一年後
かなり飛びました。
あれから約1年後。
俺は創造神に飛ばされた異世界 【エウリュペトラ】 で〈最強〉になっていた。
SSランク冒険者、ヴィクター・クライスとして。
ちなみに、この偽名は俺のミリオタ成分由来。
この世界はよくある異世界小説な感じだった。
色々なギルドがあり、国があり、ダンジョンがあり。
そしてもちろん、モンスターがいた。
転移した所は小さな集落で、遠い国から来た旅人の青年みたいな感じに扱われた。
一週間ぐらい滞在したあと、そこから一番近い町の冒険者ギルドで冒険者登録した。
最初は最低ランクのFからのスタートだったが、薬草採取とか門の見張りとかやってる時に貰ったギフトの確認とかできたから良かった。
で、そのあとはダンジョンに潜ったり、エンシェントドラゴン狩ったり、逃げたペット捕まえたり、迷惑娘の荷物持ち…。
あれ?後半は何か違う気がするが。
…と、こんな感じで満喫してたらいつの間にかSSランクに到達してるっていう。
でも、最高ランクのSSSランクにはなれてない。というか今までに3人しか居なかったらしいし。
今、本拠地にしてるのは、エウリュペトラで3番目に領地の広い【アルメギア王国】。
王都周辺にダンジョンが多かったり、ギルドの依頼も多いから、結構賑わってる。
まあ、ここに居る理由は、単純に知り合いが多いってのもある。
武具屋のアルバとか、ギルド長のメネウスさんとか。
あ、ちなみに王族のアルメギア一家とも知り合い。
というか…友達?
ここの王、ハルート・ルシアス・アルメギアは、同い年のくせに一国の王をやってます。
かなりピュアです。
家族愛が強いです。
一人称は僕です。
好きな食べ物は魚と果物と異国の食べ物です。
しかも可愛い妹、セリカ・ルシアス・アルメギアがいます。
憎いですねぇ。
さっき言った迷惑娘ってのはセリカ姫のことなんですがね。
ハルートとは完全に学校の休み時間の感覚で話してたりする。
こうなったのはハルートの父で、先代アルメギア王国国王、ルシアス王の病を治しちゃったことなんですけども。
いや、ほら、ギフトが多すぎるんだ。
あの創造神が全強化したせいで、未だに使えてないスキルとかもけっこうあるしな…。
幸いにも、調節が効くスキルが多かったから破壊神にはなってない。
全開にしたら世界崩壊する可能性すらあると思うし。
なんにせよ、お詫びってレベルではない。
「おう、〈剣聖〉、今日の収穫はどんな感じだ?」
王都内ダンジョンの入口にいる解体屋が話しかけてくる。
初めてここに来た時からの仲だ。
「その呼び名はやめろって…」
「ハハハ、いいじゃねえか。〈剣聖〉はもう書物に載るんだからよ!」
「どういうことだよ?」
「なんだ、聞いてねえのか?王宮書記官のシーナさんが剣聖伝説とかいう本を出版するらしいぞ。」
シーナさんは、アルメギア城では珍しいエルフで、美形だが、何かと歴史に残そうと暴走する。
それで、ルシアス王に書記長から降格させられたらしい。
「はぁ?後で止めに行かねえと…」
「で?収穫は?」
「ああ、今日は30層ぐらいでオークジェネラルが2体と、オークキングも狩れたぞ。」
「おお!あいつらの毛皮はコートにすると高く売れるんだよな!で、他はどうだ?」
「あとはゾンビの落とし物が多かった。ただ残念だが、どれも腐敗が進んでたりするものばっかりだった。」
落とし物というのは、ダンジョンで死亡した冒険者がアンデッド化したときに所持していた装備品のことだ。
「そうか、一応本人特定は頑張ってみるよ。」
「ありがとう。それじゃあ、オークキングの牙を一本くれ。他は代金のかわりで。」
「そんな貰えねえよ!せめてオークキングの肉も持ってってくれ。」
と言いながら、オークキングをその場で解体して肉と牙を渡してくれる。
オーク系の肉は臭みが強いため食用にはされないが、オークキングの肉は高級食材にされる。
「さて、じゃあ次は職人ギルドに行くか。」
次回ぐらいで急展開あるかも。




