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裏21話「恋バナの時間」

「……」


「……何よその顔は」


「いや、これで巨乳とか笑っちゃうなぁ、って」


「マジで手ェ出るわよアンタ」



 なんと、今日も白山くんナシ。


 ふざけないで欲しい。


 何が悲しくてこんな乳だけに限れば白山くんの下位互換みたいな先輩と2人きりでモンハンをしないといけないのだろう。


 いやまあルッキズム的な観点から見ればこの世の大体は白山くんの下位互換なんだけど。



「あ、アメ。尻尾と頭壊しといたから血氣通るわよ」



 ああもうこの先輩大好き。


 白山くんの次くらいに好き。


 なんて有能なんだろう。


 これは飛ぶ鳥落とすトップモデル。



「てかさ、性癖の話なんだけど」


「それ今をときめく売れっ子がしていい話なんですか?」


「いいでしょ別に。ここオフレコだもの」



 まあ全世界公開なんですけどね。



「アンタ、ほんと巨乳好きよね。セイとかいくつよアレ」


「まあ、私にはまだ早いタイプの本の中でも大きめなんじゃないですか? 現実で行けるんですね、あのサイズ」


「……で、アンタ的にはどうなのよ」


「どうってそりゃ、言うことあります? あの顔であの凶器ぶら下げて、私あれ好き放題なんですよ? はっきり言ってニヤケ止まりませんよね」


「よくそんな整ったツラでその文章口に出せるわ……ホント、欲に正直。もはや羨ましいわ」


「いやー、先輩にもこれくらいの口があったら今頃電撃引退だったんでしょうけどねー」


「本気のグーが欲しいのかしら」


「HUNTER×HUNTERの話ですか?」


「誰がキメラアント編よ」



 一旦クエストが終わって、「何飲む?」と冷蔵庫を開ける駕籠野先輩。


 その横顔を見ながら、こんな先輩でも公の場ではプロフェッショナルとしてバリバリやってんだよなぁ、とか考えるとなんだか不思議な気分になる。


 芸能界、芸能界かぁ……



「……あ。先輩、そういえば私聞きたいことあったんですけど」


「何?」


「芸能界の闇ってあります?」


「……アンタ、そんな俗っぽいこと興味あったの?」


「いや、最近推しの子を読み返してたんですけど」


「ああ、そういう……ま、面白くもないけどそれっぽい話ならいくらでも流れてくるわよ。あくまで噂だけど」


「先輩が当事者とかになったりとかは?」


「私? 無いわよ。一応コンプラには気ィ使ってるし、ざ・ん・ね・ん・な・が・ら色情トラブルも一切ナシ。そもそもアタシ、スカウト段階で事務所から蝶よ花よだもの」


「そんななんですか?」


「他は知らないわよ。私がそうだったってだけ。きっと社長がアタシに惚れたのね」


「闇じゃないですか」


「アンタが一番よく分かってるでしょ? 顔が良いってのは最強なのよ。考えてもみなさいな、図書研究部なんてマイナー部活が文化祭の集客トップ3よ? 顔面偏差値でしょ、これ」


「そりゃそうですね。氷室先輩とかも元がめちゃくちゃ美人ですし」



 ……あ、そうだ。



「先輩って両刀だったりします?」


「!? 急に何言い出すのよアンタ!?」


「いや、先輩って氷室先輩めちゃくちゃ好きじゃないですか?」


「そうね、認めざるを得ないわ」


「でも氷室先輩の女装には協力的なわけじゃないですか。……ね?」


「何よそのドヤ顔は。……別に、アイツに一番似合う格好してほしいってだけ。オシャレなんてやりたいようにやればいいんだから。……もしアイツが女の子だったとしても、アイツのこと好きになってたわよ。アタシは女の子とか男の子とかじゃなくて、『氷室イツキ』が好きなの」



 イイハナシダナー……いや本当にいい話寄りか、これ。


 ここは素直に受け止めておこう。


 ツンデレのデレの方だ。



「……で、先輩。本題なんですけど」


「何? まだ話でもあるの?」


「氷室先輩、帰ってきましたよ」


「……あ、えっと、なんていうか、その……ごめ、ちょっと整理してくる……」


「……、……ッ、……〜〜ッッ!! 先に言いなさいよ馬鹿ァァァァッッ!!!!」

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