1 殺人的残虐拳法! 中国対青森県!(後編)
依然! 陳・肉まんはりんごマンに近づくことができないでいた!
これ以上リンゴ攻撃を受ければ――死亡確定である!
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
パギャン!
「アイヤー!」
陳・肉まんの悲鳴!
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
パギャン!
「アイヤー!」
陳・肉まんの悲鳴!
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
「……!」
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
「……!」
「――ッッ!?」
違和感を覚えるりんごマン!
気のせいであろうか!?
陳・肉まんの悲鳴が聞こえない!
リンゴ攻撃により息絶えたのであろうか!?
――否!
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
「……!」
りんごマンがリンゴを投擲!
「おらっ!」
「……!」
おお、目の錯覚であろうか!?
投擲されたリンゴが肉まんの体をすり抜けている!
パギャンという命中音が聞こえてこないのはそのためだ!
「ま、まさか!
いや、スンなはずは!」
「ホッホッホ! そのまさかアルヨ!」
な、なななんと!
陳・肉まんが不敵な笑みを浮かべ、りんごマンに近づいてくるではないか!
「ば、バガな!?」
おお、見よ! なんたる非現実的光景か!
陳・肉まんの身体が――ラーメンの麺! その集合体と化しているではないか!
言わば麺でできた藁人形状態である!
この姿! この技こそは! そう!
古代中国拳法の一つ、ラーメン真拳の奥義! ラーメンスタイル!
己の肉体をつるつるラーメンの麺と化し、あらゆる攻撃を受け流す技だ!
一般庶民諸君も想像してみたまえ!
ラーメンの麺にリンゴをぶつけようとしても――つるりとすり抜けるが物理現象中の物理現象!
俗にいうのれんに腕押し現象とはこのことである!
そして見よ!
すでにりんごマンは陳・肉まんの間合いの中!
「す、スマった!?」
気づいた時には! もう遅い!!
「アター!」
ピシャアン!
「~~~~ッッ!!」
陳・肉まんの麺状の腕が鞭となってりんごマンを打つ!
泣く子も黙って死に至るラーメン真拳の拷問技! ラーメンウィップだ!
殺人的な地獄級の激痛により悲鳴をあげることすらできない!
「アター!」
ピシャアン!
「~~~~ッッ!!」
陳・肉まんのラーメンウィップがりんごマンを打つ!
「アター!」
ピシャアン!
「~~~~ッッ!!」
陳・肉まんのラーメンウィップがりんごマンを打つ!
「アター!」
ピシャアン!
「~~~~ッッ!!」
陳・肉まんのラーメンウィップがりんごマンを打つ!
りんごマンはもはや瀕死!
身体が真っ赤に腫れあがり、動くのもままならない!
「ホホホ! とどめアル!」
陳・肉まんがラーメンスタイルを解除!
フトコロから巨大な漏斗を取り出す!
『あーっと! 陳・肉まん! まさかあの技を使うつもりかーッ!?』
実況者が声を上げる!
観客がザワザワ!
「ムウ!? あの技は!」
VIPルームで不機嫌に試合を観戦していたプレジデント・ピザフライ!
陳・肉まんの繰り出さんとする技に思わず目を見開く!
「噂には聞いていたが……! 本当に使うつもりか!?」
『そう! 陳・肉まん選手! どうやら本当に使うつもりだァーッ!
その技とは! 巨大な漏斗を相手の口に差し込み!
アツアツのラーメンを無理やり体内に流し込むという残虐技!
それも! 一杯や二杯ではありません!
相手が爆裂するまで流し込むという! 恐ろしい技なのであります!』
おお、なんという悪魔的な技解説! 一般庶民は聞いただけでも失禁である!
観客がワーワー!
『おお、だがしかし! りんごマン選手には口がありません!?
陳・肉まん選手! これは大誤算か!?』
そう! りんごマンには口がない!
聞いただけでも震え上がる殺人技! 不発となるのか!?
「ホッホッホ! 口が無ければ見つけるまでアル!」
陳・肉まんが天高く跳躍! りんごマンの背後を取る!
「オマエの口はここアル!」
「……!?」
おお! 陳・肉まんが狙うはりんごマンの頭! てっぺん!
正式部位名称『梗窪』! いわゆる窪んだ部分!
「アター!」
窪みに巨大漏斗が突き刺される!
「ギャー!」
激痛! りんごマンがこの世のものとは思えぬ叫び声をあげる!
それもそのはず!
