2 ゴッドこそ神!神こそゴッド! その名はキングゼウスゴッドカイザー!(前編)
――キングゼウスゴッドカイザー!
身長350センチ!
ヘレニズム彫刻のごとき隆々とした筋骨!
古代ギリシア人らしく一枚布をまとう!
もじゃもじゃヘアーとヒゲが古代ギリシア的にワビサビだ!
まさに古代ギリシアを体現した姿である!
「聞こえるか! 極悪非道なるアメリカ大統領よ!
これを見よおおおおおおおおおおおおおお!!」
悪魔的なクソデカボイスでVIPルームを睨み付けるキングゼウスゴッドカイザー!
その巨大な神仏的右手に握られている物体を見せつける!
「そ、ソーリープレジデント……!
アンド、ヘルプミー……!」
それは屈強な身体つきの米国式アメリカ人!
だがすでにボコボコにされ虫の息!
キングゼウスゴッドカイザーに頭部を鷲掴みされ、ベイビーのごとく持ち上げられている!
彼こそはA級CIAエージェント、トム・ユーコリンズ!
CIA四天王候補生の一人である確かな実力者だ!
「貴様がよこしたエージェント!
こいつ程度の力で俺様を殺そうなど……笑止千万!」
キングゼウスゴッドカイザーのモリモリマッチョな腕がさらに肥大化!
「貴様にかえしてやるわああああああああああ!!!」
握っていたトムをVIPルーム目がけ投擲!
人間を野球ボールのごとく軽々と投げる!
ビタン!!!
VIPルームの防弾ガラスに貼りつくトム!
――そして!
チュドオオオオオオオオオオオオンンンン!!!
爆発!
黒焦げの焼き芋と化した!
「ぬうううう! ファックス!!」
防弾ガラスは鋼鉄より硬く、割れることはないが、大変失礼な行為!
挑発され怒りのプレジデント!
最優先マイク放送のスイッチをオン!
『このクソったれファックス野郎!
お前は期日までにこのコロシアムに間に合わなかった!
決勝トーナメントの出場資格はナッシングじゃい!!』
「じゃかましい! お前らアメリカはさんざん妨害行為を働きおって!
出場権がないのなら……!」
キングゼウスゴッドカイザーがピザフライから視線を移す。
その先には――!
「……!?」
宇宙人代表、グレイ!
その小さなヒョロガリ的身体をめがけ、キングゼウスゴッドカイザーが暴走トラックのごとく突進!
「ここにいるファイター全員を血祭りに上げるまでよおおおおおおおおおお!!!」
グシャリ!!!
グレイの首根っこを掴み、高らかに持ち上げるキングゼウスゴッドカイザー!
「受けよ! 神の雷!
必殺! 神サンダアアアアアアアアアアアアー!!!」
シン・巣鴨コロシアム上空に雷雲が発生!
ゴロゴロピシャアアアアアアアアアアアンンンン!!!
落雷!
悪魔的雷エネルギーが二人を貫く!
術者であるキングゼウスゴッドカイザーは超人的雷耐性を持つため無傷!
神の雷は宇宙人のみを焼き払う!
「…………」
あわれ! 宇宙人代表ファイター、グレイは黒焦げの焼き芋と化し死亡!
「グワッハッハ! なんと他愛ない!
決勝ファイターなどこの程度か!
このまま残りのファイターも消し炭にしてくれるわ!!」
一撃でグレイをブッ殺したキングゼウスゴッドカイザー!
死体を放り捨て、今度はインド・カレーまんに狙いを定める!
実況アナウンサーがすかさず場を盛り上げる!
『これは大変なことになりました!
突如乱入してきたギリシア代表ファイター!
ルール完全無視の無法行為により宇宙人代表が死亡!
このまま決勝ファイターたちは皆殺しとなってしまうのでしょうか!?』
◆
「……なんということだ! このままでは地球ファイトが台無し!
許せん……この俺が奴を止めてやる!!」
「落ち着きなさい、神風トオル。これはビデオ。昨日の映像よ」
キングゼウスゴッドカイザーの登場に興奮するトオル。
ポニーテールでトオルの頭をひっぱたきたしなめる月宮殿ウメコ。
「彼は米国アトミック・ジョンと並ぶ最強のファイター!
