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あんたんーUNundersTANdable  作者: 三咲 美月
第二章「普通のラブコメを目指したい」

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第四話「普通の風邪」

翌日。

結城は風邪を引いて欠席した。


結城はタクシーで僕を送り届けて、その後徒歩で神無宮駅まで戻って行った。

高梨の家でタクシーを待たせている間に想定外にメーターが上がっていたらしい。

僕がタクシー代のいくらかは出すと申し出たが、断られてしまった。

「あくまで多田くんは、『たまたま発生したラッキー枠に便乗した人』よ。請求できないわ。」

徒歩で駅まで帰るというので、当然僕は家にあった傘を貸したが、激しい雨で膝から下にはほぼ無意味に思えた。

結局体が冷えすぎて風邪を引いたのだろう。


「結城さんが風邪を引くなんて、ちょっと意外だね。」

僕は感想を述べると、多田がフォローする。

「無機質な感じの性格はしてるけど、あいつも一応人間だからな。」

“一応”らしい。仲がいいのか悪いのかわからない。

まぁ、ガイノイドかと思うような時もあるが、昨日は高梨の母親に対して色々と思うところがあったようだ。

思えば、人間らしい感情がなければ、「ステークホルダー全員がWin-Winの関係」などとは言わないだろう。

そんなことを思っていると、朝倉が続けて言う。

「免疫細胞に『口腔内に病原体あり!排除せよ!』とか命令してそうなイメージはあるよね。」

そう、そのイメージだ、僕が言いたかったのは。

高島が答える。

「どっちかって言うと、それあいつのかーちゃんの方だな…。」


その頃、昼休みに貰い物のパンを追加で食べた結城マリが

「お昼、食べ過ぎちゃった…。」

「体重の増減はこの一食にあり!我がランゲルハンス島各員一層奮励努力せよ!」

などとノリノリで東郷平八郎ごっこをしていたことは、誰も知らない。


そしてランゲルハンス島が奮励努力したかは、結城マリ本人も知らない。

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