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数学研究部は問題なんて朝飯前:擬素数  作者: 数式舞
数学研究部は問題なんて朝飯前 :擬素数
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第五章:砕けた周波数 (下)

更新がまた遅くなってしまい、申し訳ありません。前の章について、文章を磨き、さらに詳細を加えました。楽しんでいただければ嬉しいですし、数研部部員の旅にお付き合いいただきありがとうございます

決して一致しない二つのリズム。それぞれが永遠に他方を追いかけている。調和のない干渉。


その言葉が如月の唇から静かに零れた。彼女は自分の体を抱きしめ、指を袖の布地に食い込ませ、胸を痛めるほどの寒気に震えていた。


俺の親指は顎に当てられ、人差し指は唇の上で丸まった。


もし周期が互いに素なら、ギャップは小さな繰り返し周期を共有しない。だからタイミングは不規則に見えたり、意図的に間隔を空けているように見えたりする。しかしそれは周期成分間のモジュラ算術と干渉の自然な結果でもあり得る。その意味では、それは意図されたパターンに似ていると言えるが、類似性は意図の証拠ではない。


内田は如月の独白を聞いて、完全に静かに立っていた。私たちは静寂に身を任せ、その日の精神的疲労から冷めていった。三組の目が、夕立の中の学園の遠い灯りに固定され、如月の言葉とそれが示唆する現実の間のギャップを埋めようとする者はいなかった。


短い休憩の後、私たちは後片付けのために実験室に戻った。


機器は正常に動作しているようで、書類や分析レポートのいくつかを再梱包した。内田が私のところに来て、しゃがみ込み、レポートの整理を手伝った。


「あの二つの周波数……決して一致しないその感じ……なんか私と数学部のメンバーみたいじゃない?」


俺は一瞬ためらった。「お前のリズムが、俺たちの残りが止まらないようにしてくれてるんだ」


彼女は微笑むが、その目にはあまり笑みが届いていない。


内田は自分の太ももを叩いた。「よし、行こう」


「……」


ほとんどの資料を梱包し終えると、如月は最後にもう一度メイン端末の前で立ち止まった。彼女はプログラムを閉じず、モニターを低電力状態に暗くした。


「ログを取り続けるのか?」


「真実が表面化するには、建物が空いている必要があります」彼女は振り返らずに廊下へと歩き出した。


高見と如月は完璧なお辞儀を交わし、私たちを見送った。


「改めて、数学研究会の皆様、本当にありがとうございました。皆様の情報を建物のシステムに登録済みです。いつでもお入りください。また明日お会いしましょう」


私たちはゆっくりと部室へと戻っていった。俺の靴下は少し濡れていて、かすかな冷気が靴底から染み込んでくる。


近づくにつれ、部室のドアが開いているのに気づいた。中で星野先生が誰かと話しているのが聞こえる。言葉ははっきりしないが、その声の苛立ちは間違いない。これまで彼女からほとんど聞いたことのないものだった。


私たちはノックをしてから中に入った。


「あら、おかえりなさい。お疲れさま」


部室では彼女たちの警戒心が緩んでいるようだった。星野先生と女子たちの腕が高く伸びていた。


俺は観測を避けようとする粒子のような緊急性をもって視線をそらした。測定しないほうがいい実験もある。それでむせ返りそうになり、今日の作業で頭がまだやられている証拠だと片付けた。


「お疲れさまです、そちらも大変そうですね」


彼女のため息はほとんど囁きだった。彼女は私を見て、女生徒の行動について無言の問いかけで眉を上げた。私は肩をすくめ、静かな合図を送った。彼女は疲労に屈し、机に突っ伏した。


