道の駅へ
「んで、道の駅でしたっけ」
「おう」
会計を済まして外に出る。日差しがバイト終わりには眩しくて俺は目を細めた。
「こっちだ」
先輩は駐車場に止めたバイクの方へ寄る。そしていつものように慣れた手つきで俺にヘルメットを渡した。
「というか岩先輩。よくガラス越しでも俺が店にいるの分かりましたね。バイク乗ってたんですよね?」
俺はヘルメットを被りながら訊いた。
「ああ、いや、元々ここで飯を食おうと思ってな、入ろうとしたらセンがいたんだ」
「なるほど」
先輩もヘルメットを被って、バイクにまたがる。
「よし、行こうか」
「はい」
道の駅は案外近くにあった。前回海に行った所の近くだった。おそらく道を一二本内陸側に移動した所だ。見た目は想像していたよりも観光地のようだった。具体的にいうなら、俺が想像していたお土産店ではなく、展望台のような建物とフォトスポットが併設されている場所だった。
「へえこんな感じなんすね。あそこは展望台ですか?」
「ああ。今は二階は使えないらしいけどな。一階はお土産屋になってるよ」
内情は想像と変わらないらしい。
「じゃああっちの景色見に行くんですね」
「そうだ。そうだが、その前にやることがある」
「やること?」
「おう」
そう言って先輩は展望台の方へ向かう。先輩の進行方向に目を向けると、一階と一体化している露店があった。
「ここに来た時の礼儀だ。ソフトクリームを食べる」
「一番人気はホットドッグって書いてありますけど」
「そんなのは関係ない。ソフトクリームだ」
「なんか変な味もありますね」
「それは不味いからやめとけ」
「はい」
そうして二人で店に並ぶ。といっても前には二人のカップルしかいないので、すぐに俺たちの番が来そうだ。それまでに味を決めなければいけない。まあ最初なら王道でいいだろう。
「いらっしゃいませー」
「マンゴー味ください。セン」
「自分もマンゴー味で」
「少々お待ちください」
レジの正面から少し逸れて出来上がるのを待つ。店員さんはマシンの前でコーンを構えて出てくるアイスを迎えている。その手さばきは慣れたもので、コーンの上にとぐろを巻いたアイスクリームが積み上げられていく。見ていて気持ちがいい。先輩もその仕上がりみ満足しているのか腕を組んでうんうんと頷いている。もしかしたらただここのアイスが好きなだけかもしれない。
「お待たせしましたー」
「ありがとうございます」
二人でそのキレイに盛り付けられたソフトクリームを受け取る。先輩は片方の手にソフトクリーム、そして余ったもう片方の手で俺の手首を掴んで、高台のフォトスポットへ向かった。




