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続き
カイはセラの手をぎゅっと握りしめた。
背後から迫る獣の唸り声が、胸の奥まで響く。
「セラ、もうすぐだ。俺たちをここで終わらせる訳には行かない。」
小さな銀の飾りが手の中で温かく震える。
それはただの飾りではなかった。
古の時代に封印の力を宿した聖なる証――。
カイは飾りを胸元に押し当て、震える声で呟いた。
「頼む、力を貸してくれ……!」
すると、飾りが青白い光を放ち始めた。
まるで生きているかのように脈打ち、周囲の闇を払っていく。
“主”の瞳が光を捉え、動揺の色が走った。
「なに……!?」
その瞬間、獣たちが後退した。
カイは咄嗟にセラを抱え、距離を取る。
「今だ、逃げるぞ!」
二人は光を頼りに、闇の中を駆け抜けた。
この飾りの力は“主”を封じる鍵。
しかし、その力がいつまで続くのかは誰にもわからない。
カイの胸に宿る覚悟は、ただ一つ。
「セラを守る。そして、この戦いに終止符を打つ――!」
夜空の星たちが、二人の逃走を静かに見守っていた。




