間話 第一章人物録
戦闘シーンが長いので流し読みしてしまう事があると思います。その時は間話を見返せば大丈夫です!
眼級について
眼の強さは、九眼級から一眼級までの「眼級」に分けられる。
数字が小さいほど、眼力の量や能力の強さは高い。ただし、眼級は勝敗を決める絶対的な数字ではない。能力の相性、鍛錬、眼力の扱い方によって、下の眼級が上の眼級を倒すこともある。
主な登場人物
【葛城光留】
名前の読み:かつらぎ・みつる
持っている眼:黒の眼
眼級:九眼級
本作の主人公。能力不詳の九眼として周囲から軽く見られていたが、戦いの中で相手の眼力を吸収する力を発現した。技の名は「黒水」。父が残した黒い刀を使うことで、より強く眼力を吸収できる。
ただし、吸収した眼力は消えるのではなく、記憶や感情とともに光留の器へ残る。限界を超えれば出血や視界の欠損を起こし、最悪の場合は眼獣になる危険がある。
【葛城蓮次郎】
名前の読み:かつらぎ・れんじろう
持っている眼:霊の眼
眼級:六眼級
光留の弟。死者の霊を呼び出し、戦わせることができる。一年間で八眼級から六眼級へ上がるほど急激に成長していた。
武闘大会の準決勝で大量の霊を呼んだ際、呼んでいない死者や眼獣までつながり、榊原玄斎に身体を利用される。光留へ逃げるよう告げ、現在も故郷の島へ残されている。
【橘伊織】
名前の読み:たちばな・いおり
持っている眼:火の眼
眼級:五眼級
刃眼隊三番隊に所属する若い隊士。光留と蓮次郎の幼なじみで、炎を刀や地面へまとわせて戦う。入隊してから光留と距離ができていたが、故郷の島での戦いを経て、再び隣へ並ぶようになった。
【御影宗十郎】
名前の読み:みかげ・そうじゅうろう
持っている眼:綻びの眼
眼級:準二級
刃眼隊二番隊隊長。光留を一年間鍛えてきた師でもある。
綻びの眼は、物体や眼力の流れを保っている力の薄い場所を見つける眼。能力だけで相手を倒す眼ではないが、剣術や仲間の能力と組み合わせることで、強敵を崩す起点を作る。
【時任清十郎】
名前の読み:ときとう・せいじゅうろう
持っている眼:振動の眼
眼級:五眼級
武闘大会の優勝候補。触れたものの揺れを読み、同じ振動を重ねることで内側から崩す。
蓮次郎の霊を次々と崩したが、それが蓮次郎に大量の霊を呼ばせるきっかけとなった。島からは脱出したものの、振動の反動で両腕に重傷を負っている。
【白鷺道伯】
名前の読み:しらさぎ・どうはく
持っている眼:鑑定の眼
眼級:不明
故郷の島でただ一人の眼判定士。相手の眼を覗き、その眼力が何へ姿を変えるのか、器にどれほどの力を収められるのかを見定める。
光留の黒の眼を「能力不詳」としながらも、力が存在しないとは断定しなかった。
【榊原玄斎】
名前の読み:さかきばら・げんさい
持っている眼:不明
眼級:不明
刃眼隊を作った初代隊長。すでに死んでいるはずだが、蓮次郎が大量の霊を呼んだことで姿を現し、その身体を支配した。
蓮次郎の霊の眼と、光留の黒い刀を以前から知っていたようだが、その目的は分かっていない。
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武闘大会の出場者
【新田源八】
名前の読み:にった・げんぱち
持っている眼:剛腕の眼
眼級:七眼級
蓮次郎の一回戦の相手。眼力によって両腕の筋力を高め、重い一撃を放つ。
【富樫弥吉】
名前の読み:とがし・やきち
持っている眼:重しの眼
眼級:七眼級
光留の一回戦の相手。触れたものの重さを増加させる。光留が無自覚に眼力を吸収したことで能力を維持できなくなり、敗北した。