「先生……部活動はまだ終わっていませんよ。気をつけてください、まだ学生が来るかもしれませんから……」


確信のない答えを部室に持ち込んで、俺は書庫へ歩き、赤インクのログブックを手に取った。


「如月、先生。このログブック、週末に持ち帰ります。よろしいですか?」


如月は承認のうなずきをした。「もちろんです……どうぞ大切に扱ってください」


「はいはい、楽しんでね」


「神崎くん、車はもうすぐ到着します」


星野先生がゆっくりと猫背から体を起こした。「もう帰っちゃうの?」


「はい。仕事が待っていますし、如月さんも早めに帰るみたいです」


「ピアノのレッスンと夕食の予定がありますので、今夜は出席できません」


「わかった、気をつけて。また明日」


星野先生の机から離れるとき、机の近くのゴミ箱に捨てられた片頭痛薬のパッケージが目に入った。俺はそっと彼女の肩を叩き、彼女自身の言葉をささやいた。「やりすぎないでね。休養も大事だから、いい?」


彼女は頬を赤らめ、いたずらっぽい笑みを浮かべ、片手を首に当てた。「マッサージしてくれるのかと思ったのに」


「また明日」手を振って如月のところへ歩いた。


如月は残った部員たちとお辞儀をした。部室を出るとき、何人かの学生が部室に入っていくのが見えた。おそらくチュートリアルのためだろう。内田が先生に数学の指導を求めている声もぼんやりと聞こえた。


「お二人はとても仲が良いのですね」


「え? 星野先生と俺が?」


如月はうなずいた。


「そうかな? まあ、彼女は俺のスポンサーであり姉みたいなものだ」


「そうですか。私もあんな姉がいたらいいなと思います」


歩いていると、入口近くの掲示板に目が留まった。学園の今後のイベントを宣伝するポスターが貼られていた。キャリアトーク、科学博覧会、コンテスト、生徒会選挙。そこでもう一度、見覚えのある名前が目に留まった。桜井弘樹、生徒会副会長候補。


この時間帯と悪天候にもかかわらず、学園はとても賑わっていた。不安定な天候の中、学園は学生を近くの交通ハブまで送るシャトルバスを手配していた。私たちは学園入り口近くの車両降車エリアに到着した。一分ほど経つと、目を引くピアノブラックの長い車が正門に近づいてきた。磨き上げられたクロムエンブレムが皆の注目を集めた。


如月がそっと言った。「お待たせして申し訳ありません。車が到着しました」


車はプロフェッショナルに駐車し、運転手が降りた。如月の鞄を受け取り、彼女が乗車するのを最大限の効率で介助した。俺はそこに立ち尽くし、車の美しさをただ鑑賞していた。星野先生の車と同じように、どこか威圧的な雰囲気があった。如月が乗るよう合図し、運転手は俺の荷物を受け取ろうと申し出て、主張した。車に乗り込むと、ドアは自動で静かに閉まった。すべての騒音が突然消え去り、革と高級感の強い香りが俺の感覚を圧倒した。


天井を見上げて、「如月、車の中に個人用の天体観測所があるんだな」


彼女は俺の視線を追った。「まあ、この星たちが願いを叶えてくれればいいのですが」


俺はLEDを見た。それは完璧に配置され、天球を模倣するように並べられていた。革、ハイエンドの回路、そしてプログラムされた世界の中で回路基板の上で願い事をする如月。星でさえ製造される世界の中で。彼女は雨に洗われた宇治の通りを外を見た。抹茶アイスクリーム屋さんのビニールシェルターの下に集まり、笑い、震える学生たちの群れを通り過ぎた。


