャン!
魔界イナゴの群れはプルプルの手前で粉砕!
爆ぜた肉片と体液が大地に撒き散らされる!
パギャアアアアンンンンン!!!
最後の一匹が肉塊と化したところで――回復を済ませたそれんが接近!
「ハルバアアアアアアアアド・ブゥメランッ!!」
それんがハルバードをブーメラン的に投擲!
身を反らし難なく回避するプルプル!
だがハルバードは突如軌道を変え、プルプルに最接近!
物理的にありえぬ急旋回!
『逃がさねえぜえええええええええええ!!』
ハルバードに封じられた悪魔、ハーゲン・ラックによる魔力操作だ!
プルプルを狙いどこまでも追跡する!
「オラアアアアアアアアアア!!」
それんが気合いの雄叫び!
プルプルに突っ込み魔法パンチ!
「ヤアアアアアアアアアアア!!」
プルプルもまた魔法パンチ!
互いの拳が激突、そのまま魔法パンチの乱打戦!
拳と拳が衝突するたびに稲妻のごとき火花が散る!
そこへプルプルの背中を狙いハルバードが迫る!
接近に気付いたプルプルは魔法ひじ打ちにより迎撃!
生じたわずかな隙をつき、それんの魔法パンチがプルプルのボディに刺さる!
「グフウッ!?」
プルプルは吐血一リットル!
互角に見える乱打戦も自律武装を持つそれんが一手有利!
実質二対一である!
次第にプルプルへのダメージが蓄積していく!
(インファイトに徹すれば爆破魔法は使えまい!
注意すべきは――先ほどのゲル化魔法!
己の肉体越しに同士討ちを企むのは容易に想像できる!)
その認識はハーゲン・ラックも共有!
ハルバードの軌道はそれんを巻き込まぬよう計算されている!
(アタイは接近戦に集中し、死角からの攻撃はハーゲンに任せる!
アタイらの連携は崩れない! このまま押し切る――)
――と、次の瞬間!
もう冬が来ちゃいますね(^-^)布団から出られません(^-^)
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