6 圧
「おはよぉー!!」
「ん? あぁアリアか。おはよ」
朝から元気いっぱいのアリアを見ながら挨拶を返す。
「うぅ! 楽しみぃ!! 私絶対選ばれて騎士様になるんだ!!」
「へぇ、アリアは騎士を目指してるのか」
(ほうほう、今のアリアの話からして学院に行くと剣についても教えてもらえるっぽいな。せっかく転生したし頑張ってみるか)
アリアの父さんも武人で、名前はルートと言う。父さん(マルク)と仲が良いらしいのだが、かなり聡明で父さんとは似ても似つかない。
(はぁ……前日に知らせてくるうちの父さんとは大違いだぜ、くぅ!)
「シオンは何を目指してるの!?」
「あぁ俺か? このステータスで何を目指そうかなぁ……うーん」
「そうだな、冒険者とか?」
「私もなる!!」
騎士の夢どこ行った??
そうこう言っているうちにアルシュ家に着き、教室と言われた場所に向かう。
中にはゼロが一人で座って本を読んでいた。
「おはよう!」
アリアが相手が貴族だろうが関係なく声をかける。
ゼロはちらりとこっちを向くと、俺のことをじっと見つめながら言った。
「やあ、おはよう」
ん? 俺なんかした? めっちゃこっち見てるんですけど!?
とりあえず俺も、
「お、おはようございます」
と返しながら、少し離れた席につく。
アリアも俺の隣に座ると――なぜかゼロが距離を詰めてきて、俺の目の前の席に座った。
「あはは、ここでは敬語じゃなくてもいいよ」
(いや、せっかく距離あけたのに詰めてくんなって……!)
しかもゼロの目は全然笑っていない。
どうやってこの気まずい場を乗り切ろうかと考えた、その時――
「おはーーーーーよーーーう!!!!!!」
バンッ!とドアを思い切りぶち開けて、髪が赤色の少年が入ってきた。おかげでゼロの動きが止まる。
続いてその後に、
「お、おは、ようございますすすっ……!」
髪が水色でショートカットの少女がおそおそと入ってきた。
続々と生徒が集まり、ゼロはまた黙々と本を読み始める。赤髪の少年が元気にアリアたちと話し始めたのを見て、俺は胸を撫でおろした。
(ふーーーっ、助かった……)
しばらくすると、厳格そうな初老の教官が教室に入ってきた。
「席につけ。授業を始めるぞ」
「「「はい!」」」
こうして、俺たちのアルシュ家での授業が始まったのだった。