「如月、兄弟はいるのか?」


「はい、兄が二人と姉が一人います」


上級学年に他の如月を見た記憶はない。おそらくずっと年上だろう。


「神崎くんは一人っ子ですか?」


「ああ、まさに希ガスだな。自分の電子殻で満足している」


小さな笑い声が彼女から漏れた。「あなたはハロゲンに近いと思いますよ。反応性が高く、電子を引き寄せる」


「もし俺がハロゲンなら、君はもっとそうだ。周りの皆から電子を奪いながら、まだ中性のふりをしている」


如月が眉を上げた。


「失礼ですか? 私は静かに座って、自分のことに集中している方ですよ。あなたはあちこちで反応を引き起こしているのに」


「部屋に入るだけで全員の軌道を変えてしまうのは、俺じゃない。君が前に立つと実験室全体を再配置するんだ。人々は文字通り認識をシフトさせた」


彼女は窓の外を見て、半分微笑み、半分苛立っていた。彼女の手は膝の上に置かれていた。


濃い色のガラスの反射の中で、運転手の目がバックミラーで私たちの方に向いているのを捉えた。


「ところで、実験室のあの周波数。君にとって何か意味があったのか?」


彼女は長い間沈黙していた。


「私たちの部にいた女の子がいたんです」彼女の声はかすかな囁きだった。「その子は整数論が大好きで」


「トロフィー棚で君の隣に写っている写真の女の子か?」


彼女は苦い笑みを浮かべて私の方に向き直った。「どうやら幻覚を見ているだけのようです……」


そして俺は、初めて部室に行った日から抱えていた質問をした。


「彼女に何があったんだ?」


如月は手を上げ、手のひらを開いてそれらを見つめた。


「私にもわかりません。それが一番辛いところです。彼女はそこにいたのに、いなくなった。そしてなぜか尋ねる機会がありませんでした。調べようとしましたが、すべてが消えてしまいました」彼女は強い握りで手のひらを閉じた。


私たちは残りの道のりを無言で過ごした。不快ではなかった。


—


運転手が慎重に車を駐車し、降りてそっと私のためにドアを開けた。


「神崎くん、今夜も雨は続きそうです。傘をお持ちください」


運転手がドアパネルからいつの間にか傘を取り出した。


「ありがとう、如月。また明日」彼女に手を振った。


彼女はうなずき、ドアはゆっくりと閉まり、彼女を世界から隔離した。


運転手はトランクに移動し、容易に荷物を取り出し、傘と鞄を私に返した。


「久しぶりにお嬁様がこんなにおしゃべりなのを目にしました。どうか引き続きお嬁様とお付き合いいただけますようお願い申し上げます。ありがとうございました。どうぞお気をつけて」彼は正確な45度の深いお辞儀をしてから業務に戻った。


車は雨の中へと滑り込み、そのテールランプは次第に主要道路の流れに溶け込んでいった。忙しい通りに飲み込まれ、車が前方の周囲の光と一体化するまで、それは焦点の点であり続けた。


診療所のオフィスは、鋭い消毒液とホルマリンの香りで俺を引き寄せた。傘が空の傘立てに静かなカチッという音を立てて滑り込み、ガラスのドアは軽く押すと開いた。頭上で小さな金属の鐘が鳴った。


オフィスの奥からかすかな声が漂ってきた。


「おや、早くも私の孤独を侵す者がいるな。十五分三十二秒も早い。お前は死にかけているか、それとも私の丹精込めた隔離に全く敬意を払っていないかどっちかだな」


「本間先生、ただあなたに会いたくて十五分も早く来たんです」


彼女は書類の壁の後ろから現れ、その声はより明瞭になった。


「もし腐敗した有機物の匂いが気にならなければ、いつでも残業していいよ」


「全然。あなたのために全部数字を処理しますよ。それで、今日のメニューは何ですか?」


俺は棚から白衣と安全メガネを取り出し、慎重に着用した。消毒エリアへ向かい、指と手を注意深く洗い、丁寧に消毒した。


「今、食欲はどうだ? しっかり洗われるのを待っている実験器具と、手懐ける必要がある手に負えないデータがあるんだが」


「実は、まず器具をすすぎます。今日は学校からのデータで頭がいっぱいで……データから少し休憩します」浸し、こすり、超音波洗浄。単調な作業に静かな満足感があった。特に長い一日の後には。


「ありがとう。ところで、神崎、新しい学校生活はどうだ? 恋愛話とかあるか?」


彼女の声はパントリーの方へ歩きながら消えていった。


はあ? アイザック・ニュートン卿への愛を聞きたいか?


