第十九話「普通の進学」
期末試験の結果が返ってきた。
この学校は中堅校なのでそこそこに勉強すればそこそこの結果が出る。
進路についてはまだそこまで真面目に考えていないので、まあ僕はそれで満足ではあるが…謎な生徒がクラスにいる。
――結城と朝倉だ。
この二人のスペックはおかしい。
まず朝倉。
家業の仕事柄か、やたら博識。
特に犯罪の科学捜査みたいな知識があったり、法律の知識とかがすごい。
小学校の頃母親にスパルタで六法全書を読まされたとか言っていた。
母親も普通に狂ってると思う。
次に結城は――
クラスの全員が内心で「私立の進学校へ行くべき人間だ」と思ってた。
仮に私立に落ちて滑り止めにしても、この学校のレベルは出願しないのでは?
「結城さん、順位とか…聞くまでもないか。」
質問しかけて、無意味な質問だと気づいた。
「授業中に教師公認でノートパソコンで調べ物してる人の成績が上位なのは当然か…。」
結城が不機嫌そうな顔になった。
「ノートパソコンじゃないわ、ThinkPadよ!」
…そこかよ!
「順位?嫌味に聞こえたら申し訳ないのだけれど、入試も中間も今回の期末も主席よ。」
…いよいよこの学校にいる意味がわからない。
もっと他にも選択肢あっただろうに。
「主席って…入学式で新入生代表挨拶してたのは他の人だったよね?」
「あぁ…私は学生らしい振る舞いってできないから、断ったのよ。」
「え、断ったの?というか、そもそもその学力でなんでここ受けたの?」
僕は…割と地雷かもしれない内容を聞いてしまった。
「理由はどうあれ、私は目の保養になるから結城さんがこの学校に入学してくれて嬉しいですー…」
「間宮さん、話が進まなくなるから乱入しないでくれる?」
「進学する高校を選択する条件。
1. 徒歩ないし自転車にて通学が可能であること
(通学の交通費の支給はされないため)
2. 公立であること
(私立は特待生でも授業料以外でそこそこにお金がかかる)
3. 滑り止め併願が絶対不要と断言できること
(出願料削減の目的)
こんな感じかしら?」
…。
え、お金…?
確かに高梨が最初に絡んできた時さらっと母親が借金とか言っていたけど…。
「…というのはまあ冗談で。」
…え、冗談?
「この制服、母のお下がりなのよ。」
確かに、細かい部分が現行制服と若干違う。
「あ、やっぱり?この間の結城さんのお母さん、結城さんと同じ格好してたし」
朝倉が混じってきた。
「制服代が浮くしね」
………。
え、そんな現実的な…。




