表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/30

Episode:26 羽竜

ハガネが、王都に着いた時、

アルゴジアは既に奴が城壁に開けた穴から王都に侵入していた。


王都で爆発が起こる。


何人死のうとハガネには構わないが、メリアの口調から察するに死ぬ人数は少ない方がいいだろう。

ハガネはそう考えて、質量の制限を外し地を蹴る。


***


ハガネの脚が作り出す力は同じだ。ではどうすれば早く走れるか。

それは質量を減らせばいい。


運動の三法則の二つ目、ニュートンの運動方程式ma=F(mは質量、aは加速度、Fは力)では力が同じ時、質量が小さいほど加速度は反比例して大きくなる。


ハガネの質量を0にすれば加速度は理論上、無限になるが、それでどんなことが起こるかくらいハガネにもわかる。


ハガネは適当に自分の質量を5分の1程度にした。


***


成人の垂直跳びが平均して男性62cm女性44cmであるそうだ。ハガネはこの平均の53cm跳ぶことができるとする。

この時、ハガネが最大の高さまでの到達時間は√0.53/4.9≒0.33(s)、であるから跳躍時の速度は1.06/√0.53/4.9≒3.2(m/s)。また重心の移動開始から跳躍までにかかる時間を0.1秒と仮定すると、ハガネの一本あたりの脚力は16M(N)(Mはハガネの質量)。

ハガネが垂直に質量を5分の1にして跳んだので、足一本の加速度は81m/s^2。この加速度で王都までの距離を走った場合かかる時間は3.5秒程度となる。

(なお、作者の計算によるものなので間違っている可能性大です、間違っている場合無視してください。あと、仮定した0.1秒は適当です。(笑))



空気抵抗や位置など他にも影響はあるため実際はこうはならないだろうが、

ハガネは王都まで相当な速度で走った(?)。


**


よく、重力が弱いからとても強くなった。的な異世界がある。しかし、これは重力が弱いよりもヒッグス場の力が弱く、質量が小さい世界である方が正しい気がする。

もっとも、ダークエネルギーの影響で大変なことになりそうだが。


この小説ではそんな難しいことは考えないです。


***


ハガネはアルゴジアのいる王都に文字通り飛んで行った。

移動中は外気を遮断する物理防御の壁を魔法で作っているので、音速を越えている気がするが問題ない。(主にハガネには)


地面に足をつけ減速する。そして、減速が終わると同時に質量を元に戻した。

質量が小さい状態で活動するのは難しいのだ。


アルゴジアはハガネを気にせず、王都を破壊し、人を喰らう。


アルゴジアが新たな人を瓦礫から探そうと右前脚を伸ばす。

それが瓦礫に触れようとした瞬間、脚が重力にしたがって落ちた。


少し離れたところには呪剣を振り切った形で止まっている。

忘れていたかのようにアルゴジアの脚の切り口から血が噴き出す。その色はヘモグロビンによる酸素の運搬ではない、もしくは全てではないのか。青みがかった赤、つまりは赤紫色の血だった。


「キシャアアア!!!!」

アルゴジアが羽を撃たれた時に漏らした小さなものとは比べ物にならない、大音量の悲鳴をあげる。


足をなくしてバランスを取りにくくなったのか。千鳥足のように数歩、足をその場で動かし地面に立ち続けるのを諦めて羽で飛ぶ。


ブーンという、冒険者たちの声で聞こえなかった羽音がハガネの耳に入った。


アルゴジアが千鳥足を踏んでいるときをハガネが無駄に過ごすはずがない。

【片手剣術】スキルの剣技、ヴァルヘイム。

戦闘中の時間感覚においての長時間の"溜め"を必要とするこの剣技は、ほとんど使用されない。だが、その攻撃力は他の剣技を遥かに勝る。

さらに、ハガネの剣は呪剣だ。

魔法的な意味のあった剣が元となっている、呪剣にも当然それらの剣がもつ剣技を強くする効果がある。

どれが必要なかったかと言われてもわからないが、結果としてアルゴジアの装甲をハガネの剣は引き裂いていた。


切られたアルゴジアの羽が止まり、アルゴジアは墜落する。声があがることはなかった。

落ちた衝撃によるものか、アニメで切られた人間のように切り口がずれた。


ハガネが、剣を勢い良く振り付いた血を払う。





王都の軍を壊滅させ、多くの冒険者を屠ったモンスターはあっさりと最期を迎えた。


そして、かつて危険度A1を仕留めた伝説の冒険者、ベルギットもまた同じだった。



*****



後日、冒険者ギルド内。


ハガネは目撃者がいなかったのをいいことに自分のアルゴジア討伐の功績を否定した。

ステータスカードの提示をしなければバレることなどない。


アルゴジアはA2の危険度とされた。(推定がつくが。)

これは壊した街の数は多くなかったからだ。


***


アルゴジアの攻撃を受けたスラム街は半ば崩壊、しかし、依然としてアルゴジアの攻撃を受けていない方にはスラム街が残っている。

王都の城壁の修理は終わったが、攻撃を受けた王都内の土地は復興できていない。

死んだ者が居たため、それらの持っていた土地は国が買い取った。

国の主導で、復興は行っているようだがなかなかうまくはいってなさそうだ。

冒険者がいなくなったため冒険者ギルドは他の土地から冒険者を誘致した。具体的に言うと依頼の達成料を高くしたりした。

噂で達成料が高く儲かることが分かれば冒険者たちは集まるだろう。もともと冒険者にとっていい土地で冒険者が集まったからこそ、別称の貴族と冒険者の街に冒険者が入っているのだ。


しかし、現在王都は好景気の中にある。

王国は商業が盛んな国だ。

アルゴジアの死体を売って金儲けをしたのだ。なんとたくましいことか。


***


前回の出立と同じく急だが、王都を出ようと思う。仲間も一応増えたので、ダンジョンに潜っても不審には思われないだろう。

メリアは後衛として優秀だ。

もちろん、ハガネが本気でやれば後衛なんて必要ないのだが。

今話の急展開ぶりがヤバイ。

次回からはダンジョンの街、えーっと名前なんだっけ。の話です。

メリアがあの後仲間になるシーンも書いてない。ハア

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