いざキャンプへ
先輩は持ってきたキャンプ道具と思しき荷物をバイクに備え付けているバッグに詰める。
「セン、これからっといてくれ」
そう言って俺に大きいリュックサックを手渡してくる。
「からう?」
「……?」
からうってなんだ。とりあえず俺はリュックサックを受け取る。
「とりあえず背負えばいいですか?」
「背負う?」
「?」
俺はリュックを背負った。
「なんだ分かってるじゃないか」
なるほど。方言か。知らなかった。けれど俺は指摘したらまた何か言われると思い、そのままリュックの位置を整えた。
「よし、じゃあ準備はいいか?」
先輩はバイクに跨って俺を後ろに乗せてから言う。
「はい。大丈夫です」
俺はその問いかけに肩を掴む力を少し込めて答える。
「荷物が増えるとやっぱり重いな」
いつもよりもこわばった様子でバイクを立てる。大丈夫だろうか。
「しっかり掴まってな」
「はい」
少しふらついたが、トロトロとバイクが走り出した。そこからスーパー、精肉店に寄って、先輩が俺の背負ったリュックにポイポイと野菜と肉、飲み物を入れる。
その後に着いたキャンプ場と思わしき場所は、周りが木々に覆われていた空き地のような場所で、よく見ると奥に川が見える。
「よし! ここらへんでいいだろ」
先輩はバイクを停めてから、積んでいた荷物を次々と取り出す。それは椅子であったりテーブルであったり、次々とキャンプ用品だと分かるものが並んでいく。中にはコンロのようなものがあって、ここでも調理するのか。
「まあこんなもんか。よし! セン、枝を取ってきてくれ」
「枝ですか?」
「おう。できるだけ乾いてる奴な」
「ああ、燃料にするんですね」
「そうだ。だからいい感じのサイズ感のやつを頼むよ」
「分かりました」
「あと、松ぼっくりとかでもいいぞ」
先輩のその声に頷きで返して、俺は木々が生い茂るところに向かった。
「乾いた枝、乾いた枝」
俺は落ちてるいい感じの枝がないか探す。なんかこうしていると小学生の頃に戻ったような気がする。昔もこうしていい感じの枝を探した。振り回していたのは我ながら危なかったとは思うけれど、いい思い出だ。先輩もやっただろうか。あの様子だとやっただろうな。きっと地元のガキ大将だったことだろう。
とりあえず個人的にいい感じであろう枝を六本、あとは納得はいってないけど使えるかもしれない枝を数本持って、先輩のところへ戻った。
「こんなんでいいですか?」
「おお、やるじゃないか。ありがとう」
先輩はそういって渡した枝を受け取り、持っていた小型のナイフで何かをし始めた。そしてその後、火をつけたと思うと、枝を選定しながらポイポイとその火にくべていった。




