2 死のバニーガール! 月対おそロシア!(前編)
プリン! プリン! プリン!
おお、なんたることか!
オシリが! プリップリのプリケツが!
こちらに歩いてくるではないか!?
――一般庶民諸君、落ち着いていただきたい。
歩行プリケツの正体、それはムーンウォークでコロシアムに入場するバニーガール女!
月代表地球ファイター、ルナツキ・ウサコである!
黒ストッキング装備の艶めかしい脚がスラリと伸びる!
デカパイ指数420を誇るオッパイであるが……注目すべきはそこではない!
見よ! 鍛え上げられた芸術的プリケツを!
ひったるんだ自堕落な尻とは格が違う! 次元が違う!
一日中見ていても飽きない! 神か!? 女神か!? キャンプファイヤーか!?
アーメン! アーメン! プリケツアーメン!
対して――反対側の門から入場するのは巨大な筋肉マッチョ人間!
おそロシア代表地球ファイター、ヤーレン・ソーレンだ!
身長3メートル越えの32歳!
筋肉ムキムキ! マッチョマンのアル中!
ツルッパゲに泥棒ヒゲ! そしてインディゴカラーのレスリングスパッツ姿である!
◆
「がんばれーおねーさまー!」
「地球人なんて瞬殺しちゃってー!」
「「キャーキャー!!」」
月の運動会的テント内でキャーキャー応援する集団!
ルナツキ・ウサコの部下であるウサミミ女たちである!
ルナツキほどではないものの、そのプロポーションはハイレベル!
バニースーツではなく、もこもこ系のスケベなうさぎコスプレ衣装を着用だ!
その煽情的な姿に耐え切れぬ男が観客席から月テント内に乱入!
「ぐへへへへへ!」
「キャー死ね!!!」
グシャリ!!!
哀れ! 男はウサミミ女の悪魔的なハイキックを受け全身複雑骨折と化す!
一般的に月の重力は地球の六分の一といわれている。
そのため、月の住人は生まれながらに地球人の6倍の力を持つのだ。
月の住人に失礼行為は厳禁である!
「まったく……! うるさいウサギ共め……!」
月テントの隣はおそロシア陣営の運動会的テント!
その中でギリギリと殺人ムチを握りしめるモスグリーン軍服の女将校!
コロシーナ・シネチェンコ大佐である!
36歳独身! デカパイ指数は驚きの500!
軍服の上からでもわかる悪魔的バカデカオッパイだ!
「おい! コムスメ共! 静かにしないか!」
悪魔的眼光でウサミミ女たちを睨み付けるコロシーナ!
「なによ! ウサギの勝手でしょ!」
「このオバサンこわーい!」
「「キャーキャー!!」」
コロシーナの注意を無視!
ヒマな顔採用OLのごとくペチャクチャ騒ぐウサミミ女!
「オバサンだと……!」
コロシーナがブチ切れ、殺人ムチを振るう!
ピシャアンッ!!
「キャーッ!!」
ムチで打たれるウサミミ女!
「私はまだ30代! 十分若いだろうがあああああああ!!!」
コロシーナは若い女が嫌いなのだ!
ピシャアンッ!! ピシャアンッ!!
「「キャーッ!!」」
おお、殺人ムチによる調教開始である!
地球ファイトにおいて、セコンド席同士の乱闘は日常茶飯事なのだ!
「女王様とお呼びッ!!」
「「キャーッ!!」」
◆
「ガハハハハハ!
ウサギなんぞ!
ウォッカのつまみにしてくれるわ!」
ウォッカをラッパ飲みするヤーレン!
「フン! 人間ごときに!
月のエリートであるこの私が――」
プリン! プリン! プリン!
ルナツキ・ウサコがプリケツを左右にプリプリさせ――!
「負けるものかよ」
身体を捻りプリケツ越しにキメ顔!
観客がワーワー!
そして――
ゴオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!
試合開始を知らせるありがたい鐘が鳴らされた!
荘厳なる轟音的音色が地球規模で響く!
地球ファイト決勝トーナメント、一回戦第三試合の開始である!!!
――本決勝トーナメント試合は両者が50メートル以上離れた状態で開始される。
一般庶民諸君にとっては相当離れていると思われることだろう。
しかし!
超人的な身体能力を有する地球ファイター達にとって――これ未満の間隔はゼロ距離に等しいのだ!
……それでもなお!
グシャアアアアアアアアア!!!
「オゴ――――ッ!?」
ルナツキの跳び蹴りがヤーレンのミゾオチに炸裂!
開始からわずか0.1秒!
深々と踵がめり込む!
たまらずヤーレンが1リットル吐血!
ルナツキはミゾオチに突き刺した足を軸に回転!
逆足で回転蹴りを繰り出し、吐き出された血液を弾いて霧散させる!
殺人的なキック力により蹴られた血液は瞬時に蒸発!
ルナツキは返り血で汚れることなく五連続バク転により距離をとる!
「ずいぶん酒臭い血だな……! 日頃の食生活が知れるわ!」
強靭な筋肉装甲を持つヤーレンが吐血! ただごとではない!
おお、見よ! 一般庶民諸君! ルナツキの膝から下を!
装着されているのはロングブーツ状の装甲!
