新スキルに革命の予感
探索者になって最初の一週間を終えさらに数日後。
僕はあと一日分のデイリーミッション報酬で二つ目のスキルツリー"二足の草鞋"のレベルを上げられるところまで来ていた。
経験値可視化でそれが見えていたため前日からワクワクしていた僕は、日課となっていたその日分の食料の購入とギルドの受付のお姉さまとの会話を朝一で済ませると、そのままの勢いでダンジョンへと突入していた。
そしてサクッと二階層のスケルトンを倒すことでその日のデイリーミッションが完了。
急いでダンジョンから出て安全を確保すると、僕は報酬として獲得した経験値を迷わず二足の草鞋へ割り振った。
それにより、ついに二足の草鞋がLv.2へとレベルアップを果たす。
すかさず、僕はレベルアップによるスキルツリーの変化へと意識を集中させていた。
そしてそのレベルアップによる変化は一目瞭然だった。
「魔装工房……?」
冒険ガイドには既に沢山のスキルがあったが、二足の草鞋にあるスキルは今まで恵みの手一つだけだった。
しかし、レベルアップによってそこにもう一つのスキルが加わっていたのだ。
その名も「魔装工房」。
魔物の素材を加工し、特別な力を持った装備や道具を作るスキルのようだ。
現時点で作れる候補はスケルトン素材を使った武器と防具。
そして特に目を引いたのが、ドローンのような道具。
魔物素材を利用した武器や防具というのは聞いたことがある。
有名なのは現在最強と言われるLv.10の探索者が、Lv.9で九階層を突破できなかった際に魔物素材を使った装備──スキルにならって呼ぶなら魔装──を使うことで突破し、Lv.10に上がったという話だ。
それ以外にも大企業に所属する探索者が魔装により本来のレベル上限の一段階上のレベルまで上げたという話は聞いたことがあった。
そしてもう一つのこのドローンのような道具については、最初は聞いたことがないと思ったがよくよく考えるとそうでもない。
ダンジョン都市には魔物素材の研究の成果とも言える最先端の技術がある。
その代表例がアンドロイドだ。
アンドロイドはAIなどの単なる既存技術の発展系ではなく、ゴーレム系魔物などの素材を研究した成果だという。
このドローンもそれらと同じなのかもしれない。
その証拠にこれは単なるドローンではなく、特殊な力を秘めたものだった。
それはアンドロイドのような汎用的な特殊性ではなかったが、むしろ僕にとって都合の良い、僕の能力に親和した特殊能力だった。
その特殊能力とはなんと、ドローンを通して一部のスキルを発動できる、というものだった。
つまり、今までのようにずっと植物に張り付いて自分で恵みの手をかけ続けなくても、このドローンを通して作物を生育させられるのだ!
なんと革命的な道具であろうか。
これならダンジョンに潜りながらも恵みの手を発動させられるし、例えばこのドローンを複数作成すれば、より広範囲に恵みの手を使えるのではなかろうか。
その先にあるのは大規模かつ自動的な農業。
まあそこまでいったらもうダンジョン都市じゃなくて畑を買ってやれという話だし、今のところ探索者としての楽しみを手放すつもりはないので専業農家になるつもりはないが。
しかし自分は探索者をしつつ、人を雇って八百屋を経営するとかはやってみてもいいかもしれない。
とはいえ現時点では取らぬ狸の皮算用。
魔装を作るのにはそれなりの量の魔物素材が必要だ。
それにドローンも良いが武器や防具にも特殊能力がついているようだ。
一通り作るのにはかなりの素材が必要になる。
運が良いことに、これらを作るのに必要な魔物素材はスケルトン素材のみである。
いや、武器と防具がスケルトン素材を使ったものしか候補に出ていないことから考えると、現在僕が得たことがある素材がスケルトン素材だけだから、それを使って作れる魔装が候補として出てきたと考える方が正しそうだ。
それなら、もっと色々な魔物を倒して素材を獲得すれば作れるラインナップもどんどん増えていくのかもしれない。
だが、今はとにかくこのドローンを作るのが最優先だ。
デイリーミッション分の魔物だけ倒して自家栽培トマトで日銭を稼ぐのも一旦終わりだ。
今日からはドローン用と、できれば武器防具用の素材のためにスケルトンを狩りまくる生活の始まりである。
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スキルツリー:冒険ガイド Lv.3
スキル:デイリーミッション G+
実績 EX
経験値可視化 EX
ウィークリーミッション G+
経験値割振り EX
スキルツリー:二足の草鞋 Lv.2
スキル:恵みの手 G+
魔装工房 G
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