「まあまあですよ。星野先生に忙しくさせられてます」


彼女はくすくす笑い、付け加えた。「映奈によろしく。彼女はいつも事を面白くするからね。他には?」


「そうでしょう? 彼女には飽きることがありませんよ、映奈は飽きないわ」


「そうだな……夏に香港に行くことになると思います」


「もう夏休みの計画を?」


「数学オリンピックです。仕事のスケジュールは調整しますから、心配しないで」


彼女の声は次第に近づいてきた。


「本間先生はどうですか? そちらの調子は?」


「腐乱死体の処理と、裁判所に行って、大学でいくつか講義をしてる。相変わらずだよ。今年のボディ・カウントは377人に増えた」


「忙しいですね……最初の六つの素数の二乗の和であり、14番目のフィボナッチ数でもあります」


「それは良い知らせだ。どういうわけか、腐敗でさえパターンに従うと思うと慰めになるな……私の恋愛歴とは違って」


「神崎、ところでデータの話だが、死後経過時間のデータだ。様々な環境条件下での細胞分解に基づく推定値だ。分解速度と回帰モデルで踊れると思うか?」


「ああ、問題ない。あなた、まだそのデータを掃除してないんだろ」


彼女はくすくす笑った。「ありがとう、神崎。だからこそ君が必要なんだ。ご褒美だ」


彼女は私にお茶のカップを差し出した。その魅力的な甘い香りが優しく立ち上る。俺はPPEを外し、両手でそれを受け取り、感謝の気持ちを込めて少しお辞儀をした。カップを時計回りに二回回し、少しすすった。心地よい温かさを味わいながら。


「私のオリジナルブレンドよ。シナモンとレモンのルイボスティー。酸化ストレスと戦い、ストレス管理を助ける。消化器系を落ち着かせるのに最適だ」


「ありがとうございます。素晴らしい香りです」


私たちは実験室のスツールに腰を下ろした。


柑橘系の香りは爽やかで、スパイスは心地よく、癒しの甘さと完璧に調和していた。


俺は息を吐き、肩の力を抜いた。それがもたらす心地よさに驚いた。


本間先生は足を組み、片方のスリッパをぶらぶらさせていた。彼女の肘は膝の上に置かれ、顎は手のひらに乗せられ、前傾姿勢になった。彼女の視線は強く集中し、遊び心のある悪戯っぽい笑みが唇の端に浮かんでいた。彼女はもう一度尋ねた。「それで、新しい学校はどうなんだ?」


深く息を吸い、お茶をすすって自分を落ち着かせた。「ちょっと長くなるかもしれません。まだやるべきことがたくさんありますから」


彼女は私を見て、悪戯っぽく笑った。「仕事はいつだってあるさ。私たちの時間は限られている。耳を貸すよ」


俺は図書館の書庫で発見した星野先生と部員たちについて話し始めた。


彼女は私が続けるのを注意深く聞いた。工学部の実験室での出来事を詳しく語り、私たちの計画を概説した。


「すみません……聞いてくれてありがとうございます」


彼女は微笑んだ。「気にするな。心の中に溜め込むなよ」


「なんか魔法みたいです。すごく楽になりました」


「そのお茶にはアスパラチンとノトファギンが含まれている」


私たちは同調して続けた。


「コルチゾールを減らす。ストレスと不安を下げる」


一瞬の柔らかい笑い声が診察室を満たした。


「映奈とあなたの部員たちにもブレンドを作ってあげる。届けてくれるか?」


「もちろんです。ありがとうございます……」


「大したことじゃない。映奈は何でも自分だけで抱え込む傾向があるからな……彼女を見守ってやってくれ」


俺は器具を洗い続け、本間先生は私たちのためにより多くの茶のブレンドを準備しに行った。彼女は様々なスパイスと乾燥レモンを丁寧に挽いていた。


「先生、参考までに。なぜこの職業を選んだのですか?」


彼女は少し考え込んだ。「死者は嘘をつかない。すべての真実の始まり。彼らは生きている者の間に絡まった真実を残しているんだ」


—


俺はデータのクリーニングに集中した。証拠からノイズを取り除き、数字が静かに落ち着くまで磨き上げた。不浄観を実践するのに完璧な瞬間だった。世界から「金と紙」を剥ぎ取り、骨そのものを見つめるために。


死後、細胞が分解されるとき、その分解は物語を語る。温度、湿度、微生物、昆虫の活動というパラメータによって語られる。それぞれの要因が、生命が肉体を離れてからどれだけの時間が経過したかの秘密を明かす。


乱雑なデータを注意深く整え、ノイズを除去することで、私たちは数学的モデルを適用して死後経過時間を推定する。私たちの科学が許す限りの精度で。このプロセスは、経験的なものでありながら、無常についての瞑想となる。


