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世紀末覇者

「な、何で私を狙うんですか?私何もしてませんよ。」

赤いフレームの眼鏡に艶やかな黒髪をサイドテールで縛った大学生くらいの大人しそうな女性が数人の男に取り囲まれていた。

「別にあんたに恨みなんかねーんだけど、ちょいとあんたを襲ってくるように頼まれてよ。俺達困ってる人の味方だかさぁ、正義執行ってわけよ。マジ俺達いい人!」

世紀末な髪型にヘビメタ風の服装今にもひゃっは~って叫びそうな風体の男が訳のわからないことを言いながら、一歩一歩女性に近付いていく。

「やめて。こないで変態!あ~誰か腹に7つの傷を負ったイケメン様がコイツらの秘孔を付いて私を救ってくれないかしら」

「メチャクチャ限定的だなおいっ!」

怯えながらプルプル震える女性は一子相伝の暗殺拳の使い手限定に助けを求め、それに律儀につっこみを返すひゃっは~な人たち。普通はかなりシリアスで身の危険を感じるヤバイ場面が一気に台無しである。そんなよく分からない現場に1人の少年の声が投げ込まれた。

「何やってんだよ。男数人でよってたかって女を囲むなんてなさけねーな。おい」

正木 京介ピチピチの高校一年である。

「あっ?バッ●が来ちゃったよ」

「おまえ、ひでーな!!」

助けに来てくれたと思われる少年をお調子者のサブキャラ扱いした女性に、ひゃっは~たちはまたも律儀につっこみを入れる。

そんなやり取りは全く聞こえていない京介は

「助けてやるから心配すんな」

キリッとした顔で言い放ちひゃっは~たちに戦いを挑もうとした。

京介は高校生になって調子に乗っていたのである。中3と高1の差なんてそんなに変わりはしないのだが、高校生と言う響きに酔っていたのである。

「さぁ、どっからで」

バキッッ!

「うるせーよおまえ」

戦いのゴングが鳴る前に京介は後ろから来た男に殴り飛ばされ気絶した。

「ア、アニキ~!!」

ひゃっは~たちの意かにも三下な名言に

「バッ●弱いよ~!やっぱ大人に成るまでダメダメだな~。ってか、アニキ来ちゃったよ~。知ってる?このシチュエーションって大概アニキも雑魚キャラ扱いだよ?」

女性は全く臆することなく京介をディスりアニキを雑魚扱いした。最後には

肩をすくめるのポーズを取りやれやれだぜという徹底っぷりだ。

「おまえ、だんだんとキャラ変わってきてないか?最初のおしとやか文系キャラどこいったんだよ?!」

「え!?おしとやか文系美少女キャラなんて照れるな~。もうお兄さんったら~。ひゃっは~たちなんて言ってごめんね~」

「美少女なんて言ってねぇし、ひゃっは~なんて今初めて聞いたよ!?」

という全く収集の付かないやり取りをしていた三下と女性にしびれをきらしたアニキはツカツカと女性に近付いていき

桐木(きりき) 佳奈(かな)!この状態で余裕かますなんてよ、俺達をなめてんのか!あぁ~!!?」

とチンピラな一言を浴びせ凄んでみせた。

「ふ~十分楽しめたし、まっこのぐらいでいいかな」

アニキの凄みに全く動じることなく、桐木 佳奈と呼ばれた女性は眼鏡を外しサイドテールに縛ってあるゴムを取って髪をふさ~となびかせた。さながら普段はジャージ姿の数学教師をしている極道の跡取り娘が戦闘開始する時の仕草のように

「ヤ、ヤン●ミ?!」

三下とアニキもその数学教師を知っていたらしく声をあげて驚いていた。

「誰が、あのロン毛な先生より人情家。あのグレートな先生よりはまともなセンコーだコラッ!」

何故かキレた佳奈はひゃっは~たちを瞬殺し、犬歯を剥き出しにギロッとアニキを睨んだ

「私は、まだ二十歳だぞ!」

「キレるとこそこかよ!」

「確かに仲間由●恵さんは美人だが、まだ私は美少女でいたいんだよ!」

「知るかんなこと!」

アニキはチャキっとバタフライナイフを取り出し佳奈を威嚇した。

「へっ、ビビっちまって声も出ねーか?謝るなら今のう」

佳奈が黙り込んだことをアニキは刃物にビビったと思いニヤッと余裕を見せたが、言葉を言いきる前に佳奈は無言のままスタスタとアニキの方へ歩み寄って行き、ナイフの刃先手前で止まった。

「殺れよ?」

目が座り低い声で殺せと言い放ちズッと体を前に出した。ナイフが衣服に辺り少し皺を寄せた。

「!!」

アニキは、このままだと刺さるとビビり、慌ててナイフを持つ腕を後ろに引いた。

「覚悟もねぇのにそんなもん出すんじゃねーよ!!」

「ひでぶっ!」

佳奈の正拳突きがアニキの腹筋にクリーンヒットし、膝を崩し、腹を抱えヨダレを垂らしている。

「ちっ、素手でケンカも出来ねーのかよ。いいか?刃物は脅しの道具じゃねー!人に向けた時点で相手を殺す道具になるんだよ!わかったか!!」

人は刃物を向けられると少なからず恐怖心を抱いてしまう。しかし、刃物を持った方もよっぽどの殺意がなければ、相手に刃物が当たった時点で咄嗟に刃物を引いてしまうのだ。殺してしまうという恐怖にとりつかれて。

「それじゃぁ、7つの傷のイケメンさんが助けてくれなかったから、私が変わりに秘孔を付いてやろうか?」

ニヤ~と気持ち悪い笑みを浮かべ、拳をボキボキっと鳴らしながらひざまずくアニキを見下した。

「ばびぶっ!」

経絡秘孔けいらくひこうの内、悶絶金たまたまを突いた。お前はもう男として死んでいる」

所謂、玉蹴りを放った佳奈は、かっこよく決め台詞を放ったのだった。


此処まで読んでくださりありがとうございます。今回はシリアスが続きそうだったので息抜きに書いてみました。北斗の●ネタ満載にしてみましたが、少しでも笑ってもらえたならうれしいです。もう一話続きますが、桐木佳奈という人物像の紹介っていう感じに仕上げる予定です。よろしくお願いします。

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