ジュラとの出会い(後編)
そしてあたしは、再びジュラの前に
「また懲りずに来たか」
「はい……でも、手ぶらで頼み事をするなんて悪いからお土産を……きっと気に入って、仲間になってくれると思う」
「ほう、我を物でつろうとは、しゃれた事をぬかしおるわ、で、何を持ってきた」
ねこじゃらし(大人用のほうき、より少し長い)
「我は獅子だ……そのような物で……(さすがはネコ科、みごとひっかかっている)……いかんせん狩猟本能が……だが獅子は猫じゃらしを掴む(兎を狩る)にも全力を尽くすというだろ……ほれ、こんな物!」
つけね部分を右手の爪で突きさすと、どんなもんだと笑みを浮かべ
「こうしてくれるわ!」と左手の爪で切り裂き……ブラシ部分をつまみあげ
「さて、次は何かな~?」
得意気に、目の前で揺らすジュラにあたしは、床を指さし声をあげ
「あれはなんだ!」
視線が向いた瞬間『赤点飛ばし起動』……床に赤い点が映りジュラを翻弄させ……頃合いをみたあたしは、点を自分の足元に移動させ、消し、得意気に宣言する
「ほら、ひれ伏させた……あたしの勝ちね」
「うむ」
最後の決め手はマタタビ
「純粋な力では、お前は我に勝てぬゆえ……仲間にはなってやる……しかし、ミドルニアには、同族や、友であるイツキ、ベリハが居るだから……殺したり、大怪我を負わせたりしない……お前にもこれは守ってもらう……たがえた時は、命をもってむくいよ」
「もちろん」
「ほう、即答とは流石、静江の娘よ」
「だってあたしにも、向こうに千世って友達が居る」
「お前に……いや狂子に付いて行こう……イージスに戻るのであろう」
「うん、助かるよ」
「しかし、いやいやどうして……そのギルドマスター……ふ……迷わず我を誘えとは、見る目があるな……まあ、誘いたい本命は間違いなく『鬼族』だろう」
鼻で笑うジュラに(また出たよ貴族)初耳っぽく質問してみる。
「貴族、この世界にもいるんだ……で『まろ』とか『おじゃる』って言うの?」
「いや、彼女は自身を『わて』と言っている……で、我の様な異種族を連れていない限り、まず人間には会おうとせん不思議な性格をしている……ま、会えば分かることだ……それより……ミケ、ミケは居るか⁈」
ジュラの声に、ミケが飛び込んできた。
「はいここニャ」
「うん、お前は見た目に寄らずここで一番のふるかぶ……頼もしい右手だ……我はしばらく留守になるゆえ、その間、店の経営をお前にまかすが、良いか」
「はい……失礼を承知で、狂子さんとの話、聞いてましたニャ……無事ニャるお帰りを、待ってますニャ」
「うむ」
そして、店の出入り口に立ったジュラは……店内で働く(たたかう)獣人たちに聞こえる声で
「みなすまない、用事が出来た、我が帰るまで、ミケに従ってくれ……行ってくる」
背を向ける彼女を押すように
「「「行ってっらっしゃいませ……獣王様!」」」