私たちは腐敗の五段階を認識している。新鮮、膨張、活動的腐敗、高度な腐敗、骨格化。しかしこれらの段階間の移行は決して絶対的ではない。それらは私たちの制御を超えた無数の変数に応じて変化し、人生の予測不可能な干満を映し出す。


腐敗を研究する中で、私たちは避けられない変化のサイクルと向き合う。生きた身体が時間と状況とともに変化するように、死もまた意味の層を展開しながら進む。表面の下ではすべてが繋がっており、何も時間の通過の影響を受けないのだと私たちに思い出させる。


そして数学から逃れられると思っている人のために……悪いが、残念ながら死に際しても、数学が最後の言葉を握っている。


本間先生は自分の仕事に忙しかった。オフィスは静かで目的意識に満ちていた。生産性が最大限に発揮されていた。俺のタイピング音と、本間先生の時折のページをめくる音で満たされていた。


気づかないうちに時間は過ぎ、23時05分。


「もうすぐ深夜だ。そろそろ帰らないと」俺は体を伸ばした。


本間先生も時計を確認し、同じく体を伸ばした。


「今夜は私のところに泊まらないか?」


「よろしいんですか?」


「なぜダメなんだ? 初めてじゃないだろ」彼女はポケットを探った。


「神崎、受け取れ」


俺は受け取り、手のひらの重さを感じた。彼女のアパートの鍵だった。


「持っていなさい。スペアだ」彼女は微笑んだ。


彼女の家は診療所のすぐ上にある。とても便利だった。


「ここは全部私が片付けるから。さあ、リラックスして、くつろいでくれ。タオルと服は前と同じ場所にあるよ。すぐに食事を準備する。何か欲しいものはあるか?」


「簡単なもので。学校を出る前に寿司パーティーでたくさん食べたので。それに、みんな疲れてますから」


彼女は承認のジェスチャーをし、俺は二階へ向かった。ドアが閉まると、鐘がもう一度柔らかく鳴った。


家に入ると、清潔で新鮮な香りが迎えた。シンプルなアパートで、大きな本棚と隅にいくつかの植物があった。靴を脱ぐと、入り口に新しいスリッパが置いてあるのにすぐに気づいた。


俺はシャワーに向かい、身を清めた。それから彼女の大きめのシャツとズボンに着替えた。シャツにはゴスバニーの絵が描かれていた。彼女のイメージとは奇妙な対照だった。煮込む食べ物の香りが徐々に空中に漂ってきた。


彼女は部屋着に着替えていた。シンプルなショートパンツと同じバニーのプリントのTシャツ。彼女の背中は無防備で、気楽なスタイルで料理をするときに光を捉えた。星野先生がどこから影響を受けたのか、私には明らかだった。


「早いね。すぐに夕食ができるよ。快適か?」


「ああ、調整可能な水圧はまさに天国だ。交代しないか? あなたもシャワーに行って」


「いいね。後は任せた。ほとんど残り物だけど」


「わかった」


曇りガラスのドア越しに、彼女の影がかすかに踊っていた。温かい光の中に残る繊細なシルエット。


俺はキッチンに目を戻した。


料理は少し焦げていた……それでもいい匂いがした。


強いて言うなら、星野先生と本間先生はスモークパプリカとカイエンペッパーのような存在だった。


全部を片付け終えると、本間先生は自分のベッドに横になり、タブレットでWebMDを読んでいた。俺は布団に沈み込み、赤インクのログブックを開き、証明と内容を注意深く調べた。ページをめくるたびに、すぐに如月の筆跡だとわかった。彼女の特徴的な筆跡と問題解決スタイルが、ログブックの最初の四分の一を占めていた。いくつかの逸話もあり、無邪気なほどだった。まるで学校の日記のようだった。日付が正しければ、如月は当時十一歳か十二歳だったはずだ。


#2 卒業生の星野先輩が、特待生枠の少女を一人連れてきた。今朝、その子と話をした。名前は雪村由希子。整数論に強い関心を示している。彼女は、私が思考を走らせる手元をじっと見つめていた。



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