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リアルリフォームゲーム  作者: 結音 凛
7/10

7.空白の真実

 月子(田村さん)が帰ってきたが、なぜ長い間学校を休んでいたのか、理由を聞きそびれた優希。次の日の朝、電車で聞こうと考える。

 田村さんが僕の家に来た次の日の朝。今日もいつもと同じ電車に乗った。

 電車に乗って、僕はすぐに田村さんの姿を探した。良かった。いた。田村さんは笑顔でおはようと声を掛けてくれた。


「おはよう優希君」

「おはよう、田村さん」

「優希君は久しぶりの学校ね」


 サボってたなんて言えない。田村さんの前でそんな格好つかないこと言いたくない。


「はは、風邪が早めに治って良かったよ……」

「そうね」


 ああ、幸せな時間だ。……って違うだろ! 僕は、親戚の葬式に行っただけなのに、なぜあんなに長い間学校を休んだのか聞くんだった。忘れるところだった。


「ところで田村さん、親戚の葬式に行っただけで結構な間学校を休んでいたけど、何かトラブルでもあったのかい?」

「あら、私、優希君に親戚の葬式行っていること話したかしら」


 しまった。そういえば、田村さんの口から直接そのことは聞いていなかった。盗み聞きしたんだった。とりあえず、誤魔化して話を進めたい。


「え、え? 昨日家にプリント届けに来てくれたときに話してなかったっけ?」

「あら、私いつの間に……」

「まあそんなことより質問……」

「あら、そんなに気になるの? そんなたいしたことじゃないわよ」

「構わないさ」

「ただ、親戚の葬式の交通手段は飛行機なのだけれど、台風が来て帰りの飛行機が飛ばなかったのよ」

「台風? 台風なんか来てた……」


 僕は思い出した。田村さんが学校を休んだ初日は、雨の日だったことを。


「……来てたね。そういうことだったのか」

「まあ確かに、台風はここまで来る前に進路が外れたものね」

「ところで、親戚の葬式はどこでやったんだい?」

「沖縄県よ」


 まじか。親戚凄いとこに住んでるな。僕はとても驚いた。


「もしかしておみやげを期待してるのかしら?」

「え!? そんなことないよ、ただ気になっただけさ」

「ふふ、本当かしら?」

「本当だよ〜」


 なんだ。台風が来て飛行機が飛ばなかっただけなのか。もっとニュースを見ておけばよかった。いやー、解決してすっきりした!

 こうして、楽しく会話をしながら、今日も学校へ向かうのだった。

 読んでいただきありがとうございます。皆様はどのような理由をお考えだったでしょうか?私と同じ方がいたら驚きですね。

 作中で優希は、月子(田村さん)が学校を休んでいた日を「長い間」と思っています。実際には三日〜六日間休んでいただけなんですけどね。

 次回もよろしくお願いします。感想も待っています。

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