元の世界に帰還(後編)(千世)
ところ変わって、ここは『中二寺』本堂に隣接する暗木家(自宅)。
千世の自室中央に敷かれた魔法陣が書かれた布から出た煙が部屋をおおい……そこから千世が現れた。
という事で狂子同様、ここかからは視点を千世に交代しよう。
目を開けると……机の上で転がっている頭蓋骨と目が合い、一瞬びっくりしましたが、すぐに思い出し(戻ってきたんだ)と安堵した表情で挨拶する。
「ただいま、お母さん……異世界で学んだ『洗顔方法』でお顔をきれいにして、ちょっと整理してから、たくさんお話ししたいんですがもうこんな時間なので寝ますね」
浴室。私にとって数日ぶりの実家に湯舟ですが、元の世界にとっては数分前の事……そのおかげで湯は温かく、母さんに冷たい思いをさせずに済みました。
そしてタオルで包んだ母さんをベッドの上に置き、模様替えを始めると……その物音に誘われ、現世がドアをノックし現れ、目が合った……さきも言ったように私には数日ぶり、ですが現世にとっては数分前の事だ。
決意し、隠し事を告白したものの……娘に、家族にあんなきつい態度をとられた、ショックからまだ立ち直れず……無言で入り口に立つ現世
そんな彼に、私は優しく声をかける。
「たたいま、お爺さん……ありがとう……あなたのおかげで、向こうの世界で、すぐ衣食住と働き場所が見つかり……狂子ちゃんとも会えました」
「おかえり。それは、ど、どういたしまして、てじゃ」
言葉に詰まるおじいさん
「お爺さん」
「い、いや……それと見るに、ま、どうやら。ずいぶん異世界を楽しんでいるようじゃな」
お爺さんが指さす姿見に目をやりて慌てる
(猫耳猫しっぽ短剣装備したまま)
私の心の声にさんだゆう(デバイス)が笑い出す
『ははは! いきなり家族が、猫耳猫しっぽつけて、平然と帰ってきたらこうなるわな』
(……)
『すまん、笑いすぎやな……そういやこのあいだ同期した時、ナビさんからええ機能もらいましてん、その名も『弁当イン』いや『ベン弁当』いやまあ道具袋みたいなもんで』
(『インベント』ですか)
『そ。それですわ』
などと、さんだゆうから『インベント』の出し入れを学び実践。
猫耳などが消えて一安心し、私も現世も一呼吸。
「うむ気をとりなおして……おかえり。異世界は楽しかったかい……部屋の模様替え、手伝おうか?」
「お願いします。では魔法人を中心に、ベッドと机はそのまま、タンスを部屋の入口正面に運んでください」
「ああお安い御用だ……それに明日も学校だ……これが終わったらもう寝なさい」
「はい」
数分後……
「ありがとう……おやすみなさい、お爺さん」
「ああ、おやすみ千世」
現世を見送った私は早速、タンスの上にクッションを敷き母さんを置いては、引き出した缶ジュースと菓子をお供えして……ベッドで横になる。
「おやすみなさい。母さん」




