15話 危機
朱莉です。
だんだん内容がおかしくなってきた気がしますが、お楽しみください…
アリア目線
(この状態から生き残るのはもう無理だろう。だがせめてこの子だけは…)
「大丈夫だリリア俺が絶対に守ってやる」
リリアに微笑みかけると彼女は覚悟を決めた。
「”紅蓮拳”この戦いは燃えるなぁ!!」
彼女は両の拳に炎を纏わせる。その拳を構え彼女は吠えた。
確かに彼女は強い。自分のスキルの性能をしっかりと理解している。”痛覚倍増”相手の感じる痛みを倍増させるスキルだ。しかし前提痛みを感じないモノには意味がない。彼女の相性の悪い相手それは彼女と敵対している”暗黒獣”達だろう。
スキルを発動させた拳で何度も暗黒獣を殴りつける。その勢いに吹き飛ばされ怯みはする。しかしそれらはどれだけ殴られたとしても起き上がる。
(こいつら痛覚がねぇのか…チッ相性が悪い。)
彼女も気が付いていた。本来ならば殴れば殴るほど痛みが蓄積されていき、徐々に一撃の感じる痛みが増えていく彼女の能力だが、そのスキルも使い物にならない。
(本格的にヤバいな…どうにかリリアを逃がす隙を作れれば…)
そんな考えを持ちながら戦っているが、そう都合のいいことは起こらず徐々に押されて行っていた。
「お姉ちゃん…」
リリアが心配そうな声でアリアの名を呼ぶ。
「大丈夫だ!!」
そう返すが、彼女自身もう駄目だと感づいていた。
「俺はリリアのために負けれねぇんだ!!!」
その瞬間目の前の暗黒獣は崩れ落ちる。胴が二つに断たれて次々に倒されていく暗黒獣に安どの表情を浮かべる姉妹であった。
「アリア大丈夫?」
僕はそっと手を差し出す。さっき鑑定感じ打撃耐性持ってる暗黒獣とやらから良く妹を守ったものだ。
「あっ…あぁすまない。助けられたな。」
アリアは僕の手を握り立ち上がる。
「お前そんなに強かったのか…あんなに頑丈な化け物をいとも簡単に…」
アリアは驚いたように僕に言う。そりゃあいつ打撃に耐性あるんだ。頑丈だと思うよなぁ。
「それは置いておいて、なんで二人はシェルターに向かわないの?」
一番気になったことだ。シェルターに向かう人たちから逆流していたんだ。確実に何か理由があるはずだ。
「あっそうだな…お前になら言ってもいいか…コイツ俺の妹のリリアっていうんだが、こいつのスキルが結構ヤバい奴で、化け物たちを呼び寄せてしまうんだ。」
ふとそのリリアを見ると見覚えがある。あのここに来る時に助けたお嬢さんだ。
詠唱もせずに鑑定の魔法を使い、彼女を見るとスキルの欄に”我が兵士達”というグレーアウトされているスキルがあった。
グレーアウトされているのはシュンが小さいときに一度見たが、周囲に影響を与えるほど強力なものは見たことがなかった。
「そうか…でも今シェルターにはここの国の勇者が行くからもしもの時は守ってくれるよ。」
さっき聞いた話だとシェルターがあるのはシュンの練習場付近だったからだ。シュンのことだ今頃シェルターを守っているに違いない。
「分かった。その勇者を信じてみるよ。ところでお前は逃げないのか?」
アリアは僕に聞く。確かに僕も一応逃げておいたほうがいいだろう。
「やることがあるからそれが終わったら向かうよ。」
そう言いアリアたちがシェルターへ行くのを見守った。
ガサッ 近くから物音がした。だが、周囲に人の気配はない。物音がしたほうを覗くと謎のピエロの人形があった。
「オヤオヤ?見覚えのない人間だ。」
その人形は僕を見た途端言葉を発した。
まさかのことに驚いた途端何かの気配を感じた。
「あなた、その年の人間にしては嫌な雰囲気をされている…何者ですか?」
ふと空を見るとタキシードを着たいかにも執事のような男が翼もなく浮いていた。
「お前は一体…」
そう口に出すとその男ははっとしたように名乗った。