人間で言えば脳天に鉄パイプを突き刺し! 脳みそを貫通! 胃袋まで到達させる大惨劇!
想像しただけでも死んでしまいそうである!
「これで最期ヨ! ラーメン真拳奥義! 満腹! ラーメン流し!」
陳・肉まんが無からドンブリに入ったラーメンを生み出す!
アツアツのあっさり醤油ラーメンだ!
そして! それを漏斗経由でりんごマンにジャバジャバ流し込む!
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
出来立てアツアツラーメンが一気に流し込まれりんごマンが悶絶!
神経への直接刺激により人ならざる悪霊憑依者ライクな動きでもがく!
そのりんごマンを大蛇のごとく拘束するのは、ラーメンの麺化した陳・肉まんの下半身!
部分的なラーメンスタイル!
ジタバタ行為によるラーメン流しへの妨害を封じる!
悲惨なことに! 舌を経由せず体内にラーメンが直行するため味わうこともできない!
人知を超えた残虐行為! 閻魔大王様すら考えつきますまい!
陳・肉まんは次々とラーメンを生み出し、りんごマンの体内に流し込み続ける!
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
脳みそと内蔵が焼かれ!
胃がパンパンになる!
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
「アター!」
ジャーッ!
「~~~~ッッ!!」
パツンパツンに膨張するりんごマン! そして迎える限界!
チュドオオオオオオオオオオオンンンンンッッッ!!!!
りんごマンは爆発した!
タチカワが軍配を陳・肉まんに向ける!
嘔吐しながら泣き崩れる青森県リンゴ農家たち!
さも当然とばかりの中国セコンド席!
一回戦第二試合は中国の勝利だ!
観客がワーワー!
「ホホホホホ! 優勝するのはこの私アルよ!!
ホホホホホ! ホーッホッホッホ!!!」
「む!? どうやら中国代表が勝利したようだな……!」
酔いが醒め正気に戻ったゴウショウが気付く。
「なんと、いつの間に!? 我らの気が付かぬうちに勝負をつけるとは……!」
コーン軍艦を食い尽くした神風トオルも狂人化が解けていた。
「兄上……! 中国代表はこの先ぶつかるかもしれない相手!
油断できませぬな……!!」
「ああ……! 木っ端みじんとなったりんごマン!
そこから推察するに……何やら面妖なる術を使う様だな!」
「さすがは兄上! 一見しただけでそこまでの推理力!
名探偵も顔負けにございましょう!!」
不気味な敵を前にし、なお頼もしき神風トオル。
妹のルリが胸をポカポカ熱くする!
「奴とぶつかるとすれば……この先三回戦。
それまでによく対策を練っておくことね」
こちらも正気に戻ったクールJK月宮殿ウメコ。
コーン軍艦は計6貫食した!
ウメコの言葉にうなずく神風トオル。
「ああ……。ところで……貴様は誰だ!?
何を馴れ馴れしく隣に座っている!?」
「これはゴアイサツね! 私は月宮殿ウメコ!
あなたの妹、ルリさんと同じクラスのクール美少女メガネJKよ!
知り起きなさい!!」
艶めくポニーテールをかきかげるウメコ!
そのポニーテールが顔面に当たりダメージを受ける神風トオル!
「ルリ! 本当なのか!?」
「ええ兄上! おそらくマイクラスメイト!
つい先ほどまで記憶にありませんでしたが!
心配無用! たぶん!!」
「そうか……これは失礼した!」
ウメコに謝罪! 悪魔的に頭を下げるトオル!
「我が妹の学友! これからよろしく頼む!」
「ええ、こちらこそ」
固く握手を交わす二人!
――その時である!
「ッッッ!!!」
神風トオルが何かに気づく!
「ウメコとやら……その顔……!」
「ギクリ!!!」
冷汗を爆流しするウメコ!
(ま、まさか私の正体に気づいたか――!?)
オッパイの谷間に隠してある手裏剣に手をかける!
「……ほっぺにコーンがついてるよ」
「えっ!? あ、あらやだ!? いや、ウソウソ! これはあえてつけてるのよ!
ファッション! 女学生の流行りなの!
べ、別にっ! ドジッコってわけじゃないんだからっ!」
あたふたしながらほっぺのコーン粒を食べるメガネJKウメコ!
「恥ずかしくなんかないんだからねっ! プイッ!」
キャーという叫び声を上げながらつむじ風と共に消えるウメコ!
そして――コロシアム中央!
一回戦第三試合、月対おそロシアの戦いが始まろうとしていた!




