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新生日本帝国  作者: 霧
22/23

アナバンス諸島沖海戦 第一次夜戦①

大変お待たせしました。ようやく海戦です!


8月22日(0155時)


東洋艦隊…史実では1941年に創設された英国の艦隊。元々は東インド戦隊と中国戦隊を合併させた艦隊であるが、この世界では中国大陸は日本の領土であるため――――同じ理由でドイツ東洋艦隊は存在しない—――中国戦隊はなく、東インド戦隊を艦隊に強化した形となっている。



アナバンス諸島沖



「提督、敵の偵察艦に見つかったようです」


「そのようだな」


「沈めますか?」


「いや、その必要はない。敵はもうすぐ来るはずだ。無駄な弾薬の消費はしない方が良い。周囲の警戒をしっかりしておけ。それと艦長、無線電話をよこせ」

戦艦『クイーン・エリザベス』の艦長の報告を受けて東洋艦隊司令長官マーティン・ジェラム大将は無線電話で全艦隊に指示を出す。

「こちらジェラムだ、全艦に次ぐ。我々は敵の偵察艦に発見された。ここは敵の庭になりつつある海域である。まもなく敵艦隊は我々を迎撃するために訪れるであろう。しかし、我々はそれらを打ち砕き、先祖の屈辱を晴らそうではないか!全艦警戒態勢をとれ」

マーティン大将の指示と共に、3列の単縦陣から6列の単縦陣となりそれぞれの軍艦が見張りを増やして敵の襲撃に備えた。

「長官、ついにこの時が来ましたね」


「そうだな。この時のために新鋭戦艦を配備させたからな」

元々、東洋艦隊にはド級戦艦と巡洋艦を主力とする艦隊であるが、日本の軍拡に危機を感じたマーティン提督は本国に新鋭戦艦の配備を要請した。イギリス本土もドイツと同盟している日本の軍拡に危機を感じていた。そのため東洋艦隊にクイーン・エリザベス級戦艦とカナダ級戦艦・カレイジャス級巡洋戦艦の配備を決定し、開戦直前に配備されたばかりである。

「しかし提督、敵も新鋭戦艦を導入しているとありますが…」


「問題ない。我々は15インチ(38.1センチ)砲を搭載艦が6隻いる。敵は14インチ(35.6センチ)砲だ。極東の猿は我々のような戦艦を建造できないはずだ。必ずこの戦争に勝利し、68年前の屈辱を晴らす!」

ここで白人至上主義について説明させていただく。

知っている方も多いと思うが、白人至上主義とは、簡単に表すと白人がそれ以外の人種(有色人種)より優れていると言う考え方のことである。この時代の多くの白人は白人至上主義者である。そのため、68年前のアヘン戦争や82年前の日欧戦争で日本に敗北したことを受け入れられない白人が現在も多く存在している。今回の戦争で屈辱を晴らすために軍隊に入隊した人も多い。マーティン提督も白人至上主義者の1人である。そのため今回の戦争で自分の手で屈辱を晴らせることに気分が高騰していた。それに加えて日本帝国の新鋭艦のほとんどは36.5センチ砲搭載艦だった。このことからクイーン・エリザベス級戦艦やカレイジャス級巡洋戦艦が搭載している38.1センチ砲を超える軍艦を日本は保有していないと断定していた。

しかし忘れてはならない。戦争とは非常識の塊であるため断定をしてはならないことを…



0200時


「そろそろ敵艦が出てくるはずなんだが…艦長、先行するフランス艦隊はどうだ?」


「先行する防護巡洋艦『トーパス』によるとフランス艦でも敵を発見したと言う報告はないとのことです。」


「他の艦からは?」


「そちらも同様です。敵は、我々を恐れて逃げたのでしょうか?」


「それはありえん。敵は必ずく…なんだ?今の音は?」

マーティン提督の話が続かなかった。どこからか聞こえた鈍い音を感じ取ったからだ。その数秒後その音の正体がわかる。

「提督大変です!」

1人の士官が紙を持って入ってきた。

「落ち着け、何があった?」


「先ほど先行していた防護巡洋艦『トーパス』並びに右舷に配置していた防護巡洋艦『ピーク』『シラ』そして駆逐艦4隻轟沈。」


「なんだと!?見張り員、敵艦を確認できるか!」


「いえ、暗くて見えません!」


「他の艦からは?」


「こちらも同様です!」


「ばかな!?ならばどこから攻撃が来たと言うのだ!」


「提督、砲撃音並びに砲炎などがないことから恐らく魚雷だと思われます。またこの暗闇でも見つけられないことから敵の駆逐艦による奇襲かと…」


「その可能性が高いな。見張り員をさらに増やして警戒しろ。それと左舷駆逐艦の一部と右舷巡洋艦2隻は救助を行え、その他はそのまま警戒だ。それと先行するフランス艦隊に…「失礼します!提督、先行するフランス艦隊から緊急電です!」何!内容は!」


「はっ!『我が海軍敵艦隊の奇襲に合う。護衛の駆逐艦半数以上失う。救援を求む!』とのことです」


「くそ!敵は我々に奇襲し、動揺させている間にフランス艦隊に奇襲していたのか」


「どういたしますか?」


「救助に使う巡洋艦以外の巡洋艦を全て送れ!何としてでもその敵艦隊を潰すのだ!」


「了解!」

マーティン提督の指示により、6隻の巡洋艦がフランス救援と敵艦隊の殲滅のために向かい、残りは救助活動を始めた。


(どうやら我々は極東の猿を過小評価していたようだ。いかんな。これでは先祖の二の舞になるところではないか。気を引き締めなくては…)

マーティン提督は艦橋の窓から見える暗闇を見つめた。


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