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めんへら  作者: 津島時雨
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救い

六年生になったとき、俺に、親友が三人できた。


一人目は清水明菜。幼稚園の頃からのもう一人の幼なじみだ。近くにいると、なぜかひどく安心する。心が綺麗なやつで、心が洗濯された気になってしまう。


二人目は中川雪音。こいつとは六年生後半から仲良くなった。同じアニメが好きなのと、うちの学校は特殊で、六年生は十一月から部活に入れるのだが、そこで同じ吹奏楽に入ったのが決め手だった。うちの学校は人数が少なくクラス替えも無いため話はしていたがそれほど仲良くもなかった。


三人目は諏訪部祐吾。諏訪部は昔からそれなりに仲は良かった。いろんなことを話したり、教えあったりしてきた仲で、今では家族より信頼している。この三人は、俺の心の救世主になった。この三人の前なら、ほんの少し、本当の自分を出せたからだ。


六年生になり少しした頃、自分は、太宰治の「人間失格」を呼んだ。これ程までに自分の人生を魅せて見せられるなんて、と思った衝撃を今でも忘れない。この作品は、自分が本当になりたい職業を決める事になった作品で、大袈裟じゃなく、自分の人生を変えてくれた。


それからはいろいろな本を読んだ。小説だけではなく、詩なんかも読んだりした。どれも面白かった。が、しかし、最後に行き着くのは、やはり、太宰治であった。


この年の自殺を図った回数はたったの一回。薬を大量に飲んだ。しかし、吐くだけ苦しく、もうしたくないと思った。それは六月の手前。そこから一ヶ月後、修学旅行に行った。


修学旅行では、寝る部屋は幸運な事に雪音、そして、さほど嬉しくもない愛依であった。それまではとても楽しかったのに、その部屋割りで最悪な気分になった。


それからは先生が気持ち悪い、という以外、何も起こらなかった。先生が気持ち悪い、というのは、女子にものを教えるときは、後ろからハグするような形で教えてきたり、臭かったり、色々な理由だ。つくづく先生運が悪い。まだ前の先生の方がマシだった。(その先生は苦情が来すぎたため、一年生の担任に回されていた。)


時は流れ、自分は吹奏楽に入った。ここで雪音と意気投合。仲良くなった。明菜も吹奏楽、諏訪部は小学校からやっていた野球に。


吹奏楽には自分を含め五人入った。自分テナーサックス、明菜は体が大きいのでチューバ、雪音はフルート。残りの二人、雅はクラリネット、圭子はトロンボーン。


圭子は嫌われていて、自分も嫌いでした。なぜかその楽器のマウントをとってくるのだ。やれ、こっちの方が難しい、だの、木管楽器は金管楽器より簡単、だの。


二月頃だろうか。転校生がもう少しで来る、と噂が立った。引っ越し業者が団地にいたのをその後見たから、それはデマでは無さそうだ。隣町から引っ越してくるらしいが、何か事情でもあるのか。


そう考える日々を過ごしているうちに、いつのまにか終了証書が手の中にあった。あぁ、今日は修了式だ。私はようやく中学生になり、姉は県外の大学へ行く。比べられることも減るかも、そう思うと胸が軽くなった。


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