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閑話「動画」

「最近さ、私ASMRにハマってて」


「何周か遅れてるね」


「ほら、これ」


「なになに……「隣の部屋の巨乳美少女がひたすらあなたを罵ってくれるだけ」「カーストトップのデカパイ同級生の囁き催眠洗脳ボイス」……」


「すごいでしょ」


「随分ニッチというか、都合がいいというか……」


「自分で撮ったんだ」


「!?」


「ほら、白山くんそっくり」


「うわ声真似上手……無駄に多才……」


「拙僧、多才なれば!」


「……てか、黑谷ちゃんって自分の録音聞いて気持ちよくなれるタイプなんだ……」


「ううん、違うよ」


「え、じゃあ……」


「聞いてる間だけね、洗脳が掛かるようになってるんだ。「これは白山くんの声だ」って」


「執着が強すぎる」


「そういう白山くんは何見てるの?普段」


「わたし?わたしは……普通だよ。クイズとか、トリプルバトルとか、大喜利とか……」


「あ、それで思い出した。前回でお義母さんが大喜利強いって話してたけどさ、実際どうなの?」


「あれ、その話黑谷ちゃんにしたっけ?……まあ、父さんに聞いたんだけど、ホントにヤバかったみたいだよ。中高一貫だったんだけど、文化祭で大喜利大会みたいなのがあったんだって。予選からやるタイプのガチのやつ。それ6連覇したらしいよ」


「実質◯カリズムじゃん」


「絵ネタが特にすごかったんだって」


「それもう◯カリズムじゃん」


「演劇部に脚本提供してたんだって」


「◯カリズムが過ぎる」


「ちなみに……あ、あった。これ当時の母さん」


「こんなおっぱいのついたイケメンが大喜利を……っていうか今と同じ顔してない?」


「してるね。髪型が違うくらいじゃない?ウルフカットだし」


「ちなみにお義父さんは?」


「これ。ほら、バニーメイド……あれ、黑谷ちゃんに言い方ってパパとかママじゃ……?」


「あっ」



◇◇◇



「今話飛んだ気がする」


「気のせいじゃない?」


「……あ、そうだ。それで、黑谷ちゃんこそ普段何見てるの?」


「音MADと、トリプルバトルと、意味の分からない解説」


「意味の分からない解説?」


「うん。美術館の強盗事件とか、カルダシェフ・スケールとか」


「ほんとだ、意味分かんない……」


「ちなみに結構いい線いってるよ」


「ああ上位者目線だった」


「上位者だもん」


「っていうか意外。黑谷ちゃんVtuberとか見るタイプだと思ってた」


「意見か?」


「急に黑き太陽谷ちゃんになった」


「まあ実際を言っちゃうと、中の人が見えちゃうから萎えるというか」


「あ〜……」


「あとほら、現実の私の方が顔良いから」


「それかなり最悪な意見だよ黑谷ちゃん。最悪殺されるよ」


「絶対に訴えないので誹謗中傷してください」


「誰に向けてなのそれ?」


「A.お前」


「ああビバよくなかった」

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