【荒巻弦馬】
名前の読み:あらまき・げんま
持っている眼:風走の眼
眼級:七眼
蓮次郎の二回戦の相手。足へ眼力を集中させ、風を踏むような速さで間合いへ入る。十年以上にわたって同じ眼を鍛えている熟練者。
【真壁兵馬】
名前の読み:まかべ・ひょうま
持っている眼:縫影の眼
眼級:準六眼
光留の二回戦の相手。眼力を込めた木片で相手の影を地面へ縫い、身体の動きを封じる。
【伊吹岩蔵】
名前の読み:いぶき・がんぞう
持っている眼:岩の眼
眼級:準五眼級
光留の準決勝の相手。眼力を集めた場所を岩のように硬化させる。光留は狙って「黒水」を使い、硬化を支える眼力を抜いたうえで、木刀の一撃を入れて勝利した。
これまでのあらすじ
海の向こうを知ろうとしてはいけない――。
そう教えられて育った葛城光留は、故郷の島を守る刃眼隊への入隊を目指し、二番隊長・御影宗十郎のもとで鍛錬を続けていた。
光留の眼は、能力すら分からない「黒の眼」。眼級も最下位の九眼と判定され、周囲からは弱い眼だと馬鹿にされていた。一方、弟の蓮次郎は死者を呼ぶ「霊の眼」を持ち、一年間で八眼から六眼へ急成長していた。
祭りとともに始まった武闘大会。兄弟は相手の眼力の流れを見極めながら戦い、富樫弥吉、真壁兵馬、伊吹岩蔵を破って準決勝を勝ち抜く。その過程で、兄の黒の眼が相手の眼力を吸収していることを知り、初めて狙って放つ技を「黒水」と名づけた。
しかし、大会の裏では異変が進んでいた。
夜の海から現れる眼獣。戻らない見張り舟。誰もいない場所へ話しかける蓮次郎。そして、弟の背後へ立つ古い隊羽織の男。
準決勝で蓮次郎と対戦した時任清十郎は、振動の眼によって呼び出された霊を次々と崩した。追い詰められた蓮次郎は、一度に大量の霊を呼び出そうとする。
その瞬間、呼ばれていない昔の隊士や死んだ眼獣まで島じゅうから蘇った。蓮次郎の身体には、刃眼隊の初代隊長・榊原玄斎が現れる。
一番隊は海沿いに溢れた眼獣を食い止め、三番隊は北山から現れた巨大な死体の眼獣へ立ち向かい、二番隊は町民を逃がすための道を作った。
父が残した黒い刀を手にした光留は、伊織、御影、時任とともに蓮次郎のもとへ向かう。黒水で死者の眼力を吸いながら弟へ手を伸ばしたが、島じゅうから集まる力を吸い切ることはできなかった。
黒の眼、振動の眼、綻びの眼は限界を迎え、光留たちの眼や鼻から血が流れ始める。
僅かに身体を取り戻した蓮次郎は、古い隊士たちへ光留たちの退路を作らせた。そして兄へ「逃げて」「今度は兄ちゃんが待ってて」と告げ、自ら島へ残った。
光留たちは、何が起きたのかを詳しく知らないまま、町民や刃眼隊の生存者とともに舟で島を脱出する。
海上で、光留は黒水の代償を知らされた。吸収した眼力は消えず、その持ち主の記憶や感情とともに光留の中へ残る。使い続ければ、自分の記憶を見失い、眼獣になる危険さえあるという。
眠りへ落ちた光留は、白い海に立つ巨大な扉を見る。扉の奥から聞こえたのは、自分によく似た正体不明の声だった。
「今は、強くなるしかないんだ」
弟を救う作戦へ参加できるのは、正式な隊士だけ。
光留は黒の眼を制御し、誰にも置いていかれないほど強くなることを決意する。幼なじみの伊織と再び隣へ並び、避難民と同じ島へ上陸したあと、未知の術を求めて島の奥へ足を踏み入れた。
そこで二人を待っていたのは、気配も足音も残さず森へ潜む者たちだった。
光留たちがたどり着いた場所――そこは、忍びの島。
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