戦闘用アーマードハイヒールだ!
月の鉱物! ルナティックチタンで構成されたそのハイヒールは――軽くて硬い!
まさに理想の装甲!
ルナツキの最大の武器である脚部を守ると同時に――その攻撃力を倍加させるのである!
「おのれい! このクソウサギがああああい!!」
ヤーレンが前傾姿勢をとり悪魔的殺人タックル行為!
ルナツキを捕らえんと暴走トラックのごとく迫る!
しかし! タックル行為は空振り! すでにルナツキはその場から消えている!
目にも留まらぬ高速移動! ルナツキはヤーレンの背後だ!
グシャリ!!!
ルナツキの踵落とし! ヤーレンの分厚い広背筋に叩き込まれる悪魔的衝撃!
「オゴ――――ッ!?」
ヤーレンが吐血1リットル!
即座に背後へ丸太のごとき腕を振るうが――やはりルナツキの姿はそこにあらず!
空振りにより開いたヤーレンの脇腹!
そこへルナツキの回し蹴りが極まる!
グシャリ!!!
「オゴ――――ッ!?」
ヤーレンが吐血1リットル!
『試合開始からわずか数秒! ルナツキ選手の一方的な悪魔的攻撃!
おそロシアのヤーレン選手はそのスピードについていけません!
さすがは月のエリート戦士! 地球の重力を物ともしません!』
ルナツキ優勢を申し上げる実況者! 観客がワーワー!
蹴っては離れ、離れては蹴る!
そのヒット・アンド・アウェイ戦法は乱反射するレイザービームのごとし!
一方的にダメージを受け続けるヤーレン・ソーレン!
しかし! 眉間にしわを寄せるのはルナツキの方であった!
(なんだこいつは……! なぜ立っていられる……!?)
超スピードで繰り出されるルナツキの蹴りは本来一撃必殺の威力!
一般庶民諸君の身近なものに例えるならば――
レールガンで撃ち出されたボウリングの球を受けるようなものである!
(すでに50発以上……この耐久力、化け物か!?)
ヤーレンは身を縮め完全なる防御態勢!
その頭部は極太の両腕で完全に覆われている!
(こちらのスタミナ切れを狙っているのか……それとも……!)
悪魔的高速キックを繰り出しながらルナツキ・ウサコは考える!
(打撃を無効化する能力者……?
いや……時折吐血を見せている。
ダメージを受けていないわけではない。
他に考えられるのは……!)
ヤーレンに打ち込まれる蹴り――60発! ――70発!
(あえてダメージを受け、蓄積し――こちらに返す技を有する?
あるいはダメージを肉体に記憶させ、耐性をつける能力……?)
――80発! ――90発!
(こちらのスタミナにはまだ余裕があるが――長期戦は不利か……!?)
百戦錬磨のエリート戦士であるルナツキ。
思考回路をフル回転させ敵の狙いを想定。
このまま蹴り続けるべきか――攻め方を変えるべきか。
導き出されるいくつかの選択肢。
自慢の蹴り技が通用せず――少なくともルナツキ自身はそう考え――戦法の転換を図る!
(どちらにせよスピードはこちらが上!
多少の選択ミスはリカバリー可能!
ならば――!)
100発目の蹴りがヤーレンを襲う――そう思われた瞬間!
「……ッ!?」
攻撃が止んだ――!?
肩透かしをくらうヤーレン。
一定間隔で受けていた打撃、その次が来ない。
腕で頭部を覆っているためヤーレンの視界は狭い。
ルナツキの様子を確かめようと――ヤーレンが若干の気を緩めた直後!
グシャリ!!!
「~~~~ッッッ!!??」
ヤーレンの声にならない叫び!
今までとは異なる悪魔的激痛!
その激痛発生地点は――左足の小指!
「貴様の耐久力はそのクソ分厚い筋肉によるもの!
足の指にまでは及ぶまい!!」
ルナツキは高速移動を止め、ヤーレンの足の小指目がけ連続踵落とし!
さらにつま先蹴り! あるいはハイヒールの尖ったアレで踏みまくる!
「おらああああああああああ!! 死ねえええいいいいいいい!!!」
ガシガシガシガシガシガシガシガシ!!!
「~~~~ッッッ!!??」
ヤーレンの足の指を踏みまくるルナツキ!
たまらず足を上げ両腕で抱えるヤーレン!
ピョンピョンと片足跳び!
ガードが下りむき出しとなる頭部!
「もらったあああああああああ!!!」
ルナツキが天高く跳躍!
最高点に達したところで膝を抱え縦回転!
アーマードハイヒールのスラスターにより落下速度を加速させる!
悪魔的超高速大回転垂直落下!
そのままヤーレン・ソーレンの脳天に――!
「必殺! ムーン月面かかと落としいいいいいいい――――!!!」
ゴシャアアアアアアアアア!!!
ルナティックチタンで覆われた踵が直撃!
その威力は暴走新幹線に100億回轢かれるようなもの!
ツルッパゲ頭を中心に広がる衝撃波ウエーブ!
ヤーレンの頭蓋骨を粉砕!
おお! モザイク必至のグロテスク的大惨劇!
スイカをカチ割ったがごとき地獄的光景が広がる!
――ハズであった!




