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ベリハの親善訪問(後編)

陽光に白く輝く大広間、両サイドには、槍や剣を持った近衛兵が並び、その中央を玉座までのびる長いレッドカーペットの上をゆうぜんとと歩くイツキ、

一歩下がって次女のように頭を下げるべリハ、周囲に目をやる千世……とイツキは立ち止まりひざを折りお辞儀をする


「お久しぶりです、チャラ王子」

「十二年ぶりでしょうか、べリハ女王。噂にたがわぬ、いやそれ以上に美しくなられて……ぼくの国に嫁いでくるのが今から楽しみだ」

「おほめいただき恐縮です……しかし、王女『おばうえ』のお姿が見えませんが」


「妃は、政務をしており……めったに顔を出さん。いぜんにこの国で女が玉座に立とうなどありえん」

と国王パトリスが口を挟む

聞いた事がある。イージス王国は、時代遅れにも男尊女卑社会らしい……中略……と愚かな考えを持つ者もいるという


「残念です」

「残念と言えば僕こそ、君の父、国王『おじさん』は来れなかったのですか?」


「はい。来れるはずありません」

「それはなぜ(まさかこの国を馬鹿にしている)」

「十年前に起きた火山噴火をしずめるため、国王、女王そろって生贄となったので」

「初耳だ。ほんとか」

『真実です、現にそれ以来外交など全ては元老院が行っておるようで。女王はまだ見習い』小声で話す大臣に一瞬渋い顔をするが、すぐに嘲笑

「本当のようですね。しかし生贄とは……ミドルニアは、まだそんなまじないや呪いといった『おとぎ話』を信じてるのですね」



「は⁈ その、国王はあなたの叔父でもあるのですよ。悲しくはないのですか」


「悲しい? あ、たしかに残念には思います。ですが、すでに死んでるんですよね、死者に興味などありません」

あっけらかんと答える王子に呆れて開いた口が閉じないイツキがふと後ろに目をやると、親の死を軽んじられ歯を食いしばり怒りをこらえるベリハ



とイツキとべリハがアイコンタクトを取り

「やってらんないわ! あんた眼力以上に人間性、無いぞ」

声をあげ王子を睨みつける

「無礼な! 女王、今の言葉訂正しろ」


思わず頭を下げようとするイツキの前に飛び出したべリハが声を出す

「頭など下げるな」

「「なんと!」」

声をそろえ驚く国王と王子を見上げ、笑うべリハ


「ははは、驚くでない。なんせこやつはよの護衛で。爵位すら持っておらん…………改めて。久しいな王子、よこそミドルニア女王、ミドルニア・イルネス・ベリハである」

「嘘をつくな、ぼくを馬鹿にしているのか」 

「それはこちらの台詞だ……先ほどお主は、よの護衛に向かって『噂にたがわぬ』とかぬかしたな。ではその噂とやら、言ってみよ」


「いいよ……風になびく長い銀髪と、ルビーの如く赤い瞳……そしておうへいな言動を反省しているような、十八とは思えぬ少女の如くつつましい胸」


「ふふ、最後ひとこと余計だが……よを見よ」

髪止めを外し、先頭に立ったべリハは、噂の赤い瞳が良く見えるよう、チャラを睨んだ












「確かに、いやしかし」

「まだ納得いかぬか……ではまず、両脇に居る二人はが、よの護衛である証明を……イツキ、千世、親善の場で不粋な物を持つあの者らにバツを」

と両手を広げ、並ぶ近衛兵を指さしなぞり……指パッチン


それと同時に、イツキと千世の姿が数秒消え…………再びべリハの両脇に立つ彼女達はペンを持っている、戸惑い身構える近衛のうなじににはインクでバツ印が


「信じてもらえたかね……この一瞬でこの部屋の近衛は死んでいる」


「さすがは、最強の暗殺集団、その強さは今も健在という事ですか……で姫である証拠は」