優勝候補の中でも別格の強さを誇るわ」
「あれほどの男が決勝にいないのはおかしいと思うていたが……やはりアメリカの足止めをくらっていたか!」
真剣な目でモニターを眺めるゴウショウ。
ルリは茶をすすり水ようかんのお代わりをもらう。
「彼の登場もだけれど……驚くのはこれからよ!」
ウメコが映像の一時停止を解除する……!
◆
「ナマステテテテ! 威勢のよいことよ……!
国に引きこもっておれば死なずに済んだものを!」
「グワッハッハ! その針金のような貧弱ボディ!
一瞬で葬ってくれるわ!!」
宙に浮いたまま殺人ヨーガ細胞を活性化させるインド・カレーまん!
雷エネルギーをまとわせ拳を握るキングゼウスゴッドカイザー!
互いに必殺の間合いに入らんとした――その瞬間!
BANG!!!
会場に響く発砲音!
「待ちな、お二人さん」
闘技グラウンドに新たに現れたのは――銃を構えたガンマン風の男!
プレジデント・ピザフライの懐刀、処刑人ハリー・ガンウッドだ!
目深にかぶったカウボーイハットとスカーフで表情は伺えないが――悪魔的な殺気量!
威嚇射撃でも人が死ぬレベルである!
「このまま暴れてもらっても構わないんだがね……プレジデントの命令だ。
大会の秩序を乱す者には退場してもらうぜ」
威嚇に使ったリボルバー拳銃をホルスターに戻し、キングゼウスゴッドカイザーに接近するハリー!
ブーツについたギザギザのピザカッター的なヤツがガチャガチャと鳴る!
「インドのじいさん……下がりな。二回戦進出はアンタだ。
このままじゃ巻き込んじまうぜ」
「ナマステテテ! 戦わずに済むのならそれに越したことはない!
ワシの技は次の試合まで秘密にさせてもらうナマステ!」
ふよふよとその場から離れるインド・カレーまん。
己の技を披露せずに済むのは大きなアドバンテージ!
だが……それはキングゼウスゴッドカイザーが大人しくしていればの話である!
「逃がさぬぞ! 我が雷で貴様らを瞬殺してくれるわあああああ!!」
「お前の相手は俺だぜ――!」
処刑人ハリーが再びリボルバー拳銃を抜く!
BANG!
キングゼウスゴッドカイザーに向け発砲!
それを跳躍して回避するキングゼウスゴッドカイザー!
巨体から繰り出されるとは思えぬ軽やかな動き!
空中で身体をひねりハリーの頭上を取る!
「ノロマめええええええええええええい!!
くらえ! 神ッサンダああああああああああああー!!!」
ゴロゴロピシャアアアアアアアアアアアンンンン!!!
「~~~~ッッッッ!!??」
処刑人ハリーに悪魔的落雷!
あわれ! グレイの二の舞か!?
「グワッハッハッハ! 口ほどにもない奴よおおおおお!!」
――否!
処刑人ハリーはなんと――!
◆
ピタリ!
処刑人ハリー、そしてキングゼウスゴッドカイザーが停止!
「!? おい、一体どうした!? 世界が止まったぞ!!」
「落ち着きなさい、私が一時停止操作したのよ」
驚く神風トオルのほっぺをリモコンでペチペチと叩くウメコ。
トオルとルリ、ゴウショウに意味ありげな視線を送る。
「この先……本当にとんでもないことになるわ!
あなたたちに見せてよいものか……未だ悩むのだけれど」
「何を言うウメコ! 我らはただの人にあらず!
並大抵のことでは驚かぬ!」
ウメコに言葉を返すトオル!
「そうよ! 私たちはこれまでにいくつもの死線を乗り越えてきたわ!
ちょっとやそっとのビックリ映像など恐るるに足らず!」
同じくルリ!
「いかにも! この俺が育てた二人だ!
その精神は固きこと鋼のごとく、静かなること古池のごとし!」
同じくゴウショウ!
「あなたたちの覚悟……わかったわ! ならば!
レッツ再生!!」
ウメコが再生ボタンを押し――時は動き出す(ビデオ内の)!
……。
…………。
………………。
「「「なにいいいいいいいいいいいいいいい!!??」」」
ビックリ仰天の絶叫!
椅子からひっくり返る三人!
おお、果たしてその驚きの映像内容とは!?
コインランドリーで毛布を洗うのにハマっています(^-^)
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