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第4章覚悟の刃
カイは巻物から目を離し、深呼吸をした。
胸の中で何かが燃え上がる感覚がある。
「……逃げるなんて選択肢は、最初からない」
セラが不安げに見上げる。
「でもカイ、それは――」
「わかってる。代償があるってことも、この先が命懸けになることも。けど……俺は、もう大切なものを失いたくない」
フードの少女は無言で頷き、巻物を指で示す。
「ならば、この技を覚えろ。飾りの真の力を解放する方法だ」
巻物には、複雑な陣形と、呪文のような詠唱が記されていた。
セラは覗き込み、顔色を変える。
「これ……使う者の魂を削るって書いてある」
「魂を削られても、守るべきものがあるなら……やる」
カイの声は揺るぎなかった。
少女はゆっくりと手を伸ばし、カイの額に触れた。
瞬間、頭の中に炎のような映像が流れ込み、飾りから熱が放たれる。
「……っ!」カイは歯を食いしばった。
廃屋の外で、地面が震える。
“主”の軍勢が、再び近づいてきていた。
「時間がない。選んだなら、今ここで力を解放しろ!」少女の声が鋭く響く。
カイはセラと目を合わせ、頷き合う。
「行くぞ、セラ。これが……俺たちの反撃だ!」
銀の飾りが眩い光を放ち、廃屋全体を白く染め上げた――。