「ほれ」





少しけだるそうに返事をしたべリハは、右手を上げ頭上に円をえがくと、魔法陣が浮かんだ次の瞬間、そこから甲高い咆哮とともに、アストラルワークスでつくられた、

腹が氷で他が炎の巨大な怪鳥が姿を現した



「おお」感嘆の声を上げ立ち上がる国王に、気を良くしたのかべリハは笑みを浮かべ「行け」ともう一度、ひときわ大きく円をえがくと

怪鳥は羽のように火花を散らしながらゆうぜんと玉座の間を一周





「「化け物、王を守れ!」」近衛兵達は声を上げ、国王を後ろに下がらせるなり、いっせいに抜刀し槍を構え、ベリハいっこうを取り囲む


ビギナと狂子が、ベリハを守ろうと、近衛兵に向かい身構える


「国王様、彼らに武器を下げるよう命令してください」

「べリハ女王は親善に来てるのです」

「黙れ黙れ! このような力を見せつけられ、黙っておれるか」


(ごもっとも)と言葉を失い、複雑な表情で固まる二人

一触即発と言った雰囲気だが、ベリハ、イツキ、千世の三人は動じない……むしろ周囲を馬鹿にしている





「はっ、死体が動くな」

「落ち着いてください」




「ふふふ、よもまだ子供か、ちとはしゃしすぎたわ……だがお主、まるで小鳥の様な心臓だな、可愛いの、これで一国の王子だとは、笑わせる……

ま、力関係が分かってもらえたところでそ相談だ……いかんせんよの国には、国王と王女が居ないのだ、だからお主よ王子などやめて、よの国へ種馬になりに来ぬか」



『女を、よの国をバカにするな』と言わんばかりに、声を上げて笑う



「そんなことをしたら、ぼくの国が、跡取りが」



「それこそ問題なかろう、お主の国では女は子供を産むための道具でしかないのであろう、国王が存命なのだから、その種でまた産ませればいいだけの事」


「知らないとは言わせないぞ、母上は君の国出身……つまり」


「黙れそれ以上言うな……血族を道具扱いされて心穏やかでい続けられるほど、よは大人ではない」


「では君が僕の国に来てくれたら、ぼくが両国を」


「はっ、道具扱いしている女一人に政治を任せておる、お主如き無能がこの先二国を治められぬとは思えぬし、世の国がお前に治められると考えただけでも反吐が、いや殺意がわくわ」


王子を睨みつけるべリハに呼応するように、イツキと千世が臨戦態勢になる

「ぐううう」

唸るだけで返答しない王子を見て(だめだこりゃ)ため息を漏らしたべリハは譲歩案を出す


「では今世代だけ。すまぬが『お互い自国民を一人、相手国へ伴侶として送りあう』というのはいかがだろう……承知してくれると、短気な元老院を黙らせ、事を荒立てず、すんなりいくので助かる」


「うむ……ま前向きに善処、検討しておこう……だが一つ、知っているとは思うが、我が国は異種族を嫌っておるゆえ……貴国の伴侶も人族、人間であることを願う」


「よも、そのくらい分かっておるわ」




すいませんここからは雑になりますが……加筆予定です

調印式を終えて

「譲歩してくれて助かった」

「いえ、これはまだ仮契約といったところです……ですがこれからも友好的国交を」

「無論」

「王女よ、この後のご予定は」


「ああ、今すぐこんな場所からおさらばして、明日の夕刻まで、この者達(ビギナ、狂子)と城下を散策させてもらおうと思う。ではな!」


スカートをひるがえし回れ右をし、退場しようとするべリハ


『負けたままじゃいられない』と思ったのか、王子が立ち上がり声をあげる

「お待ちください」

「なんだ、よはこの者たちとギルドで夕飯を共にする」

「はいまさに夕飯(その)事で。向こうの広間に晩餐の準備ができております」

「くだらん」(王子とは食べたくない)

