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友情の芽生え

更新が遅くなり申し訳ありません。

♪♪♪


「12345678、そうそう。回ってステップ回ってステップ。前、後ろ、後ろ、ターン」

俺の人生初よさこい踊りから約一か月。何とか踊れるようになってきた俺は、今日も今日とて練習に精を出していた。

「はい。今日はここまでで終了にします。各人ストレッチ忘れずにね。自主練組はあと一時間くらい大丈夫だから好きに練習して大丈夫よ。それじゃぁ、今日も一日お疲れ様でした」

「「「お疲れ様でした~」」」

ふ~。とりあえず何とか踊れるようになってきたけど、まだまだなんだよな~。何て言うんだろ?キレみたいなのが無いって言うか、ただ曲に踊らされてるというか、とにかく何か踊り方がかっこ悪い感じがする。

「京介~。自主練するでしょう?」

椿がタオルで汗を拭いながら隣に腰を下ろし、飲みかけのスポーツドリンクをこっちに渡してきた。

「あったりまえじゃん。プロ級になるまでとことんやってやるぜ」

椿からスポーツドリンクをもらい一口飲んだ後、椿に返した。

「ぷっ。寝言は寝てから言いなさいよね。あんたのレベルじゃまだまだミジンコなんだから」

椿は笑いながら、スポーツドリンクを一口飲み、俺の額を人差し指で小突いた。

「まっ、努力してるのは認めてあげるわ。一か月で振り覚えて踊れるようになったのはあんたと圭吾くんだけだからね。さてっと、鏡の前空いてるから練習しよっか?あたしがレクチャーしてあげるわよ」

「い、いや、椿も自分のこととか忙しいだろ?俺は他の人と一緒に-」

「鏡の前空いてるから、練習しよっか?」

「そ、そーだな」

俺と椿は同時に立ち上がり、鏡の前へと歩いていった。

どこからともなく聞こえてくるドナドナさんのメロディーとともに。


「なぁなぁ、さっきのあれって明らかな関節キスだよな?ていうか、あいつら異性ってこと全く意識してないんじゃねーか?」

「そーよね。何か冷やかそうにもあまりに普通過ぎてスルーしちゃったわ」

「面白くないわ。全くもって面白くない。私たちはもっと甘酸っぱいキュンキュンな物語がほしいのよ。あれじゃただのスポ魂友情物語じゃない」

「キュンキュンって、その年で言うセリフかよ」

「「「あぁ~! (怒)」」」

「す、すいませんっした~!!!」

「はいはい、バカやってないで、あたし達も自主練いくよ。うかうかしてたら、前列ポジション若い子にとられちゃうわよ」

「はーーーい」


「京介、とりあえず、一曲流すから踊ってみてくれる?」

「りょーかい~」

鏡の前に来た俺たちはとりあえず、デッキを貸してもらい、練習を始めようとしていた。

すると、一人の男子が俺たちの方に歩いてきた。

「あの、俺も一緒に見てもらってもいいですか?」

そう声をかけてきたのは、俺と一緒の時期に一颯に入った、川島 圭吾だった。

圭吾は、長身細身で茶髪ロングヘアのイケメン君であり、中高とバスケット部に入っていたため、体もしっかりとした所謂チャラくないチャラ男君なルックスの19歳である。

「もちろんOKよ。それじゃぁ、京介の隣で一緒に踊ってもらえるかな?」

椿は笑顔で了承の意を伝え、俺と圭吾は並んで鏡の前に立った。

「圭吾くん。自らこの状況に入って来たこと、後で絶対後悔するぞ」

俺はまっすぐと正面を見たまま小声で隣に並ぶ圭吾くんにご愁傷さまと声を掛けた。

「音楽かけるから、一曲踊り切ってくれるかな。途中で間違っても最後まで続けること。いいわね?」

「ブラジャー!」

「わかりました」

俺と圭吾は元気一杯返事を返した後、俺だけ椿が投げたシューズを顔面に食らった。


そして一曲踊り終えた俺たちに椿は少し思案した後、俺たちと鏡の間に立って鏡の方を向き、実際に踊りながら、レクチャーを始めた。

「まずは、京介。ココなんだけど、もとスラって感じにやるように。それでココもこんな風にクネって感じから一気に引っ張り上げて、こういう風にビシッとすること」

うん。全くわかりません。椿は感覚で踊るタイプらしく、擬音語だらけの指導は俺たち初心者には何を言っているのかさっぱり分からないのだ。

「圭吾くんは、もっとスパって感じに踊るといい感じになるよ。あと、こういう風にスーっていう感じでやったり、ヒラっとした感じに踊るといいと思うわ」

圭吾くんも、固まってしまっている。そりゃそーですよね。これで分かるのって天才肌の人種だけであって、俺たち凡人の凡ちゃんには分かるはずがないんだよ。ムリゲーなんだよ。攻略不可能なクソゲーステージなんだよ~。

「まぁ、とりあえずはこんな感じかな。二人とも分かった?」

いい笑顔でこっちを振り向く椿に対して俺と圭吾はお互いを見つめ合った後、頷き合い同時に返事を返した。

「全く分かりません」

「はぁ!?こんなに分かりやすく実践しながら教えてあげてるのに!」

椿の笑顔が一瞬で般若に変わり、圭吾くんがヒイッと短い悲鳴を上げた。

「仕方ないわね。言っても分からないなら体に教え込ませるしかないわ。圭吾くん頑張りましょうね」

そのあと、みっちりとスパルタされた圭吾くんと俺はこの日を境に熱い絆が生まれたのであった。


よさこい振り付けも一段落したので、小説再開しました。

不定期になるかもですが、よろしくお願いします。

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