表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/32

第二十三話 剣を握る資格

ニャンピンガの動きは、確かに覚醒していた。


リーヴィオの攻撃を受け止めるだけだった序盤とは違い、今は一気に詰め寄り、刃を連続で叩き込む。

足さばきが鋭く、視線は相手の腰を追い、刃の軌道は以前よりも短く、無駄がない。


―――


城の屋根の上。

白金のバッジを胸にした男――聖騎士(パラディン)フレッドが戦場を見下ろしていた。


隣に人影が現れる。


「何だ」


「――」


短い沈黙の後、フレッドが口を開く。


「――あの少年か。私が稽古をつけた者だ。入団は確実だろう」


相手が問い返す。


「―― ―?」


フレッドは視線を戦場に戻し、静かに答えた。


「私が最後まで剣術を教えなかった理由か……」


「それは……単に少年が未熟者だったからだ。未熟者に剣を握る資格はない。その資格を得るまで教えなかった。それだけのことだ」


―――


(コイツ……馬鹿力すぎんだろっ……!)


追い詰められたリーヴィオの顔が歪む。

息が荒く、瞳に焦りが混じる。


「俺が……手前なんざに負けるとか有り得ねぇンだよォ!」


彼は魔法を呼び起こそうとしたその瞬間、場内にアロファの声が響いた。


「そこまで!」


「三分が経過しました。壁の試練、終了です」


短く、しかし長く感じられた時間。


「チッ……」


リーヴィオは舌打ちをして去っていく。


アロファは戦場を消し、結界を解く。訓練場は元の静けさを取り戻した。


「最終試験は終わりました。観戦者の皆様はご解散下さい」


観戦者たちはざわめきながら散っていく。

――「今回の試験は凄かったな」

――「ヤバかったな」

――「アロファ様……素敵だな……」


ネモは遠くからニャンピンガを見つめ。安堵の笑みを浮かべた。


「ニャンピンガ君……この一ヶ月、よく頑張ったんだね……」


―――


アロファは淡々と告げる。


「入団試験はここまで。ほかの受験者が戻るまで待機してください」


ニャンピンガは拳を強く握る。胸に浮かぶのは、最初に思い出す家族と村の仲間の顔だった。やれることはやった――その実感と、まだ続く道への決意が混ざり合う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