第十三話「普通の会議」
スマホにCisco Webexのアプリをインストールさせられた。
普通のメッセージアプリのビデオ通話機能じゃダメなのか、百歩譲ってZoomじゃダメなのかと尋ねたら「YaaS運営会社の規定なので」と返ってきた。
気に入ってるのか、YaaS…。
画面越しに結城が映る。
なぜか仮想背景を使っているが、輪郭に映り込むわずかな背後の壁がどう見ても病室だった。
「具合はどうなの?」
私が聞くと…
「38.7℃、絶好調よ!」
その絶好調ってダメって意味ではないか…?
「解熱剤でも熱が下がらなくて、差し入れのヒートシンクで熱が少し下がったのよね…。」
…あんた人間だよな?
……いや、それ言わされる時点で結城がボケだ。
毒舌ではあるがこういうボケは普段しない。
やっぱりまだまだ絶好調(悪い意味で)らしかった。
隣で多田は無言だった。
やがて話題は高梨案件に移る。
私はうちの事務所で扱った案件を含めて色々な事例を話した。
精神発達が止まった虐待されていた子供が保護されてから精神発達が再開した事例などを。
極端な例では、狼に育てられ、その後に施設に保護された子供の話もあったか。
つまり、今まで通り私たちが香菜の良き友人であればよい、居場所になってあげればよいと結論づけた。
「つまり、パクチーに『お姉ちゃん』って呼ばせればいいのね?」
…あ、これ、感染症です。
間宮ウィルスです。




