↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/106

閑話「黑谷ちゃんと母さんの一コマ」

「私の番ですか。……『京言葉、使う側も持て囃す側も粋がりたいだけの馴れ合い』」


「うわ京都出身がこれ言う破壊力……んー……」


「では、さらにコンボを。『遠回しに皮肉を言えていると思っている人間、周囲に恵まれているだけ』」


「んー…………ライフで」


「え、何やってるの? 母さんも、黑谷ちゃんも」


「え、白山くん知らないの? YouTubeで流行ってるんだよ、「世界の真実カードバトル」」


「ダウト、流行ってたら父さん教えてくれるもん」


「駄目ですよ、セイ。あの人にアングラを期待してしまっては。あの人は綺麗な空気しか知りませんから。ましてや今の彼……いえ、彼女はSNSで衆目を集めるそこらのキラキラインフルエンサーと大差ありません。そんな『白山カイト』に、期待は酷です」


「母さんは自分の夫を何だと思ってるの?」


「それは去年の? あるいは数ヶ月前のあの日の私として? それとも今、この瞬間の話ですか?」


「変わったの?」


「はい。主に性的嗜好が」


「わー、アカリさんやっぱヤバイやつだね」


「ええ、あなたの前のヤバイやつですよ」


「黑谷ちゃんが名前呼びしてる……? 仲良くなりすぎでは……?」


「ふふっ、楽しいんです。頭が良くて、少し捻くれていて、茶目っ気があって、それでいて可愛い子と話すのは。まるで私を相手しているみたいで」


「相変わらずなんて自信だ、わたしの母親……」


「ほら、私、哲学専修で博士号持ちじゃないですか。某国立大学で」


「そうらしいね」


「ほら、私、ディベート部で全国獲ったじゃないですか。高校で」


「そうらしいね」


「ほら、私、大喜利でも全国獲ったじゃないですか。5年間くらい」


「そうらしいね」


「ほら、私、美人じゃないですか。セイもアオも綺麗な顔してますし。あ、ちゃんと前のセイも含めてですよ」


「そうだね。……いやほんとに?」


「嘘吐きませんよ、実の娘に」


「せめて息子と……」


「女の子じゃん」


「黑谷ちゃんもそっち側……?」


「ほら、ジェンダーとかいうものに配慮しないといけないじゃないですか。だったら女の子らしく振る舞いたがってるセイとかカイトさんは女性として扱わないと怒られちゃうんですよ」


「そうなんだけどそうじゃなくてね?」


「あ、アカリさん大学だと何してたの? 哲学以外に」


「専ら読書です、推理小説研究会とか。ああ、角島には訪れていないので御安心を」


「いっつも知らないネタ擦ってるんだよね母さん」


「何? 私?」


「自覚あるんだそこ」


「後はネットサーフィンでしょうか。楽しかったんですよね、治安の悪い空間って。いえ、見るだけなら今も楽しいのですが」


「なんでこの人は母親になれてるんだろ……?」


「実の子どもが言うんだ」


「お腹を痛めたから……あ、これは怒られてしまいますね。ですが怒られる前提でお腹を痛めたから、と回答しておきます」


「ねえ私より強くない? これ最強ランキング変わんない? いやレスバ部門なんだけど」


「そもそも黑谷ちゃんレスバ強くないじゃん」


「白山くん?」


「……あ、思い出したので見せておきますね。中3の時の校内大喜利年間1位を決めた解答。これなんですが」


「動画で残ってるの?」


「フォーマットが大喜るすぎでは?」


「『次のお題……こちら! 『すぐに暴力に頼るシャーロック・ホームズ』!』」


「『はい灰月(はいのつき)!』」


「『ファンが「ボーリョキアン」と呼ばれている』」


「ごめんアカリさん苗字のせいで何も入ってこない」


「正直思うよ、婿入りだったらなって」


「羨ましいでしょう? “灰月”。“灰”の“月”」


「名字マウントだ」


「士農工商?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。