「山ではとれない魚料理が沢山」

「バカにするな川魚がある」

「いえいえ川では獲れない、タコ、イカなど……ブロマイドのプロフィール読ませていただきました『触手』お好きなんですよね?」

「う。うむ」べリハ渋い顔でうなずく(こいつと顔をあわせて食事は嫌だが。触手)

「酒やスイーツ」イツキに千世、狂子(そこまで言うのなら)ビギナ(皆の意見に従う)


食事風景

長方形のテーブルに、対面状態で並べられた椅子三脚。名札(プレート)は無いが作りからして誰がどこに座るかは一目瞭然

何を思ったのかべリハは普通(イツキと千世用)の椅子に座り

「千世、イツキ、度胸があるなら隅にある悪趣味な椅子に座わってみせよ」

「どうやら座るのは千世。お前みたいだな……ほら見ろ真ん中の席には酒瓶が並べられている」


結果……王子と千世。イツキとビギナ。べリハと狂子が対面して座る


多種類並ぶナイフ、ホーク(どう使えばいいんだ?)外側から使うのが正解

国王、王子はそろって正解

狂子とイツキは手になじむ物以外はよけてそれぞれ一つずつ

それを見た王子は勝ち誇ったようにべリハを見てビッリ

元老院に叩きこまれたおかげで、完璧なテーブルマナー

千世とビギナは見よう見まね、ぎこちないが。正解



「互いの国からきさきとなる者を選ぶさい、参考ばかりにに王子よ。よ達三人の中ではだれがお好みかな」

「お恥ずかしながら俺は胸の大きな女性が好みで」

「は! それを聞いて安心した。まずよではないようだ。とすれば」

「イツキさん」

「このようなじゃじゃ馬を」

「むしろそこが良い。は向うじゃじゃ馬を手なずけ支配した時の喜び」








「じゃあ、ぼくの城に泊まると良いよ」


「おむ……であれば、先程(さきに)言った事『お主のお母上に会わせろ』をかなえてくれるのであれば」


「それは遠慮願おう」

「国王、よの血族に会おうというのだ、なぜ止める」

「わが国の極秘情報などを知られるかも」

「だと思ったわ……では、失礼する」(ガタイのわりに、なんと肝の小さな男よ)


そして……城を出て、城下町散策、ギルドに宿泊(当然、全員びっくりする)

ギルドのドアが開く

「おかえりビギナ、狂子ちゃん」

「お久しぶりです、サラさん」

「お。本当久しぶりじゃないイツキに、こんばんわ千世ちゃん」

「こんばんわ」

「どしたんだい四人とも入口に固まって」


「いや。ちょっと厄介なヤツを連れて来たっていうか。ついて来たっていうか」

「厄介とは」べリハ登場


夜は女同士で狂子の部屋に寝る

「千世、イツキ、狂子よ、四人で寝るぞ」

「そういうことで、イツキさん。今回こそあたしのベッドで寝てくださいね」

「おう」

「確かに広いベッドですが、四人一緒はきついのでは?」

「言われると……そうだ」

そばにあるベッドをくっつけて、窓側から千世、べリハ、イツキ、狂子の順で寝る

イツキは、枕に顔をうずめ静江の残り香をたんのうしている

眺めている狂子(かわいい)と心を許した瞬間に、抱きつかれる


早朝訓練。イツキと千世

たがいに頭や肩に手をのせ相手を飛び越え背後をとるなど平地ですら立体的な動きを見せる






そして、帰国……例のごとく王子たちは見送りに来ない

「気球を膨らませるのに木を燃やすのはもったいない……よがおるのだぞ」

「しかし」

「ええい! よの見せ場を奪うつもりか」

「それではお願いします」

「うむ」巨大な火の玉を出し、一気に気球を膨らませ、少し離水しホバリング


「それでは皆の者、さらばだ」一気に火の玉を大きくし、急上昇

読んでいただき、ありがとうございます。

『オタク系女子中学生が異世界転移⁈ 狂子のお気楽ファンタジー』

第二十一部『ベリハの親善訪問』

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by.メガネ君(作者)

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