表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あんたんーUNundersTANdable  作者: 三咲 美月
第一章「普通の日常を目指したい」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/58

第二十二話「普通の宿泊研修」

オリエンテーション。

そう言う名称だが、入学後の説明ではない。

1年生の親睦を深める宿泊研修だった。

青年の家と称する施設に軟禁され、睡眠という人間が最も無防備になる状態を、赤の他人と晒すという恐怖のイベントである。

部屋割りはある程度自由に組ませてもらえたのが救いだった。

朝倉さくら、高梨香菜、間宮真美、そして私、結城雪だ。

間宮真美、ずっと無口で班分けでどこにも入ろうとしないので引き受けたが…。

何を話しかけても反応が薄い。

ずっと本を読んでいる。

この人大丈夫だろうか?

…いや私も似たようなものか。


「ねー、ベッドどれにする?アタシ上がいい!」

割り当てられた部屋の2台の二段ベッドを目の前にして高梨パクチーがはしゃいでいる。

パクチーは最近打ち解けてきた。

どうやら直感的に思ったことを、考えずにしゃべってしまうことで過去に友人に誤解を与えたことがトラウマで、直感的によく考えて心にもないことを言ってしまうという最悪な拗らせ方をしていたらしい。

私や朝倉が心を許せる存在だと分かった瞬間、ものすごくお喋りになった…が、喋り方がほとんど小学生のような感じだった。


朝倉とパクチーなら、寝込みを襲われる心配もない。

この間宮も、読書以外興味なさそうだし…。

セキュリティレベルを下げて睡眠レベルは上げても問題なさそうだ。


と油断したのが間違いだった。

「怪談話ししませんか?」

消灯時刻を過ぎてから間宮の声がした。

「やめて!」

朝倉が即答する。

朝倉は自分が理解できないものはとにかく嫌だ、というタイプなのは1ヶ月の付き合いでよく分かった。

探偵とかやってると、怪奇現象とかは排除したい思考回路になるのだろうか。

「うーん…アタシはいいけど…さくらっちが…。」

パクチーも乗り気ではない。

「じゃぁ私が…。」


とっておきの怪談話をした。

全員青ざめていた。

「恐ろしいけど、思っていたのと違う。」

間宮は私の狙い通りに興醒めしたという感じだった。

「…怖いね…普通に。」

「ヤバくね?」

朝倉とパクチーはドン引きしていた。


怪談と称して何を話したのかって?

畳に敷き詰められたUTPと畳に転がる聴診器の話である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