第十三話「普通の頭痛」
一般的に、修羅場の状態でも4時間寝ればなんとかなると言われている。
4時間は寝たはずだ。
ケーブルタグを貼り付けた後、スイッチのコンフィグと作業手順を作るのをがっつり手伝わされた。
私が寝落ちした後、上司を叩き起こしてTeams会議でレビューしてもらって、承認が降りたらしい。
父は細かい違和感を見逃さず、事故の兆候を潰すという面において非常に優秀なのだが、そのせいでタスクが増えすぎて計画作業が捗らないらしい。
(いや、今日の作業で事故るなよ…)
と、心底思う。
私の体は小学生で成長が止まっている。
十分に寝ないとダメなあたり、完全にジュニア仕様のままである。
4時間じゃ全く足りない。
母は、もともと勉強ができない頭なのに無理して医師になった。学費とかで相当両親に迷惑をかけた分、当直で少しでも稼いで足しにしたいと当直だらけなのだが、全く問題ないらしい。
曰く、ショートスリーパー以上の特殊体質らしい。
正直、羨ましい。
…睡眠が足りない。
頭が痛い。歩くと足が着地する衝撃が伝わるたびにガンガンと響く。
家を出た時は大丈夫だろうと思ったのだが、読みが甘かった。
鎮痛剤服用判断マニュアルを改定して、痛みレベルの閾値は見直しが必要かもしれない。
吐き気まで出てきて、家で薬を飲まなかったことに本気で後悔していた。
念のためスクールバッグにはアセトアミノフェンのOCT薬を入れてきた(子供でも服用できると書いてあるやつ)。
通学途中にある、昨日不良のいたコンビニで水を買おう。
…と思ったら、その不良が今日もいた。
(勘弁してくれ、今日は相手にしたくない…。)
そう思いながら、結局不良と目があってしまったのであった。




