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Episode:14 殺気

前回と違って本編が進みますた。

修正:ハガネは上の名前も書いたことにします。

ハガネはハーデルガントのそれより圧倒的に大きい王都の冒険者ギルドの建物を見上げる。


観光に(この世界ではあるが、一部の富裕層は観光をする。)来ていると思われる人々を視界の隅に入れながら、ハガネは内心この建物の存在価値を疑っていた。


〈こんな、デカい冒険者ギルドを建てる意味あるのか?〉

『解、特にはないと思いますが、強いて言うなら、見栄、でしょうか。冒険者ギルドはその性質的にも位的にも貴族街に建物を建てられませんから。』

〈大きければいいなんて子供じゃあるまいし、それに・・・〉

ミーアはなぜハガネが答えに詰まったのかわからなかったがその内容の推測はできた。

『推定、冒険者ギルドは営利団体では。ですか?』

〈ああ、そうだ。〉

この会話はこれで途切れた。


冒険者ギルド内の施設はあまりハーデルガントのものと変わらないようだ。

修練場などハーデルガントの冒険者ギルドになかったものもあったが、それも決闘場を練習用にしたものだった。

王国内の冒険者ギルドの情報が集める役割のあ支部だけあり、情報処理の職員が交代で仕事に当たっているらしい。


ハガネが建物に入った時にハーデルガントより、多くの視線が向けられた。

おそらくはギルド内にある食事施設にたむろする人々が多かったからだろう。


王都のギルド会員は比較的優秀な者が多いが、これはあくまで平均的なものであり当然ながら王都内の依頼ばかりこなす戦闘では劣った弱い者もいる。

見慣れない容姿が優れた者に最初に近寄るのは、そんな者ばかりな気がするのは気の所為なのだろうか?


そんな偏見もあるが、近寄ってきた男はどちらなのかわからない。


だが、ハガネは前回結果としてこの世界の戦力を知ることができたとはいえ、バルゴと決闘に繋がってしまった対応を反省していた。




気の早い愚か者が気高き薔薇(ハガネ)に無闇に触れようとすれば怪我をする。




この結果だけは変わらない。


ハガネが建物に入ってから暫くすると近寄ってきた男に他のギルド会員は「またか」という諦めや蔑みの目を向けた。そしてハガネは無表情で冷たい目線を送る。


男は朗らかな笑みを浮かべてハガネに言う。

「こんなところに何しに来たの?困ったことがあるなら僕がやろうか?」


依頼と言わず困ったこと、と言うことで親近感を沸かせることまで考えてやっているのであれば、賞賛できる。


割と端麗な男は何を思ったのか、ハガネに馴れ馴れしく触れようとした。

うら若き少女普通の少女であれば、所謂胸キュンしたかもしれないが、ハガネは元男であり、男として正常な性癖を持っているこれは最初に書いたことだ。


ハガネの肩に、触れる直前、ハガネの雰囲気がガラリと変わる。

冒険者たちはそれに各々反応した。


勿論、ハガネが微笑んでそれに魅了されたなどという微笑ましいものではない。


ハガネは静かに言った。

「触るな。」

だがハガネのそれに冒険者たちは反応したのではなかった。



ハガネが出したのは殺気であった。



殺気とはこの世界では基本、活性化した魔力に人体が感じる圧迫感であるがハガネが出したのは戦士が出すものと同じただの雰囲気であった。

男はハガネは依頼に来た少女なのではなく、冒険者なのだと理解させられた。

ただの雰囲気はしかし、冒険者たちを恐怖させ、心を支えるためのものとしての武器に頼らせた。



冒険者たちが武器に手を掛けたことも手伝った。

一触即発の雰囲気。



それを壊したのは奥から出て来た少し年を取っているが目線の鋭い男だった。


「やめないか。ハガネ君。」

近寄ってきた男が情けなく倒れている姿を一瞥して、男に返答する。

「先にやってきたのはそれです。」

そう言いつつハガネが放っていた殺気なくなっていた。


なぜ、ハガネの名を知っているのかは疑問に思ったが聞かない。

その情報を入手したということでハガネを揺さぶり、優位に立とうとしているのだ。それを聞くのはハガネの少しはあるプライドが許さなかった。


「ハガネ・ニシオ名前以外記入は無し、自由民証を所持。2−に上がったばかりだが登録前に盗賊団を討伐。また、準一級冒険者バルゴとの決闘で勝利。その後、試験を受け初回で合格。評価はかなり高い。」

ハガネの言葉に対し、男はハガネについての事実を述べた。

「だから?」

これにも何の反応も外見上示さないハガネに男の視線は興味を持ったものに対するものに変わる。

「いや、冒険者ギルドでは君を高評価しているということだ。だが、ガジルとロイのときも含め少しやり過ぎだ。」


あの二人組はガジルとロイといったらしい。


「相手に非があるというのに自分に責がある、と?

それにまずは名乗るべきでは。」


ハガネはミーア以外と話すとき一人称は"俺"ではなく"自分"とすることにしていた。アリアータ語でも"私"は少々女性的なので、事務的な印象の"自分"で妥協したのだ。


「ああ、そうだな私はベルギット・ディ・アヴァドリア。ここのギルドマスターだ。」


ベルギットという男の"私"には少しも女性的な印象は感じず、軍人のような堅さを感じた。


名を聞いたからか彼が現れたからか、見ていなかったのでわからないがいつの間にか冒険者たちは既に静まっていた。


アヴァドリアという長い家名とディというミドルネーム的なものは貴族の特徴である。

アヴァドというありふれた家名を貴族風に変えた家名からは原則一代限りの名誉貴族であることが伺える。


しかし周りの冒険者の反応は貴族ということよりも名前もしくはベルギッ自身に大きな意味があるのだろうとハガネは感じた。


のちにわかることだが、彼は王都に現れた推定危険度A1のユニークモンスターを討伐した英雄だった。

これで名前の出たキャラがユフィ含めて七人に!

ハガネさんは冷徹です。


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