新たな一日(後編)(千世)
私達は屋根から路地裏に飛び降り……工業地帯を抜け……家路を行く人たち(ドワーフ率高い)にまざり、山の坂道を登っていると……小手の水晶が光り、頭でべリハ様の声が響く。
『千世よ、遅いぞ早く戻って来い……ここがお前の家だと言ったであろう』
「なぜ声が」
『愚問だな、よには魔族の血が流れておるし、第一お前のマスターだから当然であろう……というのは嘘で、朝、地図をわたした時、リンクを結んでおいたのだ』
「すみません……今、先輩と一緒なんですが、連れて行ってもいいでしょうか」
『良いぞ……よも何か一声、挨拶すべきであろう』
べリハとの会話(通信)を終えた千世は、その内容をイツキに話す
「あいつの家か……まぁ、久々に行ってみるか」
苦笑交じりと、あまり乗り気ではない様子。
……そして、互いの世界の話など雑談をしながら歩いているとミドルニア城が見えてきました。
「しかし、いつ見ても無題デカい家だな」
(城ですから当然でしょう)と言葉の代わりに苦笑いしていると……城の門前には、『今や遅し』と腕組をしたべリハ様が待っていた。
私の姿を見て笑顔で駆け寄ろうとした……次の瞬間
「げっ」思わず声を出し、笑顔をひきつらせるベリハ様。
「よう……べリハ、久しぶり、元気そうだな……何年ぶりだ? まだ魔王ごっこしてるのか?」
「ははは、イツキの方こそ元気そうで何より……三年ぶりくらいか……その無駄乳、また大きくなたんじゃないか?」
「いいもん食って、無いものねだりか……べリハの方こそ肩こりが無さそうでうらやましいよ」
「ははは」と苦笑いならべリハ様が私をこづき話しかける
「千世よ、もしや、あのような野蛮なメスに」
「野蛮だなんて、ひどいですよ友達なんですよね?」
「お二人さん、陰口ならもっと小さな声で……と……相変わらずの道化ぶりだな……町中に、色々書かれたお前の顔がはられているぞ」
「道化?」
「……」
落ち込みうつむくベリハをよそに
「バカにされたって言い返してこない……この格好を見て、こいつが立派な政治家……国を治める、王に見えるか?」
「うるさい!」
「確かに前王様(べリハの両親)は、立派さ国をこんなにも反映させ……最後は、火山の大噴火を止めるため……国政を三人の元老院に任せると、生贄となり見事噴火を止め、国をみんなの命を大天災から救った英霊……しかし」
と城の二階、半円状にせり出した部屋の出窓に『あそこが元老院だと』視線をやりながら言葉をつづける
「国政を任されたからと言って元老院は……攻防の軍事、工商の財務、貿易と政治実権を握って……べリハ(こいつ)、王をかいらい『客寄せ』に利用している」
「よだって、このままではいかんと勉強を重ね……最近では、元老院の会議に立ち会い……質問したり、通らずとも意見を述べるくらいはしておるわ」
「王として、実権を(少しでも)取り戻すのは……いつの事だかな」
「ううう……とにかく、イツキせっかく来たんだ……今宵は存分にくつろいでいくがよい、よの居城、ミドルニア城へようこそ」
癖なのか、何かの病気なのか、相変わらずベリハ様は右手で顔の右半分を隠しています。
そして三人は、火山の地熱でわかされた風呂に入り
夕食を食べ……
ベリハの私室……一度に五人は寝ることが出来るだろう、巨大なベッドで横になり、布団を叩きながら
「良ければ一緒に、よのベッドで寝ないか」
イツキは、ベッドの柔らかさをみようと手をのせたが、予想以上の柔らかさに吸い込まれる手に目を丸くして
「その気持ちは有り難いが、怖い、無理だ、こんな底なし沼みたいなベッド……落ちいつかない……野宿に慣れたあたいには地べたがいいが、
毛布代わりに、じゅうたんの上で寝かせてもらう」
「私も、マスターのお気持ちは有り難いのですが……これからの野宿の練習に、じゅうたんの上で寝かせてもらいます」
じゅうたんの上で寄り添う二人を目に……湧き上がる疎外感に、辛抱できないベリハは、ベッドから起き上がると
強引に二人の間に割って入る
「よだけ、のけ者は嫌だ……たまには童心にかえり、じゅうたんの上で寝るのも悪くない」
「相変わらず、寂しがりは変わっってないな」
「可愛いです、マスタ」
「うるさいぞ二人とも、もう寝る!」
起きている間は、あんなにいがみ合っているが……三人仲良く寄り添うように寝る様子は、何ともほほえましいものだ




