ギルド入隊・新人の一日(前編)(狂子)
ベッドで眠っている狂子の顔に、風で揺れるカーテンから漏れる朝日があたると……まだ眠たい彼女は、あくび混じりにゆっくりと上体を起こし、目をこする。
どうやら目を覚ましたようなので、視点を狂子に交代しよう。
(どうして朝って、こうも眠たいんだろう?)
周囲を見回していると、丸椅子に座ってる男……チャラが、あたしを見ている。
(とりあえず)
「あ……おはよう」
「うん、おはよう」
(あれ?)
頭がさえ、部屋の内装が、昨晩の研究室と明らかに違う事に、すかさずあたしは、チャラを睨むように言葉をつづけた。
「ねえ、ここは何処なの?」
「ここは、奉仕のギルド・エトセトラの客室だよ」
「あんた、だました!」
指をさし声を上げるあたしに
「だましたなんてひどいな……約束どおり、俺は君に触れてちゃいないよ……君をここに運び寝かせたのは彼らで、僕はそれを頼んだだけ」
チャラは、両手を軽く上げ降参のポーズで、ドアの両端に立つ、軽装姿の男二人に視線を送る。
「確かに、約束は守られてるみたい……だけどね、当事者の私にとって同じ結果じゃ、意味ないでしょ!」
「ははっ、そういわれると確かに、一理あるかも……ごめん」
「素直でよろしい……でもなんでこんな事したの?」
あたしの質問に、チャラの態度がいっぺんし、鼻をならす
「うん、それは……たぶん今の狂子にとって異世界である、この世界、この国、町では……現に、言葉は通じるだろうけど……ちゃんとした衣食住の確保、特に金銭を得るのは、とても難しいだろうから、このギルドで住み込みの仕事をしながら、この世界等、色々と学べば良と思ってね」
「何だかえらそう、だけど図星だ……どうもありがとう、で、奉仕のギルドって?」
「うん……ここは代価をもらえば、悪事以外なら、町のゴミ拾いから、悪党退治まで何でもする、人々の生活の役に立つ、心優しきギルドさ」
『代価はお金とは限らず……貧しい人にはお金の代わりに槇割り・皿洗い(労力の提供)や食料・情報の提供でも大丈夫』
RPGゲームでおなじみの『ギルド』という単語に、鼻息荒く目を輝かせるあたしに、チャラは『ちょろいな』といわんんばかり軽く笑い言葉をつづける。
「ふっ、興味がある様でなにより……それじゃあ、ギルドマスターに会いに」
『カ~ンカ~ン』言葉を遮る様に町中に鐘が鳴り響く
「もう時間か、ということで僕は行くから、じゃっ、いつか又会おう!」
そう言い残すなりチャラは男二人を従え部屋を出ていく。
「盛り上げるだけ盛り上げて、鐘が鳴ったから帰るて、あんたはシンデレラかい!」
ツッコミを入れ、身を乗り出したあたしは手を滑らせベッドから落ちる。
「って、誰も居ないし!」
(まずはギルドに入ろう……とくればギルドマスターに会わなきゃね)
立ち上がったあたしは、一呼吸して部屋を出る。
いやあ皆、読んでくれてありがとう。
『オタク系女子中学生が異世界転移⁈ 狂子のお気楽ファンタジー』
第八部『ギルド入隊・新人の一日(狂子)』
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by.チャラ・イージス