「おっと名乗りを忘れていました。私はジョーカー。魔王様より秘密の任務を受けてこの国にきたのですが、貴方リリアという方ですかね?」
リリアを探しているらしい。それは下手に居場所を言うわけにもいかない。
「リリアですか…知らないと言ったら?」
「あなたを殺します。まぁもし教えていただけるのならば苦痛もなく殺して差し上げますよ」
容赦がないな、まあ秘密の任務って言ってたしバレたらいけないのだろうけど。
「分かりました勝負と行きましょう。」
僕は剣を抜く。ジョーカーと名乗った男は驚いたように僕を見て、
「まさかここまで血気盛んな若者がいるとは…これは現実を見せつけなければいけませんね。」
そういうと人形に向けて手を向けた。
「来なさい”道化の悪戯”」
人形は飛び跳ねるとジョーカーの肩に乗った。その人形はポケットに手を突っ込むと自分と同じ大きさの檻籠を取り出した。ありえないでしょポケットのサイズ上。
「あなたを殺して記憶をいただきますね。クラウン4番」
「OK!僕の力を見せてあげるヨ」
クラウンの胸からⅣと書かれたカギが飛び出してくると手に持った檻の鍵穴に移動する。
カシャン! 鍵の開く音が聞こえ、同時にジョーカーの手にジョーカーの1,5倍ほどある鎌が握られていた。
姿が消えたかと思うと、すぐ横に移動してきて鎌をこちらに振る。咄嗟に刀で鎌を受けるが、半端ではない威力だった。
「おや、さすがに一撃では終わりませんか…ですが、貴方が生きているうちはこの鎌は永遠に追ってきますよ」何度もこちらに振ってくる鎌を刀で受け止める。じきジョーカーは再度空へ戻っていた。
「面白くないですね。クラウン9番」
鎌が煙のように消え、再度クラウンが現れた。
「OK!次はコイツダ」
そうすると今度は指揮棒のようなものを繰り出した。
「盲信者来なさい。」
地面に陣が浮かび上がり四名の人間が現れた。
「これらは過去私に負けた者たちです。私には何の効果もありませんでしたが、人間であるあなたにはよく効くでしょう。」
いつの間にか刀がボロボロになっていたことに気が付き刀を収める。こいつは一本しかない。折ってしまったら大変だ。
「おやもうあきらめるんですね。ここからが本番でしたが…」
刀を作り出すスキルとかはないだろうか…そう考えながら刀を振るような動きをすると何故か盲信者たちが二つに切られていた。
「なっ!?その剣は…」
僕の手には真っ赤な剣が握られていた。また額にぬるりという血の流れる感覚が伝わってきた。なぜだか出血している。
「ですが、まだ使い慣れていないようですね。」
額から熱い何かを感じ、体が熱くなっていくのを感じる。本能のまま僕は剣を構える。
「さぁ、あなたがそれに慣れてしまう前に決着をつけましょう。”命の糸”ッ」
気が付くと僕は空中にいた。飛んでいたジョーカーは胴を切られ地面へ向かって落下している所だった。
「なっにが…」
僕は今おそらくやつを切ったのだろう。だが、それもこの剣のスキルなのか?
「お前の鬼人化のスキルは未完成のはず、そんな出力が出るとは思えない…クラウン0番…」
最後にクラウンを呼んだジョーカーだったが、当のクラウンはジョーカーとともに切り捨てられ地に伏していた。
「鬼人化?このスキルはそんな名前なのか?」
ふとさっきまで出血していた額に触れるとまだぬるりとした感覚があるものの二本の硬い感覚があった。これは角だ。
「僕は人間ではなかったんだな…」
ジョーカーはまるで糸の切れた人形のように死んでいた。
パシャっという音が手元から聞こえた。真っ赤に輝いていた刀が液体になってしまっていた。
と同時に意識が遠くなっていくのを感じた。僕はとっさに路地裏に入って少し休んだ。
どうだったでしょうか
この話で出てきたジョーカーと道化の悪戯は学校の授業中に考えました。
ちゃんと4番9番ともに名前はあります。それだけです。
ではまた次回




