創造神
展開がかなり早いです。
『僕は創造神だ。』
「は?」
唐突過ぎる発言に理解できないんだが、その“自称”神はお構いなしに続ける。
『そしてここは、光の間で、普通は位の高い者しか入れないんだけど、ちょっと用事があったから。』
「はぁ…」
『これから君を別の次元の座標に…えーっと君たちの方の言葉で言うと、異世界に飛ばす事にしたよ。』
「はぁ?」
落ち着け俺、反応がワンパターン化してる。
『んで、その時にいろいろ相談しないといけないことがあったからね。それで呼んだんだ。』
「いやいやいやいや!ちょっと待って待って!!」
『あ、質問は後で受け付けるよ。』
「ええ…今聞きたいんですけど…」
『えー?まあいいか、時間はあるし。で?何が聞きたいの?』
「えっとですね、まずなんで僕が?」
『君たちの時間で、一年間に一人だけランダムに選んで異世界に飛ばしてあげるっていうキャンペーンだよ!』
「なるほど…分かりました。」
分かってない。一人称が僕になるぐらい動揺中。
じゃあ、転移小説とかでテンプレな質問をしてみよう。
「次に、前の世界?での扱い…っていうかそういうのはどうなるんでしょうか?」
『あー、死んだ扱いになるとかそういうこと?それなら突然失踪したことになるよ。』
ちょっと雑じゃない?まあそんな便利な話はないってことなのか。
『…ごめん、さっき言ったこと、嘘。』
「え?」
『本当のこと話すよ。選ばれる条件ってのは、居なくなっても誰も…誰も何も言わない人。そういう人に、人生を楽しんでほしいからなんだ。』
ははは、マジか。俺が居なくても誰も悲しまないってか。
…ぐすっ…あれ?…おかしいな…涙が出てきたよ…?
どれぐらい経っただろうか。
よく思い出せないんだけど、大泣きして発狂してた気がする。
もう涙もとっくに枯れた。
しっかし改めて言われるとキツイもんがあるな。
『ごめんなさい。君を傷つけるつもりはなかったんだ。』
神…創造神だっけ?神様って謝るんだな。
「ああ、大丈夫ですよ。もうこういうのは慣れたので。」
『…じゃあ次の話をするね。』
お願いするわ。
『君を飛ばす世界は、ゲームみたいなものじゃない。』
「えっと、ドラ〇エみたいなのではないんですか?」
『ドラ〇エ?…ああ、世界観的には似ているね。でも数値で表すものは無い。それと蘇生魔法とかも一般には普及していないよ。』
なるほど、一般にはってことは禁忌魔術とかそんな感じってことかな。
「ってことは、前に居た世界に、魔法が追加されただけってことですか?」
『そんな感じだね。あと、スキルもあるよ。』
「スキルっていうのはさっき言ってたドラ〇エみたいな?」
『えっとね…そうそう、そういう感じだよ。あと、パッシブスキルっていうのもあって、ある条件を満たすと入手できるんだ。魔法とスキルは練習とか、普段の行動や生活で使えるようになるよ。』
『スキルと魔法にはレベルがあって、ⅠからⅤまであるんだ。種類によるけど強さとかが変わってくるよ。』
その後も色々教えてもらったけど、異世界って感じがすごい。実感がわかない。
まあ、前の世界に戻るよりはマシだと思った。
『さて、じゃ、ボーナスギフトを与えるよ。』
「え?なんですかそれ?」
『今の状態で異世界に行かせるわけないでしょ?簡単に言うとちょっと強くしてあげるってこと。そういう目的だし。』
「なるほど。」
もっともだ。魔法も剣術も使えないのに異世界で生き残れるわけがない。
『で、何が欲しい?』
「何があるんですか?」
『え?スキルとか魔法とか全部。』
「…おすすめは?」
『えっとね、とりあえず〈翻訳Ⅴ〉と〈鑑定Ⅴ〉とかが無難。あとは〈成長促進Ⅴ〉と〈マジックストレージⅤ〉かなー。効果は名前の通りだよ。』
「うーん、よく分からないのでお任せします。」
『いいのかい?』
「はい、向こうのことをよく知らない僕が選んでもあれじゃないですか?量も多いですし。」
『…分かった。じゃあこっちで選んでおくよ。』
すると、体が光り始め、数十秒経つとその光は消えた。
『…はい、これで強化できたよ。』
違いは感じないんだが…強化されたらしい。
『じゃあ、これからあっちに転移させるけど、準備は大丈夫?』
「はい、大丈夫です。」
けっこうドキドキするな。
『それじゃあ行くよ。』
また足元に魔法陣が出現した。
『あ、さっきのお詫びといっては何だけど、強化は最大限にしておいたから。』
「え?」
『じゃあ、楽しんで!アナザーライフを!!』
「最大限ってどういうっ!…」
俺は最後の言葉を言い終わる前に魔法陣に吸い込まれた。
――あれから約1年後――
俺は創造神に飛ばされた異世界 【エウリュペトラ】 で、文字通り〈最強〉になっていた。
次話、最強になります。